『紅くならなくても いいや』 今が盛りの黄葉は、ヒトツバカエデ、ウリハダカエデ、ウリカエデ、アブラチャン、ダンコウバイ、クロモジ、コナラ、コシアブラ、そして特に鮮やかなアオハダ。 一方で、本来なら見事な紅葉となる、ハウチワカエデ、コハウチワカエデ、コミネカエデ、オオモミジ、オオヤマザクラ などは、いまひとつのようです。じつは、紅葉になるメカニズムは解っていても、なぜエネルギーを使ってまで紅葉する必要があるのかは 諸説あるようです。 今年は、樹が…『紅くなる必要がないや』 と判断したのかもしれません。 葉に残っていた有効成分を枝に回収する一方で、 不要な老廃物を葉に溜めた今、柄の付け根に壁をつくり、落葉するための作業進行中です。
野に生きる 小春日和というには、ちょっと早いですが… ニホンザルが 園内のあちらこちらで、日向ぼっこしながら採餌しています。 時に、その群れに囲まれて怖い思いをされた来園者もおられます。 しかし、これまで事故はありませんでした。 この後も そうであるために、次のことを厳守願います。 なによりも【目を合わせないこと】。こちらが無関心を装えば、相手も(警戒しながらも)知らん顔してくれます。騒いだり威嚇すると、むこうも仕方なく反撃に出ることがあります。 そして最も守っていただきたいのは…餌を与えないこと。 ひもじそうにしている姿に哀れを感じ、良かれと信じてした行為が、ヒトとの軋轢を生んだり、時にその個体の命を縮めることになります。
雪虫 雪虫と呼ばれる昆虫は、春と秋に現れます。春を告げる セッケイカワゲラ類 と、深まる秋を実感させる(写真のような)アブラムシ類です。 今、園内では秋の雪虫が、ふわふわと飛び回っています。綿虫とも呼ばれるほかにも シーラッコ、シロコババ、ユキンコ あるいは 井上靖の自伝的小説の題名にもなっている『しろばんば』などの別名があります。 来園された方からその正体を尋ねられ、まずはじめに、なにやら ほのぼのとした名前を伝えた後、それが 【アブラムシ】である とお知らせすると、多くの方が興醒めされます。 … これまで単為生殖で増殖していた時には無かった翅が生え、相手を求めて飛翔し、やがて一週間ほどの儚い命を終えます。