.    '20年3月11日

   .

名残雪

 過去に覚えの無い足早な春の訪れを感じていた2月末に、季節を逆行したかのように雪が降りました。 『これが、今期最後の名残雪、終雪になるのだろう』と考え、凛とした冷たい空気も、それまでに春を知ってしまった身には、恐れるに足りないものでした。  それにしてもこの冬は、これまでに経験の無いほど雪の少ないまま推移しました。 そのため、毎年恒例になっていた"スノーシューイベント"は中止となりました。 ヒトにとっては楽しみを奪われて残念でしたが、園内で冬を越した野生動物にとっては、いつになくエサに恵まれた、ありがたい冬だったことでしょう。   雪が少なかった分、雨が多く降るとの説を聞きますが、今年は多雨になるのでしょうか…





  本格的な冬景色を見たのは春を迎えてからだった


   .

山稜の連なり

 当緑地は、水辺エリア・森林エリアの2ヶ所の飛び地になっており、両エリアは車で15分ほど離れています。 写真は、その移動途中からの山々の眺めです。 北に目をやると(上写真)、妙高戸隠連山国立公園を成す 高妻山、戸隠山、妙高山、黒姫山、(写っていないが、この右には)飯縄山。 振り返って南に目をやると(下写真)、南アルプス国立公園を成す 甲斐駒ヶ岳、北岳、仙丈ヶ岳の峰々が望めます。なお、同じタイミングで、このように全てを観られる日は限られています。  ちなみに、東を向くと、八ヶ岳中信高原国定公園を成す美ケ原のピークである 王ヶ頭王ヶ鼻が、西には中部山岳国立公園を成す常念岳、蝶ヶ岳が在ります。





       同時に両方が望めるのは稀なこと


   .

氷河期から生き残る

 余談かつ私事ながら… 当WEB管理者は、長野県の委嘱を請けて【カモシカ通常調査】を行っています。 通常調査は、5年ごとにおこなわれる "特別調査" を補完するものとして毎年実施しています。 その目的は、生息状況(分布、生息密度)や生息環境(植生、環境変化)について長期間のモニタリングと併せて、密猟の監視の役割があります。  実施するのは、姿や足跡を発見しやすい冬期(積雪期)。食痕や糞、角研ぎ跡、前夜過ごした痕跡などを探して、山の中を歩き回ります。 ちなみに写真は、当緑地内でスタッフが撮ったものです。 以前、当WEB管理者が園内で出会った個体は、片方の角が欠損していました。彼(彼女?)は無事でいるだろうか…





        園内での目撃は少なくない