第63章 仁徳天皇記(4)
口子くちこ 兄妹と奴理能美ぬりのみ の三人の知恵の力で 宮廷の難問題は 無事解決できました。
仁徳天皇と皇后・石之日売は 元の鞘さや に戻り 再び 高津の宮に静かな日々が戻ってきました。
でも 実家に帰ったきりの新妻・若郎女わきいらつめ は 天皇が迎えにきてくれる日を 待ち焦がれています。
天皇も恋しい若郎女に会いたくて 歌文うたふみ を 送ります。 ……この時代は メールが無いので 歌文でした……
ー八田の1本菅は 子持たず立ちか荒れなむ あたら 菅原言をこそ 菅原と言はめ あたら清し乙女ー
菅原すげはら とは 子供がいない素腹の意味 天皇は 若い若郎女との子を望んでいた
実家の若郎女もー八田の一本菅は 一人居りとも 大君し 良しと聞こさば 一人居りともーと 歌文を返した。
意味: 私(若郎女)は 離れた地に一人で居ても 大君が私のことを好きと思っているなら 寂しくはありません。
しかし 残念ながら この二人はもう 二度と逢うことはありませんでした。
その理由は 皇后の圧力に屈した仁徳天皇は 新妻・若郎女わきいらつめ を離縁りえん したからです。
若郎女を オイラは不憫ふびん に思う きっと 美人だったのだろう‥