美しき誘惑、罠に堕ちた刑事(プロローグ)





プロローグ

GM さあ、始めよう。君達は新宿第二中央署捜査課にいるよ。
ルガー 何月ですか~?
GM 今は8月の下旬だ。
タカさん 夏休みだぞ?
ルガー 「タカさん、もう休んだじゃないですか、8月の前半に」
タカさん 「いや、8月は全部夏休み」(笑)
GM/男の声 「バカヤローッ! お前のその根性叩き直してやる!」
ルガー 誰? ボス?
GM いや、ケイさん。タカさんは、廊下へ連れだされる。「歯を食いしばれ!!」(笑)
タカさん・ルガー 「ケイさん怖ぇ~」(笑)
GM あれから(第二話『誤認逮捕! 凶弾の前に立つ男』参照)ケイさんは、くそ真面目になってしまったんだ。さて、今日の仕事も無事に終わり、定時がやってきました。
ルガー 特に何も事件がなかったんでしょう。
タカさん ヒマ人だな。
GM そういう事にしよう。
 仕事が終わると、ボスが「おう、タカ。今日飲みに行かないか?」と言ってくるよ。
ルガー 「やめといた方がいい、やめといた方がいい……」と、テレパシーを飛ばす(笑)。
タカさん 「歌舞伎町の行きつけの店に行きましょう」
GM/ボス 「あ……あの店にはカラオケが」
タカさん 「ない」(笑)
ルガー (笑)
GM/ボス 「いや、ちょっと今日は止めておこう」(笑)
タカさん 「は?」
GM カラオケがないとボスは燃えられない(笑)。
タカさん じゃあ一人で行こう。
GM ルガーは行かないの?
ルガー いや、今日は夜勤ですから。
GM なるほど、夜勤ね。……では、場面は変わって、歌舞伎町の喧騒の中を渋く歩いているタカさん。
タカさん キャバレーの呼び込みに、ちょっとクラッとしながら(笑)。
GM/キャバレーの呼び込み 「お兄さん、いい娘揃ってるよ!」(笑)
タカさん 金髪ねーちゃんもいるよ!(笑)
GM しかし……。
タカさん (遮って)しかし、金がなかった(笑)。
ルガー (笑)
GM さあ、タカさん行きつけの店、「ライラック」に到着。入口のドアを開けると、鐘がカランカランと鳴ったりするんだよ。そして、切れ長の目の日本美人、霞さんが出迎えてくれる。「あら。いらっしゃい、タカさん」
タカさん 「ういーっす」(笑)
ルガー (笑)
GM タカさん、マイペースだよ(笑)。
タカさん 署にいるのと変わんない(笑)。
GM 「じゃ、ゆっくりしていってね」と、霞さんはいつもの台詞。で、タカさんは、いつも何を飲んでるの?
タカさん 金がないからビールにしとこう。
GM こんな所でビール? まあいいや、ビールが運ばれてきた。
タカさん 「まずい~、もう一杯」と、青汁のCMの真似をする(笑)。
GM ……で、君はそうやって一人でシブく飲んでいたんだけど、やがて、「タカさん、いらっしゃい!」と、騒々しい女性の声で雰囲気をぶち壊される(笑)。彼女は、今年の春からライラックで働き始めた新人ホステス。どうやら、タカさんに気があるらしい(笑)。
タカさん (呑気に)両手に花だ(笑)。
GM は~(ため息)。
ルガー いくつ? その人?
GM 21歳で、名前は三輪(みのわ)愛子。
ルガー みのもんたの娘ですね(笑)。
タカさん 三輪だって(笑)。
GM 彼女は、おもむろにタカさんの隣に座ると、肩に馴れ馴れしく手を置く(笑)。
タカさん 酔っぱらってるのか?
GM いや、酔っぱらってないよ。で……。
ルガー (遮って)接客態度がこれじゃ……(ちょっとムッとしている)。
GM タカさんに気があるんだよ(笑)。そして、ビールをついでくれる。
タカさん 「今日も仕事がつらかったなあ」 ぶつぶつぶつ……。
GM/愛子 「仕事なんか適当にやってればいいのよ」
タカさん 「いつも適当にやっているんだけどな」(笑)
ルガー もし、ここにいたらジト目で睨んでたな、タカさんを(笑)。
タカさん (笑) ところで彼女の事を知ってるの?
GM もちろんだよ。いつも冗談だか本気だか分からない過激な発言が飛び出して、タカさんは困っている(笑)。
タカさん (笑)
GM そんな時は霞さんがやって来て、うまく仲裁してくれるんだ。
タカさん 歯が立たないや(笑)。
GM ……今日は、何だか対象年齢の高いシナリオになりそうだな。
GM/愛子 「ねえ、タカさん……」
ルガー (ムーミンの歌の節で)♪ねえ、タカさん?
タカさん ♪こっち向いて(笑)。
タカさん・ルガー (笑)
GM (ことさら無視して)「今日の夜、空いてる?」と聞いてくるよ。
タカさん 「……夜は寝る!!」
ルガー (爆笑)
GM タカさんの素っ気ない態度に、彼女は、「ちぇっ」とか言って戻って行くね(笑)。
タカさん 「あきらめが肝心だぞ」(笑)
GM すると、鐘がカランカランと鳴って、一人の女性が入って来る。かなりの美人だね。
タカさん 「ちょっとこっちへ来て」(笑)
GM タカさんがそっちを見ると、彼女はニコッと微笑むよ。髪は長くてサングラスをしているよ。
ルガー タカさん、花を持ちきれない様子(笑)。
GM 花だらけだね(笑)。彼女は、タカさんの隣に座る。「御一緒してよろしいかしら?」
タカさん (偉そうに)「迷惑さえかけなければいいぞ」
ルガー (笑)
GM 彼女がタカさんの隣に座ると、何やら高級感のある香水の匂いが…。
タカさん くしゃみをする。「ハクション!」(笑)
ルガー うわ~、タカさん凄い(笑)。
タカさん 何か、真綿で首を締められているような気がするんだけど(笑)。
GM 霞さんがビールを持って来るよ。すると女性が、「私も同じものを」と注文して、霞さんはまた奥に戻って行く。
タカさん 霞さんの表情は?
GM ちょっと強張っているね(笑)、タカさん、プレイボーイだから(笑)。
タカさん だんだん気分が良くなってきた。確か署じゃぜんぜんもてないんだよね(笑)。
GM 何で?
タカさん 歌舞伎町の噂は署に広まっているんだろ?
GM まあ、そうだね。
タカさん だから、みんな水谷さんに持って行かれてる(笑)。
GM 誰? 水谷さんて?
タカさん イチロー刑事だよ(第三話で付けたあだ名)。
ルガー 水沢さんだって(笑)。
GM はー(ため息)。何でみんな刑事の名前を間違えるんだ!?(笑)
ルガー 水谷さんて、第一話の人ですよ(第一話『血塗られた百万円、父と娘』参照)。
タカさん そう言えば、そうだ(笑)。
GM (気を取り直して)で、彼女と飲んでいるわけだ。タカさんは、気分が良くなってきて、気が大きくなってきた。
タカさん 「あんたの名前はなんて言うんだい?」
GM 「私の名前はね……、かおる。かおるって呼んで」と言うよ。ちなみに彼女のうなじには大きなほくろがある。
タカさん よし、チェックしとこう。
GM うん、なかなかよく目立つね。彼女は、タカさんに背を向けてコンパクトを取り出すと何やらやっています。
タカさん 化粧かな?
GM ……そして彼女はビールをもう一本注文すると、「これは私からのおごりよ」と言って、タカさんについでくれる。
タカさん 明日も二日酔いだな。
GM 飲む?
タカさん ああ、飲むよ。
GM ごくっ、ごくっ、ごくっ。全部飲んだら何だか眠くなってきたね(笑)。
タカさん 「ああ、眠い眠い」
GM ……ここから二時間、タカさんの記憶は途切れます(笑)。
タカさん は?(笑)
GM 「タカさん、タカさん。起きて」と、霞さんが起こしてくれる。「もう二時間も眠りこんでいたのよ」
タカさん 「今、何時?」
GM 今は11時。
タカさん (気付いたように)見ると、財布がない?
GM いや、そういう事はない。だけど……。
ルガー (遮って)顔に落書きが(笑)。
タカさん (笑)
GM あれ!? 警察手帳とサングラスがない!(笑)
タカさん 警察手帳ならともかく、サングラスを取られたか~(笑)。
ルガー 逆だと思うな(笑)。
GM 「ジェニファー」取られちゃったよ、霞さんもびっくりしてる(笑)。
タカさん 「隣にいた女は?」
GM/霞 「確か1時間前位には帰ったわよ」
タカさん 「……ガーン!」(ショックを受けたらしい)
ルガー (嬉しそうに)ああ、これは次の日にボスの雷が……(笑)。
タカさん ボスが「歯を食いしばれ!!」と言っているのが目に浮かぶようだ(笑)。
GM で、どうする?
タカさん 青い顔をしている(笑)。
GM そうだろうね(笑)。酔いなんか吹っ飛んでるよ。
タカさん 「ど……どうしよう?」(笑)
GM/霞 「とりあえず電話をかけたら? 課長さんか、ルガーちゃんに」(笑)
タカさん よし、署にかける。
GM プルルルッ、プルルルッ(電話をつなげている)。
ルガー 「はい、こちら第二中央署ですが」と、寝ぼけ声(笑)。
タカさん 「タ……タカさんだ」(我ながら変な言い方だ)
ルガー 「どうしたんですか、こんな夜中に?」
タカさん 「えらいことになった」
ルガー 「えらいことって何ですか~?」
タカさん 「サングラスと警察手帳を取られた」(笑)
ルガー 「何だ、サングラスと警察手帳を取られたくらい……えぇ~!?」(笑)
タカさん 「お前が犯人だろう」(笑)
ルガー 「ところで、タカさんは、今、どこにいるんですか?」
タカさん 「スナックのライラックだ」
ルガー 「ちょっと待ってて下さい、俺もそこに行きますから」
タカさん 「夜勤なのに大丈夫か?」
ルガー 「あっ、そうだ」
GM ゴリさんと二人一組だから、何とか抜けられるよ。
ルガー 「ゴリさん、ちょっと用事があるので出掛けます」
GM/ゴリさん 「分かった。なるべく早くもどって来いよ」
ルガー 「は~い」
GM 『スナック・ライラック』に到着。
ルガー 「タカさん、どうしたんですか? 盗まれたって?」
タカさん 青い顔。何も言えない(笑)。
GM タカさんの素顔が……(笑)。
タカさん 顔を隠す(笑)。
ルガー マスクマンじゃないんだから(笑)。
タカさん 「やめろ、見るな!」(笑)
ルガー 霞さんに何があったのか聞こう。
GM 「タカさんたら、警察手帳とサングラスを盗まれちゃったのよ、女の色香に惑わされてね」と、ちょっとこの辺は嫌味が入っている(笑)。
ルガー ジト目で(タカさんを)見てよう。
タカさん 「そうだっけ? 隣でビールを飲んでいただけじゃないか」
GM/霞 「えっ、嬉しそうな顔してたんじゃないの?」
タカさん あっ、何かケンカしてるよ(笑)。
ルガー 心の中で、タカさんがボスとケイさんに怒られている姿を想像している(笑)。
タカさん 「やれやれ、ブルーだぜ」(笑)
GM/霞 「で、どうするの?」
タカさん (呑気に)「ボスに言って、新しい警察手帳を発行してもらおう」
ルガー 「それじゃあ、俺が来た意味がないじゃないですか」(笑)
タカさん 「急に事件が発生した時のための訓練だ」(笑)
ルガー 「警察手帳を盗まれた人に言われたくないですよ」(笑)
タカさん 「やれやれ」(笑)
ルガー 「じゃあ、もう戻りますよ」
GM タカさんは?
タカさん 帰ろう。もう飲む気にもなれない。
GM (笑) タカさんの後ろ姿は寂しげだった。で、家に着くともう12時を回っていた。
タカさん 寝る。
ルガー すると電話がプルルルルッ、プルルルッ……。
GM (ルガーに合わせて)プルルルッ、プルルルッ(笑)、電話が鳴ってるよ。
タカさん 面倒臭そうに取る。
GM・ルガー いつも面倒臭そうだね(笑)。
GM 「あっ、タカさん?」と、霞さんからだね。
タカさん 「誰だ?」じゃねえや、「ああ、霞さん」
ルガー (笑)
GM/霞 「気を落とさないでね」
ルガー おお~。
GM 「私もちょっと嫌味っぽく言っちゃったけど、ごめんなさいね」 ……いいねえ、この性格(笑)。内縁の妻ですかね(笑)。
タカさん (小声で)やだやだ……(笑)。「……別に気にしてねえよ」とぶっきらぼうに(笑)。
GM 「よかった……」 タカさんの性格はだいたい知ってるけどね(笑)。
ルガー 第5話は、タカさんの結婚式だ!
GM ああ、やっぱり最終回は、結婚式がいいかも知れない。
ルガー で、霞さんの白いウエディングドレスが紅く染まってしまう。
タカさん 結婚なんてガラじゃねえや(笑)。
ルガー (気にせず)最後は、タカさんと霞さんが旅立つ所で終わるんだ(笑)。
GM ……という案がありますが?(笑)
タカさん 署が破壊されるんじゃなかったっけ?
GM そうだそうだ。でも、どっちも案としてはいいな。
ルガー それよりも、話を進めません?(笑)
GM はいはい、それで二人は電話で30分くらい話して、「じゃ、お休みなさい。タカさん」と。
タカさん 「じゃ……」と言って電話を切る。
GM では、このまま寝るよね?
タカさん 寝る。
GM それでは、次の朝。夜勤明けのルガーのもとへ電話が入る。
ルガー 「はい、こちら新宿第二中央署ですが?」
GM/男の声 「大久保付近のホテルで殺しです、中央署の刑事も現場に向かっていますが第二中央署の刑事も至急向かって下さい!」
ルガー 「はい、分かりました。至急そちらへ向かいます」 カチャ。
GM 「よし、行ってこい」と、事情を聞いたゴリさんが言うよ。
ルガー 「ゴリさんは行かないんですか~?」(笑)
GM だって、まだ朝早いから誰かが残ってないとね。
ルガー ああ、なるほど。
GM 現場へと急行するルガー。……場面は変わって、タカさんの部屋。タカさんが寝ていると、ドアを激しく叩く音が聞こえてくる。ドンドンドン!
タカさん (寝ている)「……」
GM ドアを叩く音だよ。ドドドドン! ドンドンドン!
タカさん 寝てる。
ルガー チャイム無いのか~。
GM ないんだよ、安アパートで(笑)。……ドドドドン!
タカさん 「うるさいなあ……」
GM ドン!
タカさん (笑) 仕方ないからドアを開ける。
GM ドアを開けると、背広姿の二人の男。彼らは警察手帳を見せる。
タカさん 「……?」
GM/刑事 「こういう者ですが、署までご同行願えますか?」
タカさん 「!?」


[前編に続く]



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