.    '19年7月6日

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川の流れ その1

 園内を流れる烏川の濁流。 ここ安曇野において、それほど雨が降らなくても、このような増水 & 濁流になることがあります。 写真は上高地と乗鞍で大雨警報が出た次の日の朝です。烏川の源流は、北アルプスの常念岳と蝶ヶ岳 であるため、それに連なる上高地地域に降った雨は、数時間後には園内に達します。 写真の翌々日には、地元小学校の環境学習の一環での【水生生物観察】がありました。  『ひょっとして、今回の増水で全て流されて、なにもいないのでは』… との思いは杞憂でした。いつもと変わらず、虫たちは健在でした。でもそれは当然のこと。 この程度の自然事象で影響を受けるようでは、とっくに絶滅していたはずです。





  巨岩がぶつかり合いながら、軽々と流されていく


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川の流れ その2

 一方こちらは、別の日に撮った清流。 ただし、烏川ではなく、園内を流れるもう一本の川の小野沢川です。 この川には カジカカジカガエルが生息しています。 この時期、時々ある お尋ねは、『蛍はいますか?』というもの。 後述するヒメボタルを除き、ゲンジボタルヘイケボタルはいません。その理由は… 川がきれい過ぎるからです。清流には棲めない貝を餌とするために、結果として生息域にはならないのです。  今後、もしも蛍を見るようになることがあれば、その時は心配すべき状況になったと言えます。 なお、この川をさかのぼった山中には、多様な生息環境に棲み、幼虫時代を川ではなく 陸上で生きる ヒメボタルが生息しています。





     これからの季節には、ホッとできる場所


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見ても見えず

 クリの雌花と雄花(丸写真)。 この時期、雄花はやたらと目立ち、強烈な香りを放っています。 一方、雌花をご覧になったことはありますか?  長くておびただしい数の雄花に比べて、雌花は小さく数も少ないため、その気になって探さないと見つけられません。(とはいえ、生る栗の実の数は咲いていますが)  自分の花粉では受粉できない(自家不和合性)であるため、他の樹 の花粉が必要です。 また、園内にもある同じ ブナ科の コナラミズナラクヌギ、あるいは、雄花の形が似ているクルミが、風媒花(風が花粉を運ぶ)に対して、クリは昆虫に運んでもらう 虫媒花です。 あの特有な匂いは、それら昆虫 を呼び寄せるのに一役買っているようです。





    雄花は見ていても、雌花を知る人は少ない