赤いキノコ ベニナギナタタケ(紅薙刀茸)。書籍などでは可食となっていても、『食べる価値が無い きのこ』と紹介されていることが多いようです。なお、一見似ているカエンタケは猛毒キノコです。 山道を歩いていると、キノコが捨てられていることがあります。(名前がわからないので)持って帰るつもりもないのに、なぜか 一度採ってから捨てるという方がいます。 でも、カエンタケに関しては、それはやめたほうが良いようです。 なぜならば、触るだけでも皮膚がただれるとのこと。 そんな猛毒キノコに似ているベニナギナタタケを、わざわざ 引き抜いて捨てる などということはせず、同じ目線の高さから、その キノコ らしからぬ形と色を観察してはいかがでしょう。
蜘蛛の糸 ナカムラオニグモ。北方系の蜘蛛だけに、園内ではごく普通に観ることができます。 ある時、巣を作る様子を観ていたことがあり、あまりにも無駄の無い動きに感服したものです。 その手順は… まずは枠を作り、その後、四方に縦糸を張り、中心から らせん状に足場となる糸を張ります(← これらの糸は粘らない)。 仕上げに足場糸を足掛かりに 粘着性のある横糸を張り、それにより餌となる昆虫を捕獲します。 ところで、数年前の晩秋のこと。園内の一画に無数の光る糸が現れて、多くの来園者から、その正体につきお尋ねがありました。 それは【バルーニング】。 赤ちゃんグモの大集団が、糸を使って空に旅立とうと、風待ちをしていたのでした。
秋を感ずる香り 園内を流れる小野沢川に架かる橋を渡る時、漂ってきた香り。『あぁ~ 今年も秋が来るなぁ』 との思いが…。それは、カツラの葉からのもの。 秋になり黄葉すれば、その香りはより強くなりますが、今頃でもほのかに匂っています。 芳香の主成分はマルトール。 それは綿菓子やキャラメルの甘い香りの成分です。マルトース(麦芽糖)を熱処理すれば出来上がるマルトール。 カツラの葉でマルトールが生成される仕組みは明確 になっておらず、そもそも、なぜ(エネルギーを使ってまで) 匂いを発生させるのかについても諸説あります。 ちなみに、秋に紅葉する樹のメカニズムは解っていても、なぜ 紅くする必要があるのかは、いまだ解明されていません。