口安楽行 くあんらくぎょう とは 言葉の戒めのことです。
@ 人のあやまち・他の経典のアラ探し・人の悪口は 語ってはいけない。
A 他の教えを説く人を見下したり 反論してはいけない。 自分の信じる大乗のみを説きなさい。
B 他人の長所・欠点・を批判してはいけない。 小乗の人を批判してはならない。大乗の教えのみを 説きなさい。
C あの人は好きだ、あの人は嫌いだ、と他人への好き嫌いを言ってはいけない。
この口安楽行を守り実践していくと、いつも寛容な、穏やかな気持ちを持ちつづけることができます。
その気持ちが、教えを聞く人にも移り伝わるので、聞く人の心に教えがスット入っていくのです。
意安楽行 いあんらくぎょう とは 心の持ち方の戒めです。
@ 嫉妬心を持ってはならない。おべっか・へつらい・自分勝手なこじ付けなど 自分の心を欺いてはならない。
A 仏道を求める初心の人を 軽んじたり・馬鹿にしてはならない。
仏道を志す人の 長所・短所・不足点・などを 心の中でさえも 批判してはならない。
B 仏道を求める人が、僅かにも 疑いの念が起き・失望するような 言動をしてはいけない。
C 法を論じる場合 その目的は 衆生を救うという実行目的で論じなさい。 ただ議論のための議論はやめなさい。
D 常に すべての衆生に対して その衆生の救済を 念じていなさい。
E 常に 諸仏に感謝の念を持ち 慈父と向かい会う如く 接しなさい。
F 常に 諸々の菩薩に対し 自分の大先生であるという 尊敬の念を もちなさい。
G すべての衆生には えこひいきなく・平等に法を説きなさい。
誓願安楽行 せいがんあんらくぎょう とは すべての衆生を法華経に帰依きえ させる努力のことです。
誓願安楽行を完全に実行する菩薩は 仏と同じ心で法を説くので、常に諸天善神が守護します。
よって、教えを聞く衆生に良く理解され、衆生に感動を与える法の説き方ができるのです。
その結果、すべての人々に尊敬されるようになり、周りからの信任しんにん を得るのです。
「仏教の守護神/諸天」
末世まつせ の時代、仏の教えを信じる人が少なくなった頃、出家や在家を問わず法華経を受持する人は
1切衆生を救うという大慈悲だいじひしん の心をもって、法華経を説かねばなりません。
大慈悲心とは、すべての衆生を 法華経に帰依 させる誓願を立てて、実行することです。
末世まつせ にこそ、すべての衆生を 法華経に帰依 させなければなりません。
末世の時代、自分だけが救われればいいと思い・満足している小乗の人々には、
まづ自分が仏の悟りを得てから、菩薩行を行じて、大悲の心をもって接していって、いつか必ず
大乗の教えを信解させたい、という決心を持って説法することを、心がけましょう」。
つづく 髻中の珠の譬え けちゅうのたまのたとえ