第9章 王制の負の遺産

ナイトは夢を見ていた・・・人の歴史は戦争の歴史である・・・・
何故人は戦争をするのだろう・・・何故傷つけあい殺しあわねばいけないのだろうか・・・
ナイトの脳裏によぎる戦争の矛盾・・・・彼は今王制時代の負の遺産に苦しみつづけていた・・・・

[ナイトさん・・大丈夫かしら・・・・] 
ナイトのそばにはヨーコが看病しており、応接間にはテレスと社長が梨沙に事情を説明していた・・・

[まさかアイオテさんが・・・・嘘でしょうテレスさん!] 
梨沙には衝撃だったらしく事実を受け止められなかった・・・それに対してテレスは冷静に答えた・・・
[事実は事実だ・・・そこに居るナイトを重症までしたのは間違いなくDGの創始者であり
元ギルマスのアイオテだ・・・・それに、ナイトのことなら心配はない・・]

と、奥からヨーコが出てきた・・・
[あ、ヨーコさん・・ナイトの様子は?]
[もう心配はないわ・・・傷痕は完全にふさがってるし・・・熱も下がったし後は心の傷・・かしらね・・・]
ヨーコは机の紅茶を飲み・・テレスに聞いた・・・
[不死騎士とはいったいなんなの?]
その瞬間・・テレスの顔が険しくなり・・・その重い口を開いた・・・

昔、王国が栄えた頃、領土を巡りかなりの戦争が起こった・・・ここブルン王国も例外ではなかった
その当時最強と言われたドラゴンナイツにことごとく敗れ廃水の陣まで来たブルン王国は
最終手段として殺しても死なない騎士を立案し、レッドアイと共同研究し呪われた
不死騎士団を作り上げた・・・だが敵の王国も戦争で経済が不安定化し、国内で革命が起き
物資の流通が出来なくなり段々と弱体化の一途を辿った・・・そしてブルン王国も王制反対
運動で王家はすべて処刑され貴族主義の現在にいたった・・・

[王制時代の負の遺産・・と言う所かしらね・・・・]
ヨーコは皮肉っぽくいった・・・
[戦争で勝つために、王家は悪魔に魂を売りすべてが破滅の道に辿ったと言う事だ・・・
戦争後一部の貴族はこの事を公にしないため公開せずに抹消したが・・中には事実を伝えるため身を隠した物もいる・・・]
一同が重い歴史に唖然とする・・・その中で梨沙が口を開く・・・
[なら、うちのギルド招集かけて全員でやれば何とかなるかも・・・いくら不死騎士とはいえ数があれば・・・・]
その問いに・・・テレスは怒鳴り声を上げた・・・

[無理だと言っている!もはや人間の武器いや、すべての武器では歯が立たないということだ!!・・・これを見てみろ!]

テレスはナイトの愛用のビルを皆に見せた・・・
一同・・・ボロボロ野にビル目を疑った・・・・ナイトの愛用のビルは刃がボロボロに砕け
剣を受けた所ではほとんどもう一撃を食わえれば折れる寸前まで切れ目が入っていた・・・
[この槍は私が名工に頼んで作ってもらった特注の槍だが・・それでもこのありさまだ・・・
もはやこの世界の武器では無理だろう・・・それに数が問題ではない・・・]
[たしかに・・・無理かもね・・・・]
と奥からナイトが足を引きずりながら痛々しい姿で出てきた・・
[ナイト・・動いちゃダメよ・・かなりの重症よ!!]
ナイトは梨沙の静止を振り切って椅子に座りみんなに話した・・・

[あれは・・もうアイオテさんではなかった・・・まさにレッドアイの狂戦士となってしまってる・・・]
[なら尚更アイオテさんを止めないと・・・そのうち大変な事になるわね・・・そう言えばその鎧・・
不死騎士団を当時はどうやって倒したの?]
と、ヨ−コが話した時であった・・
[たいへんだ〜皆・・・たいへんだよ!!!!!!!!!]
その時ギルド事務所に入ってきた人は再見であった・・・
[どうしたの再見さん、今重要な話を・・・]
[それ頃ではない、最強のギルド集団ジャガーがたった1人の剣士に全滅させられたらしい!]

そのたった一人の剣士で一同、同じ人物を描いた・・・そうレッドアイに洗脳させられ狂戦士化
したアイオテの姿が脳裏によぎったのである・・・
[もう・・うちだけの問題では解決は無理なようね・・・]
と、ヨ−コは皆に問い合わすと・・一同うなずき
[私はスマグの図書館に行って何かないか調べてみる!アイオテさんを救う手がかりが
あるかもしれない・・ヨ−コさんはナイトの看病とか何か合った時のため事務所で待機してて]
[私も行く・・]とナイトが立ち上がったとき・・

どしゅ!(ナイトの首にテレスの手刀が当たる)

[テレスさん・・・なぜ・・・・]
[愚か者・・今のお前では役に立つどころか只の足手まといだ・・ましてや槍の無いお前ではなにも
力にはなれん・・・病人は大人しく寝てることだな・・・]
ばたっ!・・・ナイトが気を失い倒れてるとヨ−コが担ぎ上げて・・寝室へナイトを運んだ・・・
[テレスさんはどうするのです?]
[私はブルンギルド連合会に他に異変が無いか調べてくる・・・すまぬ、馬鹿弟子のナイトを頼む・・・]
[くすくす・・・でも、テレスさんはお優しいのですね]・・苦笑しながらヨ−コがテレスに問い掛ける

[いや・・・ナイトの無鉄砲さには私もね・・・でもやつには今大切な事は身体を休める事だ・・・
でないと、いざ戦う時に戦えないし五体満足ではなくなる可能性もあるしな・・・]
[ですね・・・ナイトさんに冷静な所があればもう少しはよいのですが]くすくす笑いながら言うと
[まあ〜気持ちは解るな・・・アイオテに高く評価されギルドに入ったし・・やつなりに恩義を感じているのでしょう・・・
では、私はこの辺で・・・]


と社長と共に事務所から出て行く・・・・

[私もスマグの図書館に行って来る・・・]と梨沙も事務所から出て行くいった・・・