第5章

エルメシア一行は小さな村を素通りしようとしていたがとんだアクシデントに見舞われ
この村で1泊する事を余儀なくされていた月明かりの差し掛かる窓でこげぽんは外を
眺めていた・・・そしてそこにエルメシアが現れ・・珈琲を差し出した・・・
〔何のマネ?・・尋問?それとも拷問で吐かせる気?〕
〔そんなんじゃねえよ・・・俺はブルネイ軍でも他国の軍人でもねえ・・単なる旅人だからな・・〕

しばしの沈黙が漂った時・・エルメシアが口を開いた・・
〔なあ・・何故ピガプ-ルはこんな事始めた・・・〕
〔・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〕
〔見た感じ・・こげぽん・・あんたは悪い人ではない・・何故奴らの言いなりになる・・〕
こげぽんはうつむいていた顔を上げると・・エルメシアに言った・・

〔皇帝ルア様は・・・貧困層を無くしたがってるからだ・・・今でも残る貴族社会の上下関係を
なくして皆に平等な職や地位を与えるため私はやってるのだ!!なぜそれが悪い・・そして
何故ブルネイ軍はそれを愚かな行為と批判する!私は間違ってるのか・・お前たちの行動を
見ていると私もわからなくなってくる・・〕

その台詞を聞いたエルメシアは彼女は彼女なりの信じた道を歩んでいたと感じるのであった
しかし・・彼女はまだ事実を知らない・・・ピガプ-ルは表向きには職や地位も与えはするが
それは表面上の事・・裏を返せば村人の自由を束縛し、強制労働を働かせそれに耐えられない
者には拷問や虐殺などまっている・・被害者たちは訴えようにも強大な軍事力の前では
なすすべが無く・・遺族たちは重圧に耐えながら生活をしていたのである
だが、エルメシアとこげぽんの会話を聞いていた・・クドと牧師が話しに割って入った・・

〔それは違います・・・こげさん・・貴女は事実を知らない・・確かに仕事が無い人に仕事を
与えようとする体制は私は肝心はいたします・・だがその後を・・貴女はご存知かな?〕
牧師の問いにごげぽんは言い返した・・
〔知ってるも何も・・その民たちは何不住無く生活してると聞いている・・!!〕
そこにクドが質問をした・・・
〔その事はその民から・・それとも上層部から?〕
〔上層部に決まってる!!私みたいな前線の兵には関係ない話だからな・・〕

その台詞を聞いたエルメシアが立ち上がり彼女の頬をはたいた!!

ばしっ!!!!

いたっ!!!何をするか!!!!!!!!!!!!!

エルメシアが彼女に対して怒鳴り声を上げた・・・
〔馬鹿ヤロウ!!・・関係ないだと!!お前たちが!お前たちが・・・連れていった村人がどんな
事をされているのか・・・解っているのか!!その村人たちの多くは強制収容所で強制労働
させられているんぞ!!それに耐えられない村人は拷問され・・〕
エルメシアの鬼気迫る感情にこげぽんは圧倒された・・・だがエルメシアの言っていた事は
本当の事と・・こげぽんは・・感じたのであった・・・・

〔それでは・・・それでは・・私が今までやった事は・・・・〕

こげぽんは今まで信じて頑張った好意が逆に人々を苦しめいていたことに気が付き・・涙を
こぼしながら・・倒れこむのであった・・・・
それで牧師はエルメシアに問い合わした・・・
〔エルメシアさん・・明日はどうなされます?〕
〔俺は・・いったん師匠の所に戻らないと行けないのでこの村を離れます・・〕
〔ならば私も同行します・・・あ、名乗りがまだでしたね・・私はオクレというBISです・・〕

そして次の朝・・・オクレは教会の管理は副牧師のHBKに村を任せ・・・エルメシアたちと
旅に出るのであった・・・それで、村を少し歩いたところに1人の人影があった・・
こげぽんである・・こげぽんはピガプ-ル正規軍の鎧を脱ぎ捨て市販の鎧を着用した
姿でエルメシアの前に立ちふさがった・・・

〔私も連れてってもらおうか・・・〕

その姿を見たエルメシアは言った・・・
〔ピガプ-ルの正規の軍人さんが・・俺たちと無断で同行していいのかよ・・・〕
そして、こげぽんは正規の軍人章を皆の前で破り捨て・・こう言い放った・・

〔ピガプ-ルの軍人こげぽんは謎の敵と遭遇して戦死した・・ここに居るのはただの
女の旅人が居る・・〕

その発言にオクレは笑みを浮かべながら・・・
〔ふふふ・・・そうですね・・ここに居る女性はただの旅人さんです・・www〕
流石のエルメシアも・・こげぽんの意思は硬いと感じ・・笑いながら・・
〔そうだな・・おれたちは只の冒険者だし・・・〕
そうしたとおもったらこげぽんがエルメシアに近寄って腕をつかみ・・

〔乙女の柔肌を戦い以外で傷つけた責任も取ってもらわないとね♪〕
〔ちょwwwwおまwwwwww〕

こうして一行はデフヒルス東部地域に向かったのあった・・・