(大阪支部作成「ビデオ膠原病入門」より)

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bQ3 膠原病の治療の補足(3)

4.個々の疾患や病態に対する治療
 次に、膠原病によって起こる内臓疾患の中で、間質性肺炎とループス腎炎の治療について紹介します。

4−1.間質性肺炎

←【図56】

 まず間質性肺炎についてですが、肺を構成する最も小さな部屋を肺胞と言いますが、この肺胞と肺胞の間の薄い壁を間質と呼びます。この間質に炎症が起こることを間質性肺炎といいます。炎症が起こると間質が厚く硬くなり肺線維症という状態を引き起こし、身体を動かしたときに呼吸困難が起こります。さらに肺が硬くなると、肺の中を血液が流れにくくなり肺高血圧症となります。
 間質性肺炎の検査についてはX線やCTといった画像検査、肺活量などの肺機能の検査、血液検査でKL-6という項目を測る検査もあります。治療としては、通常の緩やかに進行する場合は、動作時の息切れに対しては酸素の吸入を行います。急速な進行に対してはステロイドや免疫抑制剤を使用する場合もあります。重症化した肺高血圧症に対してはボセンタンやプロスタサイクリン製剤などを用います。

4−2.ループス腎炎

←【図57】

 次にループス腎炎についてですが、これは主に免疫複合体が腎臓に沈着し炎症を起こし、尿タンパクが出ます。腎不全を招くこともあり注意が必要です。検査としては尿検査や腎機能検査を定期的に行います。また腎生検によってWHO(世界保健機関)の分類がわかれば、W型が最も腎不全になりやすいことが知られているため、治療法を選ぶときに参考になります。
 治療としてはステロイドが基本です。場合によってはステロイド・パルス療法や免疫抑制剤、エンドキサン・パルス療法を行います。腎不全に陥った場合は血液透析を行います。
なおループス腎炎の「ループス」という言葉は、全身性エリテマトーデスのことを意味します。

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