.    '18年9月27日

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肉食蝶

 ゴイシシジミがアブラムシの分泌液(← 甘露)を食べています。『えっ!? アブラムシの排泄物がエサぁ?』と驚いてはいけません。 その幼虫は、アブラムシそのものがエサなのです。 日本の蝶の幼虫の中で、(一時期、肉食するのはいても) 完全に肉食性なのは本種だけとか。  園内で幼虫が食べるのは、シナノザサ、ミヤコザサに生息するアブラムシと思われます。 ところで、写真はササではなく、イネ科の草の アシボソ。 この近くにはエゴノキが生えており、そこにはエゴノネコアシフシという虫こぶができています。 その虫こぶを作るのは アシボソとエゴノキを行き来するエゴノネコアシアブラムシ
… 生態系の連鎖を感ずる一場面でした。





       アブラムシとチョウの意外な関係


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アンモナイト

 アオツヅラフジの果実と種子(丸写真)。 ツヅラフジは【葛藤】と書きます。 これを音読みすると【かっとう】。人と人とが対立していがみ合ったり、複数の選択肢からどれを選ぶか迷ったりする時の感情表現は、ツヅラフジのツルがからむ様子が語源ともいわれています。 一見すると、ブルーベリーヤマブドウあるいはマツブサ のような果実。 『食べてみようかなぁ、やめた方がいいかなぁ…』などと葛藤してはいけません。 毒性の強いアルカロイドを持つ有毒植物です。食べることは諦めて、中の種子を観てみると…  それはまるで、アンモナイトか カタツムリ、あるいは昆虫の幼虫のような姿形。 こんな奇妙な形になった理由は、なんだったのでしょう?





    とっても美味しそうに見えるのだが、実は…


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誇り高きキノコ

 やがて成熟すると、キノコの頂上部分に穴が開き、埃(ほこり)のような胞子を噴出することから、ついた名前が ホコリタケ。別名は キツネノチャブクロ。これと似ているものに タヌキノチャブクロがあります。 一見するとそっくりでも、発生する場所が違い、多くの場合、キツネ~が、落葉 ・ 落枝を栄養源とすることから地上に、タヌキ~は朽木を栄養源とすることから、倒木や切り株に発生します。なによりも違うのは、その姿。キツネ~の表面には円錐状の棘(丸写真) があるのに対して、タヌキ~にはそれがありません。 時折、『食べられますか?』とのお尋ね がありますが、『ここ(園内)は採取禁止の為、 食べられません』 と、お答えしています。





          草地の広場に大量発生