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第五話「仕組まれた犯罪、刑事たちと少年たち」



やっぱり「プータロー作戦」

GM さて、次の日になった。一千万円用意できたよ。

ルガー 署で作戦会議。どこに皆を配置するか。「あ、タカさんをプータローじゃなくて、ゴミ箱の中に隠す」(笑)

GM・タカさん (爆笑) 何だよそれ。

タカさん 「やめてくれ~」(笑)

ルガー 「タカさんの上に(札束の入った袋を)置いておいて」

タカさん 「タカさんと弓長さんの公園カップルっていうのをやってみたいな」

ルガー 「え? それなら水沢さんの方がいいと思う」

GM さあ、どうしましょ?

ルガー 「プータロー作戦とカップル作戦と、茂みに潜り込ませる作戦の3つですね」

タカさん 「茂みに隠れる」

ルガー 「まずカップル作戦ということで水沢さんと弓長さんでしょ? で、ボスにいくらなんでもプータローの恰好はさせられないんで。

GM ボスは署で指揮にあたる。

タカさん 「ボス、意外とプータロー似合うと思うよ」(笑)

GM/ボス 「何を言ってるんだ、タカ!」

ルガー (小声で)「やはりプータローは『ゴリタカコンビ』が一番いいような」(笑)

一同 (笑)

GM ゴリタカコンビですか~(笑)。


◆色々と話し合った結果、水沢さん、ユキちゃんのふたりがカップルのふりをして公園内を巡回。タカさん、岸川君のふたりが所定のゴミ箱の近くでプータローに扮して見張る。ルガーはプータロー組の反対側でひとり、プータロー姿でこちらも見張り。ゴリさん、ケイさんの二人は、近くの茂みで無線を持って連絡役を務めます。近くでは私服警官が無線を持って常時巡回という、かなり大掛かりな作戦となった。


タカさん 「すごい大掛かりになって来たな」

GM 何かすごい大掛かりだね。私もびっくりだよ。

タカさん (笑)

ルガー 「人ひとりの命と一千万円がかかっているんだ」

タカさん 「まあ、そのくらいやらなければ」

GM では、運命の時を……。
 ププー、ファンファンファンファンファンファンファンファン。ウ~。

ルガー どっかで他の事件が起こってるんだ。

GM 新宿の夜の喧騒を表現してみました(笑)。

タカさん (笑) 新宿の夜は酔っぱらいがいっぱいいる。

GM さて、6時半。

ルガー 6時半頃に(水沢さんと弓長さんに)会社の上司と若いOLのような不倫カップルを装ってもらって……。

タカさん (遮って)それにプータローがまとわりつく(笑)。

ルガー (笑) やめなさいって。プータローの刈山、岸川コンビはそこらへんで辺で酒を飲んでてもらって……あ、ヤバイ(笑)。

タカさん いいな、それ(笑)。

ルガー 酒の代わりに水を入れて飲んでもらって(笑)。

タカさん そんな律儀なことはしない。

ルガー いや。ちゃんとさせます(笑)。

タカさん 実はこっそり隠れて……。

ルガー 私は寝たふりしてそこら辺で見ています。

GM 分かった。実は中央署からも応援が来ているね。無線で綿密に連絡を取りあっているからね。

ルガー で、捕まえようとしたタカさんは、また完全失敗で転んで鼻血がドビューッ(笑)。

タカさん いや、それはやらない。

GM 捕まえるも捕まえないも、これだけの布陣を敷いてたら絶対に捕まらないわけがない。

タカさん これで捕まえられなかったら、もうおしまいだよ。

GM そう。警察の威信に関わるってヤツだよ。
 さあ、7時になった。色々な人が歩いている。誰が犯人なのかは良く分からない。

タカさん それはそうだな。

ルガー しまった。ゴミ清掃のおばちゃんたちの顔は一応チェックしておけば良かった。

GM もう遅い。さて、二十代そこそこの若者が歩いて来るね。よろよろ~っと。

ルガー はい。私、プータローのフリしてフラフラ歩いて、わざとその人にぶつかる感じで行きます。

GM 君がぶつかると、男はバタン倒れる。「おめぇ、何するんだ。バカヤロー!」と、絡んでくるよ。男は酒に酔っているみたいだね。

ルガー 声は若いですか?

GM 若いね。

ルガー 一応、声のチェックだけして。ペコペコ謝って逃げ帰る。

GM/酒に酔った男 「何やってんだ。バカヤロ!」

GM 酒に酔っている勢いで、男はプータローのルガーを蹴っ飛ばす(笑)。

タカさん (爆笑)

ルガー 蹴られるままにしておきましょう。

GM すげ~痛い(笑)。

タカさん (爆笑) (太陽の警察には)生命力点がないからな。

ルガー すごすごと戻って行きます。

GM 男はフラフラと歩いて行ってね、例のゴミ箱の所で……ウェ……ウエェ……ゲエッ!(笑)

タカさん (爆笑)

GM ゴミ箱の中に吐いてしまいました(笑)。

タカさん 「汚ねぇ~」

GM で、何事もなかったかのように歩き去って行った。

タカさん 「これじゃ犯人、悲惨だな。犯人に同情してしまう」

GM カップルとして現われた二人だけど、あまりの臭いに(笑)、嫌になってどっかへ行っちゃった(笑)。

ルガー 「ええ~! 嘘~! そんな~!」(笑)

タカさん 「それじゃ仕事にならんぞ!」(笑)

GM 二人は、違うベンチの方に移動してしまった。

タカさん 「ひょっとしてそれが作戦か?」

GM (笑) それは誰にも分からない。

タカさん (笑)

ルガー じゃあ、それを見て、プータローの自分が「いい椅子が空いた」って感じで、そのベンチの上で寝ます。

GM すげ~臭い。

GM・タカさん 臭い。

ルガー 耐えます。

GM きみはこういったことに慣れていないから気持ち悪くなってきて、君も……。

ルガー 我慢します。

GM 体力で判定。【通常】。

ルガー 吐きたくなっちゃって、俺もそこに吐いちゃったりして(笑)。(サイコロを振って)失敗!

GM 気持ち悪くなって来た!(笑)

ルガー 仕方ない。元の所に戻ります。

GM フラフラ~っと。

ルガー 何してんだろう? フラフラフラフラ(笑)。

GM 中央署の警官たちとゴリさんたちは綿密に無線連絡を取り合っているね。
 さて、8時になりました。

ルガー 「しまった~!」

タカさん 空振りか?

ルガー もう奪われていた(笑)。

GM いや、大丈夫。いちおう袋がちゃんと残っている(笑)。

タカさん・ルガー (爆笑)

ルガー あと一時間位待ちましょう。

GM 一時間経っても来ないね。ゴミ箱に近づいて来る人はいたけど、臭いがきつくて逃げてっちゃう。

ルガー でもこれで来ないからってお札を取り戻して、その姿を犯人が見ていて「何? やっぱり警察に知らせていやがったか」というのもやだしな。

GM 9時を大分回ったけど、来ないね。

ルガー はい。私、プータロー仲間としてタカさん組の方へ寄ってくようにして、ヒソヒソ話で「(犯人)来ませんね」と話しかけます。

GM プータロー3の岸川君もいるね。

タカさん 酒で酔っぱらってる。

GM/岸川 「タカさん、また酔っ払っちゃったんですよ」(笑)

タカさん 「いい気分だ」(笑)

ルガー 「こういう時はね……タカさん、霞さんが来てますよ」

タカさん 「いい気分だ」(笑)

GM あら。

ルガー ダメみたいなんで、また茂みの中に入って行って(ゴリさん、ケイさんの)二人の指示を仰ぎます。「どうしますか?」

GM/ケイさん 「来ないからって、(札束を)回収するのはやっぱりまずいよなあ。かと言って、このまま撤退するわけにもいかないからなあ。う~ん、誰かが寝ずの番ということか」

ルガー 「ということは、プータロー組ですか?」

GM/ゴリさん 「中央署の応援の人達には帰ってもらってもいいか」

ルガー 「ええ。でも、ゴリさんとケイさんも不寝番組ですよ。だって茂みから背広を来た人が現われるのは変ですもん。結局、この二人とこの一人以外の5人の寝ずの番ということになりますか? 交替交替で、プータロー組は残った二人組でやります」

GM タカさんは寝ているんだっけ?

タカさん すっかり出来上がって寝てしまった。

GM (笑) 本当のプータロー化してしまったか? このまま放っておいてもいいぐらい。

タカさん この生活もいいなあ。

GM こんな恰好していたら、霞さんは寄りつかなそうだよ。

タカさん それがちょっと気掛かりだ。

GM 最終回の野望、タカさんと霞さんの結婚式がなくなってしまうぞ(笑)。

ルガー (笑)

タカさん 何なんだそれは(笑)。

ルガー とにかくひたすら待ちます。

GM 9時半になっても来ない。
 さらにしばらくして、トゥルルルルルルル……。ゴリケイ組の(笑)携帯が鳴ったみたいだね。で、ケイさんがルガーに手招きするよ。

ルガー 行きます。こそこそと。

GM/ケイさん 「今、ボスから連絡が入った。どうやら、川上の家に犯人から連絡が入ったらしい」

GM よく考えると、川上の家に誰も置いておかなかったってのは明らかなる失敗ってヤツじゃないのかね?

タカさん そう言やそうだ。

ルガー ああ、そうだった。そんなことすっかり忘れてた(笑)。

タカさん 普通誰か付けないかな?

GM まあ、TRPGですから(笑)。

GM/ケイさん 「犯人から電話が入った。あれだけの大布陣を敷いたのが裏目に出た。犯人がどうやら俺たちの存在に気付いたようだ。犯人はこう言っていたらしい。『川上弘樹の命はないと思え』と」

ルガー 「じゃあ(川上の命は)ないと思って、思い切り行動して」(笑)

タカさん (笑)

GM ルガー、最近血も涙もない性格になってきたね。

タカさん 過激な発言が(笑)。

GM/岸川 「ルガーさん! それは酷いですよ」

タカさん これも『ルガー家』の血がそうさせているんだ(笑)。

GM 『ルガー家の一族・最強伝説』(笑)。

タカさん 影の家系『ルガー家』(笑)。

ルガー 「どうしますか? タカさん」

タカさん 「どうしようもない」(笑)

ルガー 「では、ここはいったん引きあげるということで……」

GM 金は?

ルガー 汚物まみれだけど、何とか拭くということで(笑)。

GM では、拭いたら大きなビニール袋に収納して……どこへ戻る?

ルガー 新宿中央署。

GM 新宿中央署は君の知らない顔だらけ。

タカさん・ルガー (爆笑)

ルガー しまった~(笑)。

タカさん 『オトしの辰』なら知ってる。

GM 前回散々な目にあわされたからね(笑)。パトカーに乗る寸前に、タカさんは彼の姿を見た。何か複雑な心境だ(笑)。

ルガー 第二中央署行きます。

GM キキーッ! バタン!

タカさん やっぱり急ブレーキだ(笑)。

GM やっぱり急ブレーキが似合うのが刑事ドラマというヤツだ(笑)。

GM/ボス 「まずいな。ばれてしまったようだな」

ルガー 「どうします? ボス」

GM/ボス 「川上の居場所、全然分からんからな」(笑)

タカさん・ルガー (笑)

GM/ボス 「あれだけ物々しい布陣を敷いたのがまず過ぎたような気もする」

GM しかも、(私服警官たちが)しょっちゅう無線で連絡を取り合っていたし。

ルガー え? 俺、しょっちゅう無線で連絡を取り合えとは言っていない。怪しいヤツが来たら言えと言ったのに。

GM とは言っても、警察の警戒といったらそんな感じになるんじゃない。だから、いくら私服とはいえ、バレるでしょう。あれだけ物々しければ……。それにプータローが不自然に沢山いるし(笑)。

ルガー しまったな……。

GM/ボス 「しかし、もう過ぎてしまったことはどうにもならん。これからの対策を考えなければ。いったい川上はどうしたのだ?」

タカさん 「ここは原点に戻って、学校の担任の先生に聞き込みをしたいな」
 で、今はもう深夜だっけ?

GM 夜の11時、12時ぐらい。

ルガー もう次の日にしちゃいましょう。



地道な聞き込み

GM 翌日になった。

ルガー では聞き込み。学校行って不良グループを調べることと、後は盛り場なんかで噂を聞いて、不良たちの溜まり場がないかどうかを調べる。

タカさん まず担任の先生。

GM 担任の先生ってのは、たいていいじめの実態については良く知らないんだよね。担任の先生は山中先生というんだよ。24歳、独身。

タカさん 名前からいって女の先生?

GM 男だよ。

タカさん 何だ(笑)。

GM テニス部の顧問をしている。

タカさん 科目担当は体育? 国語系だな。

GM 英語だったかな。語学の担当。

タカさん どんな感じの先生?

GM 笑顔を浮かべれば辺りが光りだしそうな(笑)。

タカさん 後光が差している(笑)。

ルガー 「川上弘樹の学校生活について教えてもらえませんか?」

GM/山中 「彼はあまり目立つ存在ではなかったですね」

タカさん 彼はいい人でした(笑)。

GM 「でした」じゃないよ、「でした」じゃ(笑)。

ルガー 「この学校に不良グループはありますか?」

GM/山中 「あるようなないような、ちょっと分からないですね……」

タカさん 「あなた、それでも担任の先生ですか?」

GM/山中 「すみません」

タカさん 生徒に聞こう。

GM ちょうど近くに生徒がいた。皆藤(かいどう)という女生徒だね。

タカさん 皆藤? 何か柔道部系だな。

GM 皆藤綾子。高校三年生。テニス部に所属している(笑)。

ルガー 「不良グループについて教えてもらえませんか?」

GM/皆藤 「確か何人かいたような気がします。名前は分かりません」

ルガー 「では次に川上君のことについて」

GM/皆藤 「ちょっと分かりません……」

GM 彼とは学年が違ったりするんだけどね。

ルガー はい。では、川上君のクラス行って彼のことについて聞きます。

GM 「川上君? 彼は引っ込み思案で、話しててもあまり面白くない人」と、これはクラスの女子の話。

ルガー 「じゃあ、不良グループがあるかどうか」

GM/男子生徒 「彼は、3人の男子に嫌がらせを受けていました」

ルガー 「では、その3人の生徒の名前を。チェックだけはしておこう」

GM 名前? 3人の名前は石田洋介、江口正幸、風間猛。

タカさん 何かどっかで聞いたことある名前だ。

ルガー ドラマ見てませんでした?(笑)

GM 見てないって(笑)。

タカさん どっかで聞いたことない?

GM 偶然だよ、それは(笑)。あ、そういえば「江口」と「洋介」をつければ有名人だな(笑)。

一同 (笑)

ルガー だって石田さんもいるし、江口さんもいるし、風間さんだっているもんね。はい、もう一回。江口洋介の「介」は……。

タカさん 江口洋介じゃないって(笑)。

ルガー あ、すみません(笑)。石田洋介(机を叩いて爆笑)。

一同 (爆笑)

GM 大笑いだよ(笑)。
 川上君と彼らのクラスはね……川上君がA組、石田君と風間君がB組、江口君がF組。

ルガー じゃあ、お礼を言って、職員室行って3人の顔写真だけもらっておきます。

GM もらった。

GM/先生 「彼らがどうかしたんですか?」

ルガー 「いや、ちょっと」

タカさん ワケあり。

GM/先生 「そういえばこの3人、ここ2、3日学校を休んでますね。まあ、いつものことですけど」

ルガー 「やっぱり小物だったか」

タカさん 「住所と電話番号も」

GM その辺も教えてもらえる。

ルガー 川上君の写真ももらっておきます。次にゲーセン街に行って3人の顔写真を見せて、ここ2、3日の間に彼らを見たことがあるか聞きまくります。

GM どうだろう。推理で【困難】! 岸川君もやりましょう。

タカさん (サイコロを振って)11!(笑)

ルガー タカさん、使えない……今日は(笑)。

GM (サイコロを振って)おお! 岸川君の熱意が勝った。

ルガー 俺も人のこと言えなかった(笑)。11だ。

GM/男 「そういえば2日前、風間とかいう人をどっかで見たな。どこだったっけなあ。う~ん思い出せねえ(笑)。どっかで見た」

ルガー 「ゲーセンですか? 喫茶店ですか?」

GM/男 「いや。どっかで歩いてたのを見た」

ルガー 「その時にこの人見ませんでしたか?」と、川上君の写真を見せます。

GM/男 「いや、いなかった」

タカさん 「ひとりだけ?」

GM/男 「うん」

ルガー 「風間くんを見かけたのはいつですか?」

GM/男 「一昨日。路上ですれ違ったのかな?」

ルガー 「あなたがどこに行こうとしていた時ですか?」

GM/男 「う~ん」

GM かなり記憶が怪しいらしい。何となくこの顔を覚えているみたいだ。

ルガー じゃあ二日前にここら辺に風間がいたということで。



三人はどこに?

タカさん 「三人の家に電話してみようか」

GM 誰から?

タカさん 石田洋介から。

GM (電話の呼びたし音)トゥルルルルル、トゥルルルルルル……。「はい、石田です。ただいま留守にしております」(笑)

タカさん (笑) 「えぇーっ」(笑)

GM 「ピーッという発信音が鳴りましたら、御用件をおっしゃって下さい」

タカさん 「何か一方的だな」

GM ピーッ!

タカさん 「第二中央署の者ですけど、お宅のお子さん……」

GM 何か変なことを言っちゃまずいよ。

ルガー 「それは後でいいと思いますけどね」

タカさん (電話を)切ろう。ブチッ!

GM・ルガー (笑)

GM 余計なところだけ録音されちゃってるよ(笑)。

一同 (笑)

タカさん 「聞かなかったことにして下さい」(笑)

ルガー 「次、江口さんの家にかけます」

GM トゥルルルルル、トゥルルルルルル……。「はい、江口です」 母親が出た。

ルガー 「もしもし、こちら新宿第二中央署の者ですが」

GM/母親 「警察の方ですか?」

ルガー 「はい。あの、正幸さんいらっしゃいますか?」

GM/母親 「ちょっと、正幸はいないんですよ」

ルガー 「え? 学校へ行かれたんでしょうか?」

GM/母親 「友達の家に泊まって直接学校に行くって言って、出たっきりなんですけど」

ルガー 「すみませんが、彼からちょっと話を聞きたいので、その友達の名前を教えていただけませんか?」

GM/母親 「え~っと、確か……石田くんだったかしら」

ルガー 「そうですか。どうもありがとうございました。失礼いたします」

タカさん 「石田家は留守電だったからな」

ルガー 「次、風間君」 ピポパポピポ。トゥルルルルル、トゥルルルルルル……。

GM トゥルルルルル、トゥルルルルルル……、トゥルルルルルル……。出て来ないな(笑)。

タカさん 「出て来ない」

ルガー じゃあ切ります。「どうしよう?」

タカさん 「石田家へ行ってみる?」

ルガー 「石田家へも行ってみたいし、もうちょっとここでも情報を得たいし」

タカさん 「一人で行こう」

GM じゃあ、タカさんの方からいこうか。

タカさん 石田家へ。

GM キキーッ、バタン!

タカさん 家はどんな感じ?

GM 中流と上流の中間といった感じ。

タカさん じゃあインターホンをポンと押して。

GM ピ~ンポ~ン。(間をおいて)五分待った。反応なし(笑)。

タカさん (笑) ドアを叩く。

GM ドンドンドンドン! 反応なし。

タカさん 人の気配とかはないの?

GM うん、ないね。

タカさん 家に入ったら不法侵入だしなあ。

GM まあそうだね。あと郵便受けには新聞紙が二日分ぐらい詰まりっぱなしだね。カーテンや雨戸は閉まってないよ。ちなみに車庫には車がないね。

タカさん 家族ごと消滅? いや、昼間なら誰もいなくて当たり前か。仕事行ってたりして。とにかく、何らかの理由で(家族が)いないということか。

GM うん。

タカさん 「では、次は風間家へ行ってみる」

GM 風間家に到着。引き戸の家。

タカさん 和風だな(笑)。

GM だからチャイムがなかったりする(笑)。

タカさん 扉を叩く。

GM 「う~い、なんじゃ~」 爺さんが出て来る。

タカさん 爺さん(笑)。「警察の者ですが……」

GM/爺さん 「あ~、警察が何の用かい?」

タカさん 川上の写真を見せて、「この子が誘拐されちゃった」

GM/爺さん 「う~ん、見ない子だなあ」

ルガー そんなことバラしていいんでしょうか?

タカさん お爺ちゃんだから大丈夫だよ(笑)。

一同 (爆笑)

GM すごい論理だよ(笑)。

タカさん 「息子さんはいるかい?」

GM/爺さん 「いや、息子はいない」

ルガー お孫ならいるが(笑)。

タカさん (笑) あ、そうか。「お孫さんはいるかい?」

GM/爺さん 「いんや。どっか出掛けちまった」

タカさん 「どこへ?」

GM/爺さん 「いや、知らん。ワシには何も言わん」

タカさん 「いつ頃から出掛けたの?」

GM/爺さん 「いや、う~ん……分からん」(笑)

タカさん・ルガー (笑)

タカさん 「うわ~、頼りにならんなあ。他に家の人いないの、お爺ちゃん?」

GM/爺さん 「家? ん~、あ~、いや」

タカさん・ルガー (笑)

GM/爺さん 「嫁さんの良枝さんはパートに出とるし、息子の太郎は何しとるか分からんし。ワシャ何にも分からんわ」(笑)

タカさん 「いつもどの辺に行ってるの?」

GM/爺さん 「いや~、それが分かりゃ~苦労はしないわな」

タカさん 「苦労してるんだ」

GM/爺さん 「さっき電話が鳴ってたようなんじゃが、便所に入ってたから出られなかったわ」(笑)

タカさん・ルガー (笑)

タカさん 「やれやれ」

GM/爺さん 「いや~、久しぶりに快便でのお~」(笑)

GM 一時間ぐらい(トイレに)入ってたんだそうだ。

タカさん うわ~。そんなこと聞きたくないよ(笑)。

GM こういう爺さんの世間話が始まると長い。

タカさん そろそろ逃げよう。「あ、失礼しました」

GM/爺さん 「ああ~、お茶を飲んでいかないかい?」(笑)

タカさん・ルガー (笑)

タカさん 「結構です」

GM タカさんは去っていった(笑)。


◆タカさんと岸川は江口家へと向かい、母親から色々と事情を聞いた。しかし、これといって新しい情報は得られなかった。その後、「何かある」と踏んだタカさんは、このまま江口家で張り込みを敢行する。
 一方、ルガーの方は……。


GM ルガーはどうする?

ルガー ゲームセンターの店員さんは、お客さんをよく見ていそうだから訊きます。写真を見せて、「こういう顔の子を見たことありませんか?」

GM/店員 「あ、そういえばあるな。確か派手な感じのする子たちと一緒に来てたなあ。何かいつも、彼は、三人の後ろで小さくなっていたって感じだったけど」

ルガー 「つい最近見かけたということは?」

GM/店員 「ここ二週間ぐらいはないね」

ルガー 「ありがとうございました」とお礼を言ってから、この辺にいる不良高校生に三人を知っているかどうか訊いてみます。

GM/不良高校生 「あ、コイツらはよく見るな」

ルガー 「ここ2、3日に見かけたってことはないかい?」

GM/不良高校生 「ここ2、3日はないなあ」

ルガー 「彼らがどこを中心に動いているか分かりますかね?」

GM/不良高校生 「それは分からないけど……う~ん」

タカさん 盛り場中心(笑)。

ルガー どういう所に隠れそうかなあ? まず、怪しいのが石田君の家。

タカさん 場所を借りるほど金があったのかな? いや、ボンボンか。

ルガー (しばし思案して)じゃあタカさんたちと合流します。

GM 合流したよ。

タカさん 張り込んでる。

ルガー 「タカさん、何で張り込んでるんですか? 江口君の家なのに」

タカさん 「怪しいから」

ルガー 「だったら石田君の家を張った方がいいんじゃないんでしょうか。石田君の家には誰もいないような感じでしたし」

GM 風間君の家は?(笑)

タカさん (笑) お爺ちゃんに見つかりそうだからな。

ルガー はい。電話局に行って、石田君の家から電話をかけた例がここ2、3日の間にあるかどうかを調べる。

タカさん それだったら全部の家を調べた方がいい。

ルガー それかもう一回学校に行って、石田君の御両親の働いている場所を調べるか。

GM はい。どっちがいい?

ルガー 「どっちがいいすか、タカさん?」

タカさん 「電話のことまでは聞いてたけど、その次は何だっけ。張り込む?」(笑)

ルガー (笑) 「だから(石田君の)ご両親に会うか、電話の使用時間を聞いてみるか」

タカさん 「両方やれば」(笑)

ルガー 「そうですか?」

GM じゃあ、調べた結果ね。石田家からかけたのは一切なし。江口家は2、3回あるな。

ルガー 「時間もチェックしておきます」

GM 例の脅迫電話の時間とは一致しない。

ルガー 「次は風間家ですね」

GM 風間家は1回。三時間ぐらいすごく長い電話がある。

ルガー 「あ、これも違いますね」

タカさん 三時間?

GM 風間の爺さんだったりして(笑)。

ルガー (笑)

タカさん そうかもしれない。

ルガー 次は石田君の御両親の方。

GM 学校で調べた結果、石田君の御両親が何をしてるかというとね……父親はとある金融機関で支店長クラスだ。

タカさん 梅桃銀行(笑)。

GM 違うよ。『紅花銀行』。新たなる銀行の登場だ。

タカさん 『紅花銀行』(笑)。

ルガー じゃあ、連絡とります。

GM/行員 「え~、石田支店長は二日前から三泊の予定で出張しておりますが……」

ルガー 「じゃあ失礼しました」 今度は母親の方ですね。

GM 母親の方は有給休暇をとって旅行に行っちゃってるね。

ルガー 何だこの家庭は? ここまできたらついでだ。風間君の方も調べてみよう。

GM 風間君の母親はパートやってるけど。爺さん言ってたでしょ?

ルガー うん。

GM で、父親の方は考古学者であちこち走り回ってる。

ルガー 父親はムリだ。母親だけ確認とっておこう。じゃあ、母親だけ電話かけて聞いてみます。

GM 分かった。(電話の音)トゥルルルルル……。

GM/社員 「はい。某会社ですが」(笑)

ルガー 「あの~、風間さんいらっしゃいますか?」

GM/社員 「少々お待ち下さい。あ、どちらさまですか?」

ルガー 「新宿第二中央署の春日という者ですが」

GM/社員 「分かりました」

GM/風間 「はい、風間ですが」

ルガー 「新宿第二中央署の者ですが、風間猛君のお母さんですか?」

GM/風間 「はい。左様でございますが」

ルガー 「猛君、昨日お家のほうに帰られましたか?」

GM/風間 「確か……猛は石田君の家に泊まりに行くと言っていました。で、猛に何かあったんですか?」

タカさん 「怪しいぞ、石田」

ルガー 「いえ、そういうことではないんですが。お忙しいところ、どうもすみませんでした」

GM/風間 「いえ……」

ルガー 「タカさん、やはり石田の所ですよ」

タカさん 「石田家は誰もいなかったぞ。潜伏してるのか?」

ルガー 「潜伏してるか、本当にいないで(三人が)別の所で潜伏しているか」

タカさん 「ピンポン押しても反応ないからな……。そうか、あっち(石田家)に張り込んでたほうが良かったのかもしれない」

ルガー 「普通はそう考えますよ」

タカさん 「すっとぼけてた」

GM やっぱりあの爺さんのせいで思考が狂わされたのか?

タカさん そうだよ。あれでおかしくなってしまった。

ルガー 「どうします?」

タカさん 「じゃあ一人で石田家を張り込む」

ルガー 「誰がです?」

タカさん (自分のことを指差す)

ルガー (笑) 「やめません?」(笑) 岸川君とタカさんで石田家を見張りしてもらいます。

ルガー 私は川上家に行って、また犯人から電話かかってくるかもしれないから待機してます。

GM じゃあ、まず川上家のルガーの方から行こう。電話が鳴る。トゥルルルルル、トゥルルルルル……。

ルガー 「奥さん、取って下さい」

GM/晴子 「はい、川上ですが。はい、は、はい。かわります。春日さん、お電話です」

ルガー 「はい、春日ですが」

GM/ボス 「俺だ。太田だ」


[後編に続く]