平成18年
《1月》 休日診療が正月の担当になりました。午前中だけで5名の患者さんが訪れました。特徴的だったのは、多
くの方が、治療を中断した状態だった事です。しかも、治療を続けるように忠告しても、時間的に無理との 答えばかりでした。渋谷を引き払う頃は、中断してしまう患者さんばかりで、診療の意欲をなくしそうになり ました。困るのは患者さん自身なのに。仕事優先で、自己の健康管理が出来ない時代なのでしょうか。
《2月》 痛い、腫れた、落ちたというのが、歯科医院を訪れる患者さんの理由の大半です。
中でも痛みは、患者さんにとって切実です。痛みの状態と、原因には色々あります。痛みを取らないと、 患者さんは帰ってくれません。しかし、それが難しいのです。
《3月》 虫歯も歯周病も予防はブラッシングにつきます。正しいブラッシングはどうすればよいのでしょう。
答えは一つと限りません。プラーク(歯に付いた汚れ)をきれいに取れればよいのです。
歯並び、手首の力、食習慣など人それぞれです。患者さん毎に一緒に考えています。 歯茎のマッサージが重要だという歯医者さんもまだまだ多くいて、混乱が続いています。
《4・5月》 〈PC故障のため掲載できず〉
《6・7月》 PCの故障で、2ヶ月の間、ホームページの更新ができなくなりました。油断してバックアップは、1月更
新分しかありません。3月に更新した状態をサーバーからダウンロードしようとしても、予備の古いPCで は、操作がはかどりません。
ふと気がつきました。歯の手入れ、管理も同じです。いったん壊してしまうと、復元は難しいのです。
おまけに、PCと違い予備のバックアップをとっておくことはできません。自然に老化が進み、 現状維持も難しいのです。日々のメンテナンスが、唯一のバックアップです。
《8月》 長年診療一筋で過ごしてきました。それなりに勉強もし、臨床中心できたつもりです。
最近は高齢者の診療、特に義歯(入れ歯)を中心に日々過ごしています。
渋谷時代に比べ、高齢の患者さんが多くいらっしゃいます。
誤算がありました。しっかり噛める入れ歯ほど、はずせないのです。指に力と感覚がなく、
こつがつかめません。はずれないけど、簡単にはずせる。そんな入れ歯が課題になりました。
《9月》 歯を無くした時、義歯(入れ歯)かブリッジで補います。この区別が患者さんには分かりづらく、
混同されやすい様です。
入れ歯は、取り外しで、じゃまになるけれど、どんな場合にも出来ます、ブリッジは、取り付けで、
自分の歯と同じように使えますが、歯を削る必要があり、条件によっては出来ないこともあります、
と、説明しています。
最近は、インプラントという方法も現れ、説明に時間がかかります。
《10月 痛みについての項を書き始めました。急患としての患者さんの多くは、痛みがひどくて訪れます。
口の中に明らかな原因が見えないとき、問診による痛みの種類によって、原因と部位を推測します。
そんなとき、日本語の表現の多いことに助けられます。ずきずき、とか、しくしく、ドーンと等の表現が、
診断に役立つのです。
身障者、特に表現力に障害を持つ患者さんの訴えを聞くのは、根気と経験が必要だと痛感しています。
《11月》 都の歯科医師会から、訪問診療と身障者診療のアンケートが来ました。
前から、両者に取り組んできました。その間に、介護保険による訪問指導管理、健康保険料金に
訪問診療加算など、一般開業医にとっても、取り組みやすい制度が打ち出されてきました。 ところが、心ない悪のり歯科医の制度悪用のもうけ主義が際だち、大幅な制度後退となりました。 新しくもうけられた介護予防項目も、かけ声倒れの準備不足。アンケートだけで、結果が・・・。 《12月》 渋谷のビジネス街では、現役の会社員が主でしたが、住宅街の高井戸に来て、 高齢の方が多くなりました。当然義歯(入れ歯)の依頼が多くなりました。 他の治療以上に入れ歯では患者さんの協力が必要になります。 入れて慣れる、噛み方を理解するなど、患者さん自身に使い込んで頂かなければなりません。 口の中に異物が入るのです。快適なはずがありません。協力し合って患者さん自身のものに
しなければなりません。歯科医は、お手伝いするだけです。
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