(大阪支部作成「ビデオ膠原病入門」より)

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bP4 膠原病の治療(4)

2−2.免疫抑制療法(免疫抑制剤)

 免疫抑制療法の2つ目として免疫抑制剤についてみていきます。免疫抑制剤はステロイドに比べて、免疫の働きを抑える効果は強いですが、炎症を抑える働きは弱いために、通常はステロイドとともに用いられることが多いです。

←【図32】

 一例を紹介しますと、一般名がシクロフォスファミドのエンドキサン、一般名がアザチオプリンのイムラン、一般名がメトトレキサートのリウマトレックスなどがあります。

ただし医療保険の適用のある免疫抑制剤は限られています。


←【図33】

 免疫抑制剤の副作用としては、骨髄抑制と呼ばれる赤血球や白血球の減少や、感染症にかかりやすくなること、また胃腸や肝臓の障害、皮疹や脱毛などが起こることがあります。
 
 よって通常はステロイドだけでは有効でない場合や、ステロイドの副作用が大きい場合、またステロイドの減量ができない場合に免疫抑制剤を用います。

 ただし病状によっては、最初からステロイドと免疫抑制剤を併用したほうが良い場合もあります。


←【図34】

 あと何年生きられるかを示す生命予後は、例えば全身性エリテマトーデスの場合、このグラフのようにステロイドがない時代から、ステロイド治療の開始、さらに免疫抑制剤の併用により、治療法の進歩とともに大きく改善されてきました。

 このようにみてみますと、確かにステロイドや免疫抑制剤の副作用は多いですが、膠原病治療への貢献は多大なものがあります。医師もこれらの薬に対しては副作用も含め、多くの知識や経験を持っていますので、不安なときには主治医と相談しながら治療を進めてください。

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