葛藤(かっとう) 観察会などでご案内する際、いつも参加者を混乱させてしまう話題が【ツル】の右巻き・左巻き。 ちなみに、葛(クズ)は右巻き、藤(フジ)は左巻きです。 なぜ混乱するかというと、図鑑や書籍で、この逆としているものがあるからです。 それらは以前に出版されたものであり、途中からルール(?)が変わったため、後から出版されたものは、逆の記述になってしまったのです。 『葛藤』とは、人同士が対立したり、複数の選択肢から一つを選ぶ時の心の迷いを意味しますが、それは葛(右巻き)と藤(左巻き)が一緒 に巻きつく様子が語源だとか。 園内では他に、右巻きは サルナシ、アケビ 、左巻きは マツブサ、スイカズラ などが巻きついています。
冬は去り 去り行く冬、来たる春。移ろいゆく季節を知らせるように コハクチョウの北帰行が始まっています。 【北に帰る】と表現することから、時に窓口で来園者から 『なぜ "帰る" と言うの? 秋になると日本に "帰って来る" んじゃないの?』 とのお尋ねがあります。 待つ身の我々とすれば、『あぁ、今年も日本に帰って来た』 と思いたいのですが… やはり、この際は、【生まれ故郷である北の国に帰る】 と言うべきなのでしょう。ところで、写真は当園地から車で15分ほど離れた田んぼの中。 安曇野には、白鳥飛来地として 2ヶ所が知られていますが、ここは、それらとは違う場所です。 写真の彼らも、間も無く旅立ち。 願わくば、無事に渡り終えますように。
春は来る 一方こちらは、春を迎えたニホンザル。 40頭ほどの群れが採餌していました。 ここは、水辺エリアと森林エリアを結ぶ林道沿いの畑。例年ならば、このあたりは残雪に覆われていて、餌場にはならないのですが、今年は彼らにとっては『ラッキー!』な年になったようです。今シーズンは降雪も少なく、立春の日あたりに降った季節外れの雨で、すっかり雪解けが進みました。そのため、当園地において2月16日に予定していた【スノーシュー講座】は中止になりました。 スノーシューの体験と、それを履いて自然観察をすることを目的に、ここ数年来同じ時期に開催してきました。 しかし、雪不足により中止になったのは、今回が初めての出来事でした。