.    '19年8月7日

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なぜ、ここに?

 ノジトラノオ。よく似たオカトラノオに比べて花期が遅く、花の様子はより繊細に感じられます。 日当たりの良い草原に生えるオカトラノオに対し、ノジトラノオは湿った環境がお好み。しかし、写真の場所は日当たりがよく、湿地でもありません。オカトラノオではなく、本種が生育していることに違和感を覚えます。 とはいえ、自生しているからには、これまでその場所は適地だったのでしょう。 悩ましいのは今後の扱い。他の草木が繁茂すれば生育には支障となります。 だからと、それらを過度に排除すれば、直射日光により土地の乾燥化が進み、本種には不適地になると考えられます。  『余計なことをするな』と、草木に言われないためには、さて…?





    オカトラノオは普通種だが、こちらは希少種


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希少種ではないけれど…

 オナガアゲハの雄。 (写真には写っていませんが) 後翅の上辺に白い紋があるのが雄である証です。 この時期には、あちこちで見かける蝶です。 同じアゲハチョウ科の仲間であっても 当緑地で繁殖する ヒメギフチョウミヤマカラスアゲハのような派手さが無いだけに、時にこの蝶と出会っても 『なぁ~んだぁ』との声を聞きます。  とは言え、この蝶の寿命は 1ヶ月程度 とのこと。  ヒトとして数十年を生きて、毎年 オナガアゲハ を見かけてはいても、写真の個体 と出会ったのは、後にも先にもこの一瞬だけ。 それを思えば、個人的には超希少種と言えます。 他の見慣れた動物も同様。この後、『なんだ xxxかぁ』 などとは、ゆめゆめ考えまい。





         一生に一度の出会い


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闇夜に烏(からす)

 『闇夜に烏、雪に鷺(さぎ)』とは、暗闇の中にいる烏、一面の雪景色の中にいる白鷺であり、いずれも認識しずらいことから 『見分けがつかない事』の "たとえことば" です。 とはいえ、わずかでも月明かりがあれば、闇夜のしゃれこうべ は、さぞや目立つことでしょう。 ちなみに、しゃれこうべ とは 「晒(さら)され頭(こうべ)」の意とか。 写真は、ハシボソガラス の晒され頭 です。  これをはじめとして、レクチャールームには、園内や安曇野市内にいた哺乳動物や野鳥、70種の頭骨標本を展示しています。 他にも、剥製(動物12種、野鳥60種)や、多くの昆虫標本、野鳥の羽根標本があり、『百聞は一見に如かず』を実感することができます。





       "烏"川渓谷緑地には縁深い鳥