.    '19年11月28日

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木の子 その1

 遠目に見て、『おやおや、ずいぶんとニガクリタケが生えているなぁ』などと思いながら近づいてみたところ… エノキタケでした。 エノキタケといえば、モヤシ のように白くてひょろひょろしているキノコと思われがちですが、それは栽培したもの。 天然モノは、色は茶褐色でシイタケほどの大きさになります。 この時期(晩秋から冬)に出るキノコは少ないので、食用として人気があります。 味も食感もスーパーなどで売っている(白い細い)エノキタケとは全くの別物です。 …と、ここまで書いておいてナンなのですが…   当園内では【菌類も含め植物採取禁止】となっていますので、きのこ狩りはご遠慮願います。 … 食欲よりも知識欲が満足しますように





      ここまで栽培品と違うキノコは珍しい


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木の子 その2

 一方こちらはダンアミタケ。食べられないので採取される心配は無いのですが、管理者とすれば、発生場所が悩ましいのです。 それがどこかというと… 案内標柱。 枯れた針葉樹を分解する腐朽菌であるダンアミタケ。 この標柱も近い将来、腐って建て替えざるをえなくなります。
 この他にも、樹木の安全管理上、"要注意菌類"として… ベッコウタケ、コフキサルノコシカケ、カイメンタケ、ハナビラタケ、ナラタケ、ナラタケモドキなどがあり、その子実体(=キノコ)の発生があった場合は、経過を注視しています。 特に"心材腐朽菌" とされる菌類は、相当に繁殖しても、樹に外観上の変化が無く、ある日突然、倒れたり折れたりすることがあります。





 同じ"木材腐朽菌"でも、エノキタケは嬉しいのだが…


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増殖中

 開園3年目に確認したときは、高さ1m足らず、太さは親指サイズだったヤマナラシ。14年経た今、樹高14m、胸高直径30㎝にまで育ちました。 どうやら、園内では、もっとも成長が著しい樹のようです。 急成長したのは、大きさばかりではありません。その数も驚くほど増殖しています。 写真中の矢印が、その一部です。ただしこれは、(種から生えた)子どもではなく、分身です。 広がった根の途中から 新たな幹を立ち上げています。ちなみに、米国ユタ州には、43haの土地に4万本以上のヤマナラシが生えている森があり、それはなんと ひとつの巨大な根系をもつ 1本であるとのこと。なお、その広大な森になるまでには8万年かかったと考えられています。





   さて、このヤマナラシは、何万年生きるのか?