日本にしかない百合 暗い林床に浮き出るように咲くササユリ。種から花を咲かせるまでに数年(7年以上とも)かかる日本固有のユリです。 一般的なササユリは、もっと濃いピンクなのですが、この個体は限りなく白色です。鳥の鳴き声も途絶えた静かな空間で、聞こえているのは、この花を訪れているヒラタアブの翅音だけでした。 ウイルス性の病気に罹患しやすく、嫌地現象(連作障害)があることから、同じ場所では長くは生き続けられません。 そのためなのか、園内各所に自生しても、数年経つと見られなくなります。人為的に保護すべきかを悩む種のひとつです。なお、園内でのササユリの花期はすでに終えています。 また、自生場所については公表しておりません。
バードストライク 事務所入り口ドアの近くで落命していました。一見して、その大きさからヤブサメと考えたのですが、他にも園内にはヤブサメとよく似たセンダイムシクイ、メボソムシクイ、エゾムシクイ が毎年訪れます。 『さて、誰なのかなぁ?』と観てみると… 頭頂に細長い斑があり、これが動かぬ証拠となり、センダイムシクイと同定。 しかし、どうやら成鳥ではなく、いまだ幼さが残る 若鳥のようです。 園内で孵って、ようやく羽ばたけるようになり、秋に東南アジアまで行くはずでした。 レクチャールームには 180余りの野鳥の剥製・骨標本・羽標本があります。その死因の多くは構造物への衝突。 うち十数羽は管理棟のガラスへ激突して落命したものです。
深緑 水不足の日々が続いていたために、植物にとっては厳しい状況でした。ようやく梅雨となり、生き生きした姿となりました。 樹木の葉は新緑から深緑になり、盛んに栄養分を作り蓄えています。誤解されがちなのは… 新緑の頃、青々とした葉を見て『元気いっぱいだなぁ』と思われがちですが、実はその頃は、樹木(落葉樹)にとって、エネルギー不足の時期なのです。前年に蓄えた養分を温存したままで冬を越し、春を迎え、その貯蓄を使い花を咲かせ葉をつくります。 その結果、春から今頃までは、樹にとっては年間を通して、もっとも貧栄養の時期なのです。(← この時期の剪定を避けるべき理由) これから夏まで、深緑の葉で養分を作ります。