第31章 神武天皇 即位
神武天皇(神倭伊波礼毘古の命)は 宇陀の地を治めた後 忍坂おしさか の地(桜井市 忍阪)に向かった。
そこには 尾の生えた種族/土蜘蛛つちぐも 集団が 多数大洞窟の中で 隠れて待ち構えていました。
神武天皇に敵対するこの地の最大な戦闘集団/八十八建やそたける の軍団です。
神武天皇は 知恵をしぼり 多人数の敵に立ち向かう 綿密な計略けいりゃく を立てることにしました。
なにせ 人数では 八十八建軍団が圧倒的は勝っています。 真正面から攻めでも、勝機は難しい。
そこで 今までの戦いで学んだ神武天皇は ある作戦を考えた。
和睦わぼく を結ぶための饗宴きょうえん に 八十八建やそたける 軍団を招待する偽にせ の計画を伝えた。
つまり 自分たち(神武天皇)が降参すると敵に思いこませ 油断した”スキ”を突く奇襲作戦です。
相手は多勢たぜい こちらは無勢ぶぜい です。 非常に不利な戦いですので 頭脳プレーで勝つしかありません。
互角に戦いを進めたとしても 天皇側の犠牲者ぎせいしゃ も 多数出るに違いありません。
今回は 誰が見ても 天つ御子側の負け戦いくさ になりそうです。
今回の戦も命懸けての戦いです。 天下統一の為 何が何でも勝たねばなりません。
今まで厳しい戦いを重ねてきた神武天皇の学習能力は 非常に高く頭脳作戦には、自信がありました。
う〜む 頭いいね〜 やはり 天皇になられる人です‥‥‥‥ボサツマン
天皇は 相手の人数に見合った給仕人を用意し 各々に太刀を忍ばせて 持たせました。
そして 「歌を 合図に 一斉に切りかかれ」と命令していました。
歌は ー忍坂の大室屋に 人多いに来入り居り 人多いに入り居りとも みつみつし 久米の子が 頭椎い
石椎い持ち 撃ちてし止まむ みつみつし 久米の子が 頭椎い 石椎い持ち 今撃たば宜しー
ーおさかの おおむろやに ひとさばに きいりおり ひとさばに いりおりとも みつみつし くめのこが
くぶつつい いしつついもち うちてしやまむ みつみつし くめのこが くぶつつい いしつついもち いまうたばよろしー
みつみつしー勇気あふれるという意味。 頭椎くぶつつ ー頭が石でできた槌。 石椎いしつつ ー石の斧。
天皇が、歌い終えた直後
給仕人全員が一斉に太刀を抜いて襲いかかり あっというまに 八十八建軍団を討ち下しました。
★ 邇芸速日の命 にぎはやひのみこと 参上
最大の難敵・八十八建大軍団を 討ち下した神武天皇のもとに 邇芸速日の命が突如現れました。
そして 天の印てんのしるし の神宝かむたから を奉り 申し上げました。
ー天つ神の御子 天下統一 真にあめでとうございます。祝いの献上品を直参いたしましたー
この邇芸速日の命にぎはやひのみこと は この場面しか登場していません。
どういう神なのか?どこから来た神なのか? サッパリ わからないのです。
高天の原から天の印しるし の神宝かむたから を 地上の神武天皇に届けに来たのです。
天の印(しるし)の神宝とは、いったい、どういうものなのか?
ボサツマンは いろいろと文献を探しましたところ この場面の描写と思われる
「十種神宝加持秘文」 とくさのかむたからかじひもん という名の祝詞のりと を発見しました。
この祝詞には 邇芸速日にぎはやひの命みこと の名前も 「十種の神宝」も 書いてあります。
「十種神宝加持秘文とは」
天つ神の御子・神倭伊波礼毘古の命は 地方の荒ぶる神たちを 言向けで 平らげ・和やわ らげて
あるいは 立ち向かう者どもは 神の力により討ち下し すべての族を服属させました。
高千穂の宮を 兄・五瀬の命と共に出発した目的は 天下を治め政治を行うことでした。
今迄 身命しんみょう をなげうって 戦ってきた甲斐がありました。
遂に天下統一を成し遂げました。おめでとうございます 万歳!‥‥‥‥ボサツマン
神武天皇・誕生
ここに 神倭伊波礼毘古の命が 日本の初代天皇/神武天皇じんむてんのう として、即位されました。
まづ 神武天皇は 戦死した兄の五瀬の命いつせのみこと の墓前に合掌し、天下統一を報告しました。
神武天皇は 畝火うねび の橿原かしはら の宮にて 天下を治められました。
神武天皇が即位した日が 日本の建国記念日の元になりました。元来 日本の紀元は 皇紀こうき を使用していました。
皇紀こうき は 西暦プラス660年の計算になる。 第32章へ 美しい乙女・伊須気余理比売いすけよりひめ