第51章 大祓の儀式 おおはらえのぎしき 「大祓の祝詞」
神の怒りを解くために 宮中あげて 神に捧げものをして罪を贖つぐな う 大祓の儀式を行うことに なった。
大祓の儀式に使う大幣 おおぬさ は 国中から集まってきました。 それこそ 国中あげての儀式なのです。
生き剥いきはぎ 逆剥さかはぎ 阿離ちあはなち 溝埋めみぞうめ 屎戸くそへ 上通下通婚おやこくなぎ 馬婚うまくなぎ
牛婚うしくなぎ 鳥婚とりくなぎ 犬婚いぬくなぎ など 数々の罪を数え上げ 国中・すべてを祓い清める。
意味:
「生きている獣の皮を剥ぐ罪 獣の皮を逆剥ぎにする罪 田んぼの畔を壊す罪 田の溝を埋める罪
神聖な祭祀の場に屎をする罪 親子の姦淫 馬 牛 鶏 犬などと姦淫の罪 国中の罪を祓い清めた」
大祓の儀式を終えて 武内の宿禰たけうちのすくね は ご神託を受けるため 「斎庭」さにわ に坐り 静かに待った。
しばらくすると 神の御言葉が
ーこの国を治めるものは 息長帯日売 おきながたらしひめ の御腹にいる御子みこ であるーとの声が響き渡った。
すかさず 武内の宿禰は 丁重な姿勢で神に伺った。
ー大神よ 恐れ多く ありがたきことです。皇后の御腹に座おわす 神の御子は 男 女 どちらでしょうかーと。
「男の御子である」と 神は答えました。
武内の宿禰は さらに深く頭を下げ 五体投地のまま 再度 神に伺った。
ーハハア ありがたき幸せに存じます 今 御神託くだされた神の御名みな を お聞かせくださいませー。
…神の御言みこと…
「武内の宿禰よ 良く聞くがよい この御神宣ごしんせん は 天照大御神の御心みこころ である。
伝えの神 底筒の男 そこつつのお 中筒の男 なかつつのお 上筒の男 うわつつのお の三柱の神である。
今 汝等なんじら が 西方の国を治めたいならば 天あまつ神 地くにつ神 山の神 海と河の神 諸々の神に
幣帛 みてぐら を奉り わが御霊みたま を 船の上に鎮座させて 真木まさき の灰を 瓢箪ひょうたん に入れ
箸とひらで(柏の葉の皿)を作り それらの 箸とひらでを海に散らし浮かべて 渡っていくが良いぞ
よいか 天照大御神の御心である旨を 忘れるなかれ」と 神は申しました。
こうして 大祓いの儀式は終了しました。 神はお許しになりました。 良かった 安心した〜(^^♪…ボサツマン
※ 底筒の男そこつつのお の神 中筒の男なかつつのお の神 上筒の男うわつつのお の神は 海の三神です。
「住吉大社」では 神功皇后と この三柱の神々が 祀られている。
神の怒りは鎮まりました。 さらに 西国へ行く海の渡り方も ご神託しんたく 頂きました。
人間は 神の子だから 素直な心で 親である神の意見に従うべきなのですね!…ボサツマン
第52章へ 神功皇后 新羅 百済の国を征服