(大阪支部作成「ビデオ膠原病入門」より)

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bQ2 膠原病の治療の補足(2)

3.その他の治療法

←【図53】

3−1.γグロブリン大量静注療法
 その他の治療法として、まずγ(ガンマ)グロブリン大量静注療法を紹介します。これは、免疫反応に関わる正常なγグロブリンの製剤を大量に点滴して炎症を抑える療法で、特に多発性筋炎や皮膚筋炎の方に有効な治療法です。ただし血液製剤を使用しますので、自費の場合は高額であり、効果が永続するわけではないので一般的な治療法ではありません。

3−2.抗サイトカイン療法
 白血球などから出され炎症を引き起こす炎症性サイトカインのひとつであるTNFα(アルファ)という物質を中和する治療が関節リウマチに使用されるようになってきています。


←【図54】

3−3.血漿交換療法
 血漿(けっしょう)交換療法は薬物療法とは異なる体外循環療法のひとつです。膠原病は自己免疫疾患であり、自己抗体が自分の身体を攻撃して炎症が起こります。さらに自己抗体は攻撃した身体の成分と結合し免疫複合体となり、この免疫複合体が臓器に沈着して炎症を強めます。血漿交換療法では、血液中の有害物質である自己抗体や免疫複合体を特殊な装置を用いて取り除きます。この方法の適応は限られますが、重症な状態で行われることがあります。

3−4.白血球除去療法
 白血球除去療法も体外循環療法のひとつです。白血球除去療法では、自己抗体を作り出す元となる白血球やリンパ球を取り除きます。この方法は関節リウマチの方に使用されることがあります。

 これらの体外循環療法では自己抗体などは一時的に減少しますが、依然として自己抗体は作られ続けますので、薬物療法と併用し薬物療法の補助として用いられます。


3−5.その他の実験的治療

←【図55】

 現在研究が行われている実験的治療として、生物学的製剤による治療法があります。生物学的製剤とは生物により作られる抗体を利用した製剤です。膠原病に対しては、抗CD20抗体や抗IL6受容体抗体などが考えられており、今後の実用化が期待されます。

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