第15章 (1) 天孫降臨秘話
ここまでの復習
天地創造の神/天御中主神 みなかぬしのかみ を筆頭に 高天の原には おおくの神々が成り出でた。
そのなかでも 、地上を形成するため成り出でた神は 伊邪那岐・伊邪那美(いざなぎ・いざなみ)の神。
この神までを ー神世七代 かむよななよ ーと呼ぶ。
伊邪那岐・伊邪那美はー男神・女神の聖なる交合により ー次々に淡路島・四国・隠岐の島など
合計14の日本列島の形成と、35柱の神々を お産みになった。
その伊邪那美の神は、火の神を産んだ時に火傷を負い 黄泉の国よみのくに 死者の国へ、旅立ってしまった。
夫・伊邪那岐の神は悲しみ 妻・伊邪那美の神を追って 黄泉の国へ行き対面して
「貴女との 国造りはまだ途中です もう一度戻って 私と共に国造りを続けましょう」と 懇願したが、叶わなかった。
地上の国へ戻った伊邪那岐の神は 小戸の阿波岐原で禊の祓みそぎのはらい を行い身を清めた。
その「禊」の最後にー天照大御神・月読の命・建速須佐之男の命ーの尊い三神が生まれた。
そして 父・伊邪那岐の神は それぞれが治める国を命じた。
天照大御神は高天の原を。月読の命は夜の国を。建速須佐之男の命は堅州国を治めよ。
その後 建速須佐之男の命は事件を起こし 高天の原を追放され 地の国・出雲の国に降くだった
地上へ舞い降りた建速須佐之男の命は、八俣の大蛇を退治し大活躍した。
その後 須佐之男の命は 櫛名田比売 くしなだひめ を嫁にして、たくさんの子の神(子)を残した。
その六世の孫が、地上の国の王・大国主の命となり、国土開拓をすすめたのです。
その大国主の命は 神産巣日神かむむすひのかみ の子 少名彦命すくなひこなのみこと の協力を得て
艱難辛苦かんなんしんく を克服し国を治め、地上の王として 君臨していました。 ‥‥‥復習終了
そんな時代に、高天の原より天照大御神の勅命 ちょくめい がくだった。
『豊葦原の水穂の国は 我が御子・
……とよあしはらの みずほの国は わが子・まさかつあかつかつはやひあめのおしほみみのみこと・のしらすくになり……
水穂の国(地上の国)は 我が子・「天忍穂耳の命」 あめのおしほみみのみこと が治める国である、という勅命でした。
つまり 日本列島は 天照大御神の子が支配する国であるというのです。
大国主の命を中心とした国つ神達にとっては 寝耳に水!
「冗談じゃない!ふざけるな。 我々 国津神の王は 大国主の神なのだ。 我々は 納得できない 戦うぞ」
地上の王(大国主神)の統制の許で 、静かな生活を送る国津神 くにつかみ たちは、当然ながら反発しました。
ボサツマン
ここで、話を整理してみましょう。 まづ
高天の原の恋人同志 伊邪那岐・伊邪那美の二神が結婚し 地上の国(葦原の中須国)を生んだ。
また、地上の王 大国主神は 高天の原出身の建速須佐之男の命の 六世の子孫です。
つまり 、高天の原が地上の国の産みの親である。ゆえに、地上の国の王を決めるのは、高天の原だ。
故に 高天の原たかあまはら の神が発令する勅命ちょくめい は 絶対であるという考えです。
しかし 大国主神の側(国つ神の側)では、いきなりの勅命発令には 納得がいきません。
うむ!難かしい問題だな だが オイラが出しゃばる話ではないし‥‥‥ボサツマン あたりまえだ
大国主神が日本の国土を安定し治めていた時
天照大御神の勅命を受けた 長男・
だが 地上の国の反発が非常に大きく 困惑してしまい 時期まだ早々と判断した。
一度 高天の原に戻って 天つ神に相談したほうが良いと思い 途中で
息子の報告を受けた天照大御神は 八百万の神を集め この事態を解決する対策を検討した。
前 天照大御神が天の石戸に隠れときの 計画発案者である 高御産巣日の神たかみむすひのかみ の子の
思い金の神 おもいかねのかみ が、やはり 今回も計画の立案委員長に決定した。
うんうん!いつの時代も 話し合いは大切です‥‥ボサツマン
「地上の国つ神を言向け(言葉で服従させる)するには、どうするか」と
高天の原で協議を重ねた結果 地上平定役の神が決定した。 つづく