第14章

エルメシア一行は砂漠都市アリアンに進軍したピガプールの軍勢を何とか倒し・・そこで
1人の少女と出会い、重症の兄を助けて欲しいとエルメシア達に助けを求めた
しかし、オクレのフルヒーリングを持っても命をただ伸ばす程度しかなく・・仕方が無く
リンケンの軍事施設の病院に送った・・・再びアリアンに静けさが戻ったのは
つかの間だった エルメシア一行の前に・・再び現れたのはドラゴンナイツ隊長の
闘将バラックだった・・・


バラック!!!!!

アリアンは再び緊張に包まれた・・・敵はドラゴンナイツの隊長バラック・・・
エルメシアと睨み合いが続いたが・・バラックはドラゴンから降り・・エルメシア達に話し掛けた
〔この部隊を倒したのはお前達か・・驚いたな・・正規兵でもないお前達がこんだけの相手を
倒すとは・・・それとも・・俺達にもヤキが回ったか・・・〕

エルメシアは戦闘用パイクを構え・・バラックに問い詰めた・・
〔何しに来た・・ここはお前達の土地でもない・・・もうすぐブルネイの軍隊がここにくる
早々に立ち去れ!!!〕
だがバラックは腰につけていた酒を一口飲み・・・エルメシアを軽くあしらった

〔お前はブルネイの正規兵でもない民間人だ・・例え我が軍勢を倒しても・・正規兵でない限り
ここは我が占領地だ・・・それにわが国では民間人が軍人を殺す事は国家反逆罪で問答無用に
死刑なのだ!!!〕
〔おれはピガプールの国民でもなんでもない!!!〕
エルメシアが反論するとバラックは大笑いながら
〔がはははは・・だからお前は小僧なのだよ・・正規兵でもないお前達が例え私の軍勢を倒しても
街を開放した事にはならない!・・よってここは現在でもビガプールの領土なのだよ・・・解るか・・
お前達は民間人の分際で軍人を倒した・・よってこのバラック様がお前達を国家反逆罪でこの場で
処刑する!!!〕

バラックは・・・エルメシアに突進し,こぶし一撃をどてっ腹に加え・・エルメシアは・・吹っ飛んだ
〔がはっ!!!〕
エルメシアは口から血を吐き・・その場に倒れこんだ・・・
〔つよい・・なんて力だ・・・・俺は勝てないのか・・・〕
その時エルメシアは修行していた時を思い出していた・・・

エルメシアよ・・・これから先、力の強い者と戦う事があるだろう・・その時になったら力で力に
対向しては負けてしまう・・・どうしたらよいと思う・・・?
相手が力が強い時は・・力で対向ではなく・・相手のパワ−を無力化するのだ・・・
例え・・力の強い相手でも当たらなければ意味が無い・・・いいか今教える技は古来、極東の国で
力を無力化する技・・川の中にある石のように水流に逆らわず相手の攻撃を受け流し・・
懐に飛び込み一撃を加える技だ・・・・

〔・・・・・・そうだ・・・ナイト師匠が言っていた・・あの技・・あれをやればバラックに一撃を・・・〕

エルメシアは落ちていた槍を拾うと・・再び戦闘態勢になり構えた・・・

〔小僧・・・まだ苦しみたいか・・・・望みどうり・・お前に苦しみを与えてやる!〕
バラックは・・エルメシアに攻撃を仕掛けた・・だがエルメシアはバラックの腕に
蛇が絡みつくように槍を螺旋状に回し・・・外にはじき返した・・
〔なに!!!!!〕
〔覚悟しろバラック!!!!!〕
腕を槍ではじかれたバラックは無防備状態・・・エルメシアはバラックの懐に入り込むと戦闘用パイク
で鋭い一撃を加えた!!
〔うををををを・・・・・!!!〕

エルメシアの一撃で・・・バラックは倒れこんだ
〔やった!バラックを倒した!!・・・〕
エルメシアが一瞬笑みがこぼれたそれもつかの間だった・・バラックは再び起き上がり・・エルメシアを見つめた・・・
〔中々やるな小僧・・だがあれでバラックを倒したと思ったのはまだ甘いぞ!!〕
そういうと・・バラックは背中の大剣を抜き構えた・・・
〔冥土の土産にこのバラック様の技を見せてやる・・・私に剣を抜かせたのは久々だな・・・〕
エルメシアには勝算が無いわけではなかった槍と剣では間合いの距離もかなり異なり
あの大剣を振り回すのにはかなりの時間が掛かると感じていたのであったが・・・
〔これでもくらえ!!!!〕
〔なに!!!〕
なんと、次の瞬間・・大剣の刃の部分が次々と外れ・・大剣が鞭のようにエルメシアの戦闘用
パイクに絡みついた・・・
〔なんだこれは・・・くそっ!!!!〕
そして目の前にはバラックの巨体がありタックルをまともに受けていた・・

案の定・・エルメシアは倒れこみ・・・再び起き上がったときには・・バラックの間合いの射程内に
いた・・・
〔しまった!!!〕
そう思った次の瞬間バラックの剣の鞭はエルメシアの身体に巻きつき・・鎧が次々と亀裂が入り・・
刃の部分が・・エルメシアの身体に突き刺さってきた・・・

〔ぐあああああああああああああああああ!!!!〕

この技は・・もがけばもがくほど刃の部分が肉に突き刺さり・・・このままにしても出血死・・それか
バラックの力で身体をバラバラにされるかの恐ろしい技である・・・
見る見るエルメシアの足元が紅く染まり始めた時であった・・・
〔エルメシア!!!ガウウウウウウウウウウウ!!!〕
クド&ガイエンの2匹の狼がバラックの腕に噛み付いた・・・しかし・・バラックの強靭な肉体の前では
2匹の狼の牙はダメージにもならず無情にも弾き飛ばされるのであった・・・その時であった・・
バラックがなにか不思議な気配を感じ・・辺りを見回した・・・
〔だれだ!!!〕
しかし・・・その気配はどこか遠くで発せられているが・・・バラックの心にプレッシャ-を
与えていたのであった・・・