第30章

勝利を確信したスターゲイザー・・・そして望みを絶たれたDivineGuardian・・・
だがそんななか・・こげぽんは立ち上がった・・・

〔まだ死ななかったのか・・・だがお前にはゴットプレ−トもない状態・・私が手を下すほどの
ものでもあるまい・・・〕

そう言うとスターゲイザーは右手をあげた瞬間こげぽんの周りには骸骨剣士が次々と湧き上がった
だが・・こげぽんはシャープペンダ-を捨てた・・・・

〔抵抗せずに死を覚悟したのか・・・望みのようにしてやる・・・行けお前たち!!!!〕

そしてこげぽんはリュ−トを取り出すと楽器をかなではじめた・・・・


聖なる大地が 母なる光が

底知れぬ愛を 運びこむ風が

全ての悲しみ 全ての苦しみ

全ての魂 大きく抱(たが)えて

聞こえない声で 見えない笑顔で

うなだれた空虚 力をくれるの


こげぽんが歌い始めた瞬間・・骸骨剣士たちは・・・どんどんと石化を始め・・・
砂となり次々と崩れ始めた・・・・

〔なに!・・これは!!!!!!〕

スターゲイザーは驚きを隠せなかった・・・・こげぽんの歌は木の葉が水面に落ちたように波紋を作り
どんどんと広がっていた・・・・

そして・・・その波紋はリンケンにまで広がり・・・サンライトとアーカントスの耳にも聞こえた・・
〔これは・・・・歌?〕
〔アーカントス・・見ろ!骸骨剣士が!!!〕

リンケンでも骸骨剣士が次々と石化し・・・崩れていた・・・
しかも、傷つき倒れていた兵士やisaku&ジェニウスまでもが突き刺さった剣が消え・・
傷口が塞がっていった・・・・・・
〔俺たちは・・・・・・〕
〔この歌は・・なんだ・・心が癒され・・・・湧き出るこの力は・・・・・〕

リンケンに到着した原田梨沙の耳にも歌は聞こえていた・・・
不思議そうに歌に耳を傾けると・・・
後ろから・・声が聞こえた・・・
〔この歌は・・ピガプール王家に伝わる聖歌です・・・〕

そこに居たのはムロであった・・・
〔アキトさん・・・あなた!!〕
〔お久しぶりですね・・梨沙さん・今はムロと名乗ってます〕
梨沙は久々にあったムロに驚きながら声をかけた・・・
〔ムロさん・・今までDGを抜けて何処に・・・いや・・それよりもこの歌は・・・〕
ムロは真剣な面立ちになり・・話し始めた・・・

古都ブルネイにDivineGuardianの伝説があるように・・・ピカプールにも
伝説があった・・・
かつて古の時代・・・ピカプール地方にも魔族たちの力がはびこった時代が
あった・・・強大な力に人々は恐れ、希望が持てない時代・・・そんな時
一人の吟遊詩人がこの地を訪れ歌と奏でる楽器で魔族たちを封じ人々に
希望を与えた・・・後にその吟遊詩人は英雄とし・・ピカプール地方の王となり
代々この聖歌は伝えられていったのです・・・

〔では、そのピカプールの王族の人がDivineGuardianに!!!!〕
ムロは梨沙の問いにうなずき・・・ピカプール城を見つめた・・・

見つけよう 信じよう

その先の 奇跡へと

雨雲がくれた 生命の源

強い風吹かれ たくましく咲かす

可憐な花びら 誰かを救って

その美しさで 誰かを救って

聖なる大地に 母なる光を

授かった愛を 伝えていくでしょう

こげぽんは歌った・・力のある限り・・・・
こげぽんの体は金色に光を放ち・・・どんどんと闇に染まった木々や生き物を浄化し
ピガプールの兵士たちも元の姿に戻っていった・・・・
〔私の名はエスカリ−ナ・・・スタ−ゲイザ−・・あなたの陰謀により殺された王と后の娘よ!〕
こげぽんは燐とした面持ちで話し始めた・・・

〔だからと言って人間のお前に何ができる!!!!〕

攻撃を仕掛けたが・・こげぽんの背中には2人の人影が浮かび上がっていた・・・
一人は・・平和と慈愛の神・・・セレナ・・そしてもう一人は・・・

〔大地母神ライア!!!!お前たちまでくだらない人間に加勢するか〜!!!!〕

スタ−ゲイザ−はファイヤ−ボルトをこげぽんに投げつけた・・・・

〔なに!!!!〕

こげぽんの前には・・エルメシア、クドリャフカ、ガイエン、バルス、マチョネスが
ファイヤ−ボルトを受け止めていた・・・
〔何故だ!ゴットプレ−トが無いお前たちに何故そこまで・・・・〕

〔ゴットプレ−トなら・・あるさ・・・〕

エルメシアがつぶやいた瞬間、手には光の槍が出現した・・・
クド&ガイエンも手には光り輝く爪それに牙が・・・
バルスも光の剣を手にし・・・
マチョネスにはダカ-が・・・

〔馬鹿な・・・ゴットプレ−トは確かに破壊したはず・・・・まさか貴様たち人間が
作り出しているのか!!!!〕

そして光の武器たちが2っに分裂し・・・それぞれの体を覆い・・新たな鎧がその姿を
あらわにした・・・女神セレナと大地母神ライアの力・・それと人間の強い思いが合わさり
強化されたゴットプレ−トが誕生した瞬間だった・・・

〔くっ!!・・・〕
スタ−ゲイザ-は後すざリをした時、周囲の歓声が聞こえた、城にはすでにリンケンで
激戦をしていた古都ブルネイ軍&ロイヤルガードの旗が掲げられており・・
完全に包囲されていた・・

〔くらえ!スタ−ゲイザ−!!!〕
エルメシア、クドリャフカ、ガイエン、バルス、マチョネスがいっせいに攻撃を仕掛けた!
強化されたゴットプレ−トの威力は創造を遥かに超えていた・・・流石のスタ−ゲイザ−
でもDivineGuardianの一撃で吹き飛んだ・・・

〔うっ!!くそっ!!!・・ぐああああああああああああああ!!!〕

スタ−ゲイザ−は宙に舞うと・・その場から逃げ出した・・・
〔逃がすか!!!〕

エルメシアの背中から光の翼が広がると・・スタ−ゲイザ−に向かい
勢い良く飛び立った・・・
〔人間ふぜいが!!!!!!!!!!〕
〔うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!〕

2人の力が激しくぶつかると・・・スタ−ゲイザ−はエルメシアに怒鳴った・・
〔平和な時が来ればお前たち戦士は存在価値を失うのだぞ・・それでもいいのか!!〕
〔確かにそうかもしれない・・・だが・・戦いに明け暮れ憎しみ悲しみが覆う世界に何の
価値がある!俺たち人間はそんな世界を望んではいない!!!〕

〔エルメシア!!俺たちも同じ考えだ!!〕

声は・・城を包囲していた者達からも聞こえた・・・
〔くそっ!!〕
スターゲイザーは闇の力を増大させると・・エルメシアを押し始めた
しかし、こげぽんと同じくエルメシアの背中にはセレナとライアの姿が
現れていた・・・
〔セレナよ・・お前の言う事が本当に正しいのか・・・例え平和になったとは言え
人間は常に憎しみ、悲しみ、で相手を恨み殺戮を繰り返す・・〕

〔人間はそこまでおろかな生き物ではありません、人類は草木を愛し共に愛し
私たちとは違う力を秘めています・・・そんな人類を貴方の考えだけで滅ぼす
わけには行きません!!〕

そんな神々が言い争っていたときだった・・・・

〔うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお〕

どんどんエルメシアの光の力が増大していき・・・スターゲイザーの闇の力を包み込むまで
大きくなっていた・・・

〔ふっ・・歴史は繰り返すか・・・人間よ・・お前たちの勝利だ・・・〕

そうスタ−ゲイザ−がエルメシアに細い声で・・・言い放つと・・・軽く笑みを浮かべると
次の瞬間・・城の上空で・・・大爆発が起こった・・・・・