第44章 倭建の命に東征命令
倭建の命は、九州の反逆族・熊曽建くまそたける 出雲の出雲建いずもたける 両軍団を討伐し 都へ帰還しました。
だが 父・景行天皇からのー大変 御苦労であった お前の活躍は 歴史に残る偉業である しばらくは、ゆっくり休めーなど
ねぎらいの言葉は全く無かったのです。 ましてや 凱旋帰国の祝宴や表彰や感謝状も ありません。
いやはや キビシイ天皇だ そりゃ キツイわ ……… ボサツマン
倭建の命が都に戻ってくるやいなや すぐに天皇は
「お前に次の仕事を命じる。 東方の国には まだ 反逆し抵抗する悪人共がいる。
優れた部下をつける故 すぐに出発して 東方の荒ぶる者どもを言向けし 和らげ平らげよ」と。
天皇は倭建の命に 御鉏友耳建日子みすきともみみたけひこ の部下1名と ひひら木の八尋やひろ の矛を与えた。
八尋やひろ の矛とは 柊ひいらぎ でつくった呪術的な摩除けの力を秘めた 長くて大きな矛ほこ 。
え!たった それだけ ケチだな~……ボサツマン
まだこの時代は 天皇家への服従を拒否している国が数多くあり 全国制覇はできていませんでした。
今回の任務は 東方の12街道の制圧です。 この時代は 道みちイコール国という考えの時代です。
ですから 街道を制圧することは 地方の国を治めることを意味しているのです。
東方の12街道の国 つまり 東方の国とは
伊勢いせ 尾張おわり 三河みかわ 遠江とうみ 駿河するが 甲斐かい 伊豆いず 相模さがみ 武蔵むさし 総ふさ 常陸ひたち 睦奥むつ 。
天皇の詔勅 しょうちょく は 絶対です。 次男の倭建の命でさえ 絶対服従しかありません。
倭建の命は 東方征伐に向かう前に 伊勢の大御神の宮 -天照大御神を 参詣に行きました。
伊勢には 伊勢の神に奉仕する 叔母の倭比売やまとひめ が おるのです。
倭建の命は 涙ながらに 叔母・倭比売に訴えました。
ー天皇は 私が 早く死ぬことを 望んでいるのでしょう。 私は 熊曽建軍団 出雲建の軍団を征伐して 帰還したばかりです。
なのに すぐ 東方征伐を 命じられました。 部下がたった一人とは 私に 死んでしまえというものです。
天皇は 私を嫌っていて 裏切り行為をした兄が可愛いのです。 なぜなのでしょう? 私は 邪魔者なのでしょうかー。
叔母の倭比売は 倭建の命に「草薙の剣 くさなぎのつるぎ」と「袋」を渡して 諭し慰めました。
ー倭建の命よ 万が一の時には この袋の口を開けてごらん 必ず ご加護があるよー。
倭建の命は 伊勢の宮に鎮座する神 「天照大御神」に 東国征伐のご加護を願いました。
そして 叔母から 「三種の神器」のひとつ 「草薙の剣」を 授かりました。
天照大御神の御加護をうけ 倭建の命は東方平定に向います。 君ならできるさ 成功を祈る‥‥‥ボサツマン
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