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第五話「仕組まれた犯罪、刑事たちと少年たち」



プロローグ

GM 今回は9月も上旬のとある一日から始まります。今日一日の仕事も無事に終わり、家へと帰る時間になりました。

ルガー (キャラクターシートを覗き込んで)何で俺、11万円も持っているんだろう?

タカさん (笑) え?

ルガー 何で11万円も持っているんだろう?

タカさん 前は2万じゃなかった?

GM 確か偉そうな事を言ったけど、実は2万円しかなかったという(第二話『誤認逮捕! 凶弾の前に立つ男』参照)。それにしても、何で増えたんだろう?

タカさん 給料を毎月もらってるのかな?

GM 給料をもらってるんだろう。

ルガー タカさんが3万円しか持ってないってことは、使いが激しいのか?

GM だって、タカさんは、歌舞伎町に行ってるんだもんね(笑)。

ルガー (笑) あ、そうか。

GM 『スナック・ライラック』がいくら親切な店とはいっても、金を取られることには変わりない。週イチぐらいで行ってるって話だからね。ちなみに前回も行ってるしね。

ルガー (頷いている)

GM 以前も言ったけど、タカさんの歌舞伎町(通い)の噂は署内に広まっているよ(笑)。

 さて、勤務終了。ボスが「お疲れ~」と言うね。

タカさん 今日は何日だっけ?

GM 9月の上旬。もう夏休みは終わっちゃったよ。

タカさん もう夏休みが終わっちゃったの?(笑)

GM うん。

ルガー タカさんは、毎日が夏休みだって(笑)。

タカさん (笑)

GM タカさんの頭の中が夏休みなんでしょ?(笑)

ルガー (笑)

タカさん 春休みかもしれない(笑)。

ルガー (笑) まだ春休みだって(笑)。

GM (突然)ゴリさんは何やらね……。

タカさん (遮って)ゴリさんいたんだ(笑)。

GM うん。(強調して)いるんだよ!(笑)

 え~っとね、ゴリさんは競馬新聞を取り出して読んでるね。彼の競馬好きについてはミニ・ノベルに書いてある通り。週末の金曜日の今日、競馬新聞には色々と予想が出ているね。ゴリさんは予想に熱中していて、呼んでも返事をしそうにない。

 さあ、仕事が終わってからけっこう経ったよ。君たちはいつまでも捜査課にいるわけかい?

タカさん 水沢さんと飲みに行く(笑)。水沢さんとね、岸川優二とね、弓長幸とね、四人で飲みに行く。影の薄い人たちを誘って(笑)。

ルガー (突然、サイコロを振って)宿直だ!

タカさん 宿直チェックなんかあったのか?

ルガー いえ、誰か残らなきゃ変でしょう?

GM ルガーとゴリさんが宿直だね、前回と同じで。「じゃあ、頼むぞ」と言ってボスは出て行く。

タカさん ボスが家に帰るところか。

ルガー 「いや~、家に帰ればボス似のカワイイ女の子がいるんだよ」(笑)

GM/ボス 「何だ、そのボス似ってのは?」(笑)

タカさん 「あまり期待できなさそう」(笑)

GM いや、あれだよ。ちょっとボスが戻って来る。

ルガー 「いや、でも父親に似た女の子は可愛くなるって話ですから大丈夫ですよ、ボス」

GM 「俺の娘はな……」とボスは話し始める。

タカさん 「これは長くなりそうだ」

GM/ボス 「俺の娘はな、母親似のすごい美人なんだ」

GM と、話が30分続く。

ルガー いや、タカさんはもう(捜査課から)去ってるし(笑)、私は……。

タカさん (遮って)もういない。若い連中を連れて飲みに行ったんだ。

GM どこの店に飲みに行く?

ルガー もちろん!

GM 今までに出て来た物件としては……(笑)。(紙に書きながら)まず、第一話に出て来た『パリジャン』『謎の料亭』(沢村君の働いている料亭)。

ルガー 『スナック・ライラック』もありますね。

GM (紙に書きながら)『スナック・ライラック』、第三話に出てきた『スナック・蘭』。

ルガー いや、まだ実はもう一軒ある。

GM もう一軒あるな。

ルガー あれですよ。第二話にパーティ開いた所。

GM (思い出して)『瓢箪(ひょうたん)』。

タカさん (笑)

ルガー ボスが飲んだくれて、酔っぱらった所。

GM あともう一軒あるんだよ、実は。第四話に出て来る、千堂って女が化粧をとった所。

タカさん あれって喫茶店じゃなかった? (東京の)お茶ノ水にある二軒ぐらいあった……。

GM (しばらく考えて)ああ、そうか。思い出した、『ルノワール』だ!

タカさん 『ルノワール』だ!(笑)

ルガー いや、まだもう一つありますよ。高架下、あの麻薬取引(事件)の時に行ったヤツ。

タカさん 何だ、いっぱいあるな。

GM あそこの店の名前って何だっけ?

タカさん 『コスモス』だ。

GM あっ、そうか。さすがリプレイを書いている人だ(第三話と第四話のリプレイ部分は彼が書いている)。

ルガー 詳しい! (紙を見ながら)あ、けっこう出てる。

GM (紙を皆にみせて)こんなにあるよ。他にもまだありそうだよ。

ルガー どうぞ、タカさん。行って下さい。

タカさん (紙を見ながら)晩飯を食うためにこの『料亭』に行こう。

ルガー 沢村の所ですね。

GM 実は、(沢村は)今も働いていたりする(笑)。

タカさん・ルガー (笑)

GM 着物姿の女の人が出て来て、「本日はよくいらっしゃいました」と頭を下げる。あ、これって予約がいるんじゃないのかな?(声のボリュームがだんだん下がっていく)

タカさん・ルガー (沈黙)

GM (きっぱりと)実は予約を取っていた!!(笑)

タカさん (笑)

ルガー タカさん、すげ~!(笑)

GM で、お座敷に通される。

タカさん 「こんな高い店に入って大丈夫かな……」(笑)

ルガー だから、水沢さんを連れて来たんじゃないんですか?(笑)

GM 水沢さんが金持ちっていう設定はしてないよ(笑)。「タカさん」と、水沢さんが言うね。一応、水沢さんは丁寧な人だからね、「タカさん」と「さん」を付ける。

GM/水沢さん 「タカさん、料金は折半だよ」

タカさん 「折半とは何でござる?」(笑)

GM 折半とはワリカンということです(折半とは、正確に言えば「半分こ」のことだけどね)。

タカさん 「ワリカンとは?」

ルガー トボケてる、トボケてる……(笑)。

タカさん 水沢さんのカッコ良さで女将さんを説得する(笑)。

ルガー 負けてくれって話ですか?(笑)

GM 料亭の女将ビジョンでは、水沢さんはダメなんだよ。

タカさん ダメなの?

GM 日本的な美男子が彼女の好み。

タカさん ダメなのか。じゃあ、勘定については後で。

ルガー (笑) 食べる前から勘定の話だからな~(笑)。

GM 一応、今回のはタカさん主導だから、タカさんが幹事ということで。

タカさん そうだよ……。(突然)「さあみんな、お金を集めろ」(笑)

一同 (笑)

GM みんなズッコケたりするんだな~。「タカさん、いきなりそれはないでしょう」とか、岸川が言ったりする。

タカさん 「それも刑事というものだ」(笑)

ルガー (笑)

GM/岸川 「とか言って、ポケットの中にお金をしまうんじゃないんですか?」(笑)

タカさん 集まったお金をこっそりと……(笑)。(いけずうずうしく)「さあ今日は気にしないで飲み食いしてくれ」(笑)

ルガー (笑) 言うことがいいな~(笑)。

GM 料理が運ばれて来るよ。秋とはいえ、まだ暑いからな。何を食べるかな?

ルガー お刺し身~(ルガーは、宿直である)。

GM 刺し身の盛り合わせがどんと来た。

ルガー 酢の物。

タカさん 鰻重(笑)。

GM 土用の丑の日か?(笑)

タカさん 「何でもいいからどんどん持ってこ~い!!」

GM どんどん運ばれてくる。

タカさん 主人に「沢村君は元気かい?」と聞いてみよう。

GM/主人 「ああ、沢村君ですか。沢村君はあれ以来、奥さんの佳代子さんと楽しい家庭を築いているようです。あ、何なら呼んで来ますよ。彼は下ごしらえの担当なんで……」

タカさん 「呼んでもらおうか」

GM 来たよ。

タカさん (唐突に)「さあ吐け!」(笑)

GM/沢村 「違います! 僕はやっていないんです!」(笑)

ルガー (爆笑)

タカさん 「まだ癖が抜けてないな」(笑)

GM/沢村 「刑事さん、冗談は止めて下さい」

タカさん 「これでも結構本気だったりする」(笑)

ルガー ええ~(笑)。

タカさん 「まあ、そういうことは忘れよう」

GM/沢村 「今日は、署の人といらして頂いてありがとうございます」

タカさん 「たまには新人と飲み食いするのもいいだろう」

GM/沢村 「さすが、部下思いの刑事さんなんですね」

GM 沢村君は感慨深げに言う。

タカさん ここで恩を売っておけば後で……(笑)。

GM そんな余計なことをまた言うの?

タカさん (笑) 心の中で!

GM だけど、そういうタカさんのうわべだけの台詞を聞いて(笑)、岸川君は頷いていたりするんだよね。

タカさん ああ、何か純情な青年だ(笑)。

GM 純情で長身で、タカさんの4倍ぐらいカッコイイ男なんだ。

ルガー 何かカッコイイ人ばっかりですね(笑)。

タカさん (自分が)一番カッコ悪いみたいだよ、何か(笑)。

GM ルガーが良く分かんないけど、どうなんですか?

ルガー タカさんの1.2倍。

GM タカさんよりカッコイイのか。だけど、タカさん、大丈夫だよ。

GM・ルガー ゴリさんがいる!(笑)

タカさん ゴリさんには勝ってる(笑)。

GM ゴリラみたいな男の人と言ってしまったからなあ。

タカさん ゴリさんとボスには勝てるぞ、きっと。

ルガー いや、ボスはカッコイイんだよ。

GM ボスは中年の……。

GM・ルガー ダンディなんだから!!

GM ダンディがハモってしまったぞ(笑)。ホントにダンディなんだろう(笑)。

ルガー (笑)

GM ケイさんは分からないけど。

ルガー ケイさんはあれですよ。優しそうな、だけど取り調べは怖~い。

GM 『鉄のケイ』だもんね。では、沢村君が「ゆっくりしていって下さい」と言って、出て行くね。

タカさん (霞さんのマネ)「ゆっくりしていってね」(笑)

GM 岸川君がタカさんのところへビールを注ぎにやって来る。「タカさん、何でも教えて下さい」とか言って、彼の瞳には闘志の炎が燃えているんだよ(笑)。

タカさん 「犯人を落とす方法を教えてやろう」(笑)

GM 弓長さん、どうしよう。影が薄いよ。

タカさん 「お茶の入れ方がちょっとあまいぞ」(笑)

GM 何か鬼姑になってるよ、タカさん(笑)。

ルガー 可哀相な嫁さん(笑)。

タカさん 嫁さんじゃないよ(笑)。

GM もう一人、タカさんの五倍はカッコイイ水沢さんが優雅な手つきで酒を飲んでいる。

ルガー あれ? 岸川君が四倍で水沢さんが五倍で、弓長さんは別として美形軍団だ。『美形軍団+1』(笑)。

タカさん 何だそりゃ?(笑)

GM 何だか男版『宝塚』みたいだな。

タカさん やってらんねえぜ。酒をひたすら飲みはじめる。「今日はここに泊まるぞ」

GM まあいいや。タカさんは酒をたくさん飲んで、何が何だか分からなくなってくる。もう看板の時間だね。ふと、タカさんが気付くと、横で岸川君が殺されていた……。

タカさん 「!?」

GM ウソだよ~ん!!(笑)

タカさん ホントかと思った。だまされたよ(笑)。

GM もう看板の時間だよ。タカさんは、べろんべろんに酔ってるよ。

タカさん 他の人はみんな帰ってたりして(笑)。

GM 熱血青年岸川君がいる。

GM/岸川 「タカさん、タカさん、しっかりして下さいよ」

タカさん 「あ~、う~う~」(笑)

ルガー (懐かしそうに)俺も昔、熱血刑事だったなあ……。

GM/岸川 「あ、僕、タカさんの家がどこにあるか知らないんだった。どうしよう」(笑)

GM というわけで、タカさんを(警察の)岸川君の独身寮に連れて行くことになった。

タカさん 「ここは俺の家だ~」(笑)

GM さて、君は岸川君の部屋のソファーか何かの上で寝かされてるわけだ。

ルガー ああ、岸川君に殺されるのか(笑)。

GM 朝になって、タカさんが目を覚ますってところからいくね。タカさんが目を覚ますと、包丁を持った岸川君が目の前に!? (某刑事ドラマのノリで)チャラッチャラッチャラッチャラッチャッチャッ……。

タカさん もうだまされないぞ(笑)。

GM やはりダメだね(笑)。みなさんご想像の通り、「朝御飯できますからね」って岸川君がいうんだよね。

タカさん よくあるパターンだな(笑)。

GM/岸川 「タカさん、昨日はべろんべろんに酔っちゃってすごかったですよ」

タカさん 「記憶にないなあ。記憶にございません」(笑)

ルガー (笑)

GM 岸川君が味噌汁を作っているシーン。

タカさん これ、オープニングに使えそうだな(笑)。

GM いや、オープニングの方は、読者からリクエストがあったから、そっちの方を使う。

タカさん・ルガー (驚いた様子で)リクエストなんかあったのか。

タカさん 「いい奥さんになれるぞ、岸川」(笑)

ルガー (笑)

GM/岸川 「おいしいかどうか分からないけど、まあ食べてみて下さい」

タカさん うまいことを期待して……。

ルガー 『こんなまずい飯が食えるか~』と。

タカさん ちゃぶ台をひっくり返しちゃう(笑)。

GM ちゃぶ台なんてないよ。近代的なテーブルだよ。

タカさん (朝御飯を食べながら)「あ~、昨日の払いは一体誰が?」

GM/岸川 「あ、タカさんの財布から……」(笑)

ルガー うまいなあ、みんな(笑)。

GM/岸川 「それはそうでしょう。代金を全員に出させておいて、そのまま逃げるなんて許されないことですよ」

タカさん がっくりとうなだれる(笑)。

GM/岸川 「どうしたんですか、タカさん? まだ気分が悪いんですか?」

タカさん 「一層悪くなった(笑)。二日酔いだ」

GM/岸川 「ちょっと待って下さい。署に電話しますから」

GM (呼び出し音)トゥルルルルル、トゥルルルルル……。

タカさん 「今日は休もう」(笑)

ルガー カチャ。「はい、新宿第二中央署捜査課ですが」

GM/岸川 「あ、僕です。岸川です」

ルガー 「何だ岸川? こんな朝っぱらから」

GM/岸川 「実は、タカさんがいるんですよ、僕の家に……」(笑)

ルガー 「何でタカさんがそんな所にいるんだよ~」

GM/岸川 「料亭で酒を飲むだけ飲んでひっくり返って……」(笑)

ルガー タカさんらしいな~、と思いながら。

GM/岸川 「ちょっと引き取りに来てもらえませんか?」(笑)

ルガー 「え~。タカさん、そのまま連れて来いよ。どうせ、タカさん、いつも遅刻するんだから」

タカさん (小声で)「人を物みたいに言ってるよ……」

GM/岸川 「じゃあ分かりました」 (電話を切る音)ガチャン。

ルガー (受話器を置く音)カチャ。

タカさん 「あ~、今日は休みたい」

GM/岸川 「さあ、タカさん、行きましょう」

タカさん 「今日は休みたい」

GM/岸川 「もう出ないと遅れちゃいますよ」

タカさん 「お前の家で休ませてくれ」(笑)

GM/岸川 「ダメですよ、タカさん」

タカさん 「ここは(自分の住んでいる)ボロアパートより快適でいいや(笑)。エアコンもあるし」

GM/岸川 「ダメですよ、タカさん」

タカさん 寝る。さあゆっくり布団をまた敷き直して(笑)、「おやすみ岸川」(笑)

GM (電話のなる音)トゥルルルルル、トゥルルルルル……。

GM/岸川 「はい、岸川ですが。は、はい。はい、はい、はい。タカさんですか? タカさん、お電話です」

タカさん いびきをかいて寝てる。

GM 叩き起こす。

タカさん 「ガオーガオー」(笑) まだ寝てる。

ルガー (笑)

GM 叩き起こす。

GM/岸川 「タカさん! 電話ですよ、電話」

タカさん 「電話? 居留守使ってくれ」

GM/岸川 「もうバレちゃってますよ」(笑)

タカさん 「一体、誰から?」

GM/岸川 「出れば分かりますよ。あなたのよく知っている人です」

ルガー (笑)

タカさん 「知ってる人?」

ルガー Gさんか、Kさんか、Bさんか……。

タカさん 「霞さんか」(笑)

GM 出る?

ルガー Bさんだと思うなあ、俺……。

タカさん 出る。

GM 「馬鹿野郎、タカ!! 早く起きてこっちに来い!」(笑)

ルガー やっぱりBさんだ。

GM ボスでした(笑)。

一同 (笑)

GM/ボス 「どうせお前のことだから、こんなことになるだろうとは思っていたんだ」

タカさん 「何でボス、そんなことを知ってるの~?」

GM/ボス 「ルガーに聞いた」

ルガー (笑)

タカさん 「何だ……。告げ口男め」(笑)

一同 (笑)

GM/ボス 「とにかく早く来い」

タカさん 「一日くらいいいじゃないですか」

GM ボスの血管がブチブチいう音が聞こえてくるんだな(笑)。

タカさん 「やれやれ。分かりました」

GM というわけで、岸川君と一緒に署に到着。

タカさん 「やってらんねえぜ」

ルガー タカさん、「やってらんねえぜ」っていうの多いですね(第二話『誤認逮捕! 凶弾の前に立つ男』参照)。

タカさん よく使うようになってしまった。

タカさん・ルガー (笑)

GM ケイさんが歩いて来るね。毎度おなじみ日経を読んでるけど。

GM/ケイさん 「おう、タカと岸川じゃないか」

タカさん (沈黙)

GM ケイさんは歩き去って行った(笑)。

ルガー あ~、これでケイさんに「何でアイツは挨拶しない嫌な奴なんだ」とか思われてるんだな(笑)。

GM 今度は水沢さんがやって来る。

GM/水沢さん 「あ~、おはよう」

タカさん 「うい~す。昨日はどうでしたか?」

GM/水沢さん 「昨日はタカさん、凄かったなあ」

タカさん 「紳士的に酔ったはずなのに……」(笑)

GM/水沢さん 「あれは酔っぱらったただの中年だよ」(笑)

タカさん 「弓長さんの(自分に対する)印象が悪くなったかもしれない」

GM 弓長さんはもう「やってられない」っていうような顔をしていたそうだ(笑)。自分から誘っておきながら何してるんだってね。そんなこんなで捜査課に到着。時計を見るとちょうど9時。

タカさん 「間に合った」

GM 「おお、タカ、岸川、水沢来たな」 ボスが書類の束を持って振り向く。それが何か堂に入っててシブい。

ルガー 何かボス、出勤するの早いな。時間より早く来て仕事してる。

タカさん 「家庭を大事にしなきゃダメだよ、ボス」

GM いや、家庭も大事にしているよ。だって、誰かさんと違って仕事帰りに飲みに行かないしね(笑)。

GM/ボス 「みんな聞いてくれ」と、朝礼が始まるよ。

タカさん 「聞いてやる」(笑)

ルガー (笑)

GM/ボス 「タカ!」

タカさん 言わないって、そんなことは(笑)。

GM じゃあ、言うな(笑)。

タカさん (それでも)「聞いてあげますよ」

GM/ボス 「聞いてあげますよじゃない。何か偉そうな態度だ……ボーナス査定マイナス」

ルガー (笑)

タカさん 「は? それはないでしょ」(笑)

GM/ボス 「あるよ」

タカさん 「やってらんねえぜ」

GM 「やってらんねえぜっていうのはこっちの台詞だ」とボスが言ったりしたりして。

 と、そこで電話が鳴り出す。トゥルルルルルルル……。

GM/ボス 「はい、捜査課。はい、はい、はい、分かった」

GM ボスは電話を置くと、みんなの方を向き直る。「みんな、事件だ。歌舞伎町で傷害事件らしい。すぐに向かってくれ」

GM 現場に到着すると、近くの派出所の警官がすでに到着しているね。その警官の話によると、被害者は山田治朗さん、47歳。商事会社の部長だそうだ。で、山田さんは書類の入ったバッグを奪われたうえ、腹部を刺されて病院に運ばれている。本人と目撃者の話によると、犯人は身長175センチくらい、黄色のトレーナーにGパンをはいている。年齢は17、8歳の少年のようだったということだね。

タカさん やれやれ、少年犯罪か。

ルガー 最近、こういうの多いですよね。まあ、聞き込みをしましょう。

GM じゃあ、どの辺を重点的に聞き込む?

タカさん 盛り場に決まっているじゃないか(笑)。

ルガー 非行といえば、やはり盛り場じゃないでしょうか。

タカさん 盛り場を回る。趣味と実益を兼ねて(笑)。でも昼間じゃ(お目当ての店は)やってないよね。

GM 昼間の盛り場ほど寂しい所はない。店閉まっちゃってるし。

ルガー ゲームセンターなんかが多そうな所を探してそこへ行きます。

GM すると朝っぱらなのに高校生が入り浸ってたりするところに遭遇するんだよね。もう頭が真っ茶茶~とか(笑)、変なのになると耳にピアスをしていたり、鼻にしていたりもするんだよ。

タカさん 「牛だ、牛」(笑)

ルガー 多分それを見ると、熱血の岸川君が飛んで行くんだろうなあ……。(感慨深げに)岸川が飛んでっちゃうんだろうなあ。

タカさん 『さあ、あの夕陽に向かって走れ』とか言って。夕陽が見えなかった(笑)。

ルガー 朝日でした。

GM そう言えば、以前はルガーが熱血刑事だったって……。

ルガー ええ、そうですね。

タカさん お株を奪わたな(笑)。

ルガー タカさんのせいで冷めちゃったんですよ。

GM なるほど。タカさんに感化されてしまったのか。何せ第三話では「うい~す」だもんね(笑)。

タカさん・ルガー (笑)

タカさん だんだん横柄になっていくな。

GM 『ヤバイ警察だ事件』ってのもあったしね。(ルガーが)ボスに麻薬を売りつけようとするしさ(笑)。

タカさん 悪ノリするんだもん(笑)。

ルガー (笑)

GM タカさんに多分に影響を受けているんだよ。ホントにね。

タカさん (自分がルガーに)貢献してるな。

GM 違うよ。『不穏分子』タカさん(笑)。

タカさん 不穏分子(笑)。酷い言い方だ。

GM ゲームセンターには高校生が7人ぐらいいるね。奥のほうでかたまってゲームをしている。

タカさん 「一緒にゲームやる? おりゃ対戦だ!」(笑)

ルガー ゴリさんに殴られますよ。

GM あ、そうだ。『ゴリタカ』だ。だけどゴリさんは車の中で待ってたりする(笑)。

ルガー (笑)

タカさん (ゴリさんに)「待ってて下さい。任せて下さい」(笑) だけどゲームをやってる(笑)。

ルガー そこにルガーと岸川が登場。

GM そう、登場する。(入口の)自動ドアがビーッと開いて中に入ると、高校生とか7人ぐらい奥にいてゲームをやってる。目の前では見覚えのある顔が何かやってるね。

ルガー 「はあ~」(思い切りため息)

タカさん 「おりゃ昇龍拳だ!」 ちょっと古い格闘ゲームだな(笑)。

ルガー ポンポンとタカさんらしき人の肩を叩く。

タカさん 「邪魔するんじゃねえ!」(笑) 振りほどく。

GM そしたらね、タカさんは敵の「スピニングバット」でやられちゃうんだ。何とこれは「スポ根ファイターⅡ」というすごいゲーム(笑)。

ルガー (爆笑) で、タカさんのキャラクターがボクシングマンだったんですよ。アッパーとか、昇龍アッパーみたいな感じで。

GM やられちゃったよ、スピニングバットで(笑)。

タカさん 「百円弁償しろ!」(笑)

GM 振り向くと、見覚えのある顔が。

タカさん 「あ……、ルガー」(笑)

GM 隣には岸川君。

ルガー 「タカさん、何をしているんですか?」

タカさん 「見ての通りゲームだ」(笑)

ルガー (しばし沈黙して)「はあ~」

タカさん 静まり返っちゃった(笑)。

ルガー (笑) 「タカさん、そんなにまでして給料減らして楽しいですか?」

GM ルガーか岸川君がボスに密告したら、ボーナス査定が最低になる可能性も。

タカさん (笑)

ルガー 多分私がしないでも岸川君が何かするでしょ。

GM そう。熱血刑事だもんね(笑)。

タカさん 振り返って、「おまえらさっさと学校へ行け」と言って(高校生を)追い出す(笑)。

一同 (笑)

GM 何か急に真面目になった。

タカさん 「さあ行った行った。こんなところでゲームなんかやってるんじゃない」

GM サングラスをかけていて、怖いからなあ、高校生たちは「ちっ、仕方ねえなあ」とか、そんなような顔して出て行く。

ルガー 「あ、引き下がりがいい。この不良」

タカさん 「さあ、今日の仕事も終わったぞ」(笑)

ルガー (笑) 「聞き込みは終わってるんですか?」

タカさん 「あ、そういえば忘れてた」(笑)

一同 (笑)

タカさん じゃあ、店長らしき人を探して、「これこれこういう怪しい男を見なかったかい?」と聞いてみるけど。

GM/店長 「いいえ、うちの店には現れてないですね」

タカさん ダメか~。じゃあ、「もし、店に現れたら警察に連絡してくれ」と言い残して、スタスタとパトカーへと戻る。

GM どこを回りますか、今度は。

タカさん 喫茶店あたりが怪しそうだ。

GM 喫茶店へ行くと、女子高生が数名くつろいでいるね。我々には理解できない言葉を連発しながら。

タカさん 「隣、いいかな?」(笑)

GM・ルガー (笑)

GM 何だよ。ナンパ刑事ですか~(笑)。

ルガー は~い。署に電話かけます、携帯で。(呼び出し音)トゥルル……。

GM/ボス 「何だ? ルガーか?」

ルガー 「不良警察官が仕事をサボっています」(笑)

GM/ボス 「これはいかんな。一体どこのドイツだ?」(笑)

タカさん 「学校行かなくちゃダメじゃないか!」(笑)

GM 睨みつけるような視線を浴びせながら、彼女たちは出て行った。

タカさん 休憩しよう。ゴリさんを呼んでコーヒーを注文。

ルガー そしたら不当なところに車が止めてあるということで、駐車違反でレッカー移動(笑)。

タカさん (笑) パトカーだよ。

GM 覆面とはいえ、パトカーだからね。

タカさん パトカーって駐車違反で持って行かれちゃうのかね。

GM 警察官には(パトカーって)分かるような見分け方があるんじゃないのかな?

タカさん 確かナンバーが違うんだったかな。だけど普通のナンバーのものもあるみたいだけど。

GM ルガーと岸川君はどこ行く?

ルガー まだ中心部、ゲーム街とかそこら辺で聞き込みをしつつ。

GM ついでに高校生も色々と指導して。

タカさん 教育的指導(笑)。

ルガー 懐から黄色いのを出したりとか……。

タカさん イエローカードか。

ルガー 岸川が熱血し過ぎるのを抑えつつ……。

GM もう(彼らに)掴みかかっていきそうだよ。熱血刑事だからね。

ルガー 岸川が熱血し過ぎるのを抑えつつ、聞き込みを続けましょう。

GM 二時間ぐらい聞き込みして回ったかな。成果はあまりあがらず、君たちは盛り場の外れにある公園に到達するわけだ。

ルガー そこら辺で、まあお昼ですし、途中で買ったパンとかを食べて一息つきましょう。

GM 公園には誰かいるね。高校生かな。まだ学校が終わるには大分早い時間。彼はウロウロと公園内をうろついている。ベンチに座っては立ち上がったりとか。

ルガー 挙動不審ですか?

GM う~ん、ちょっと挙動不審だね。

ルガー じゃあ、声をかけてみますね。「君、何をやってるんだね。こんな所で」

GM 岸川君も近づいて、彼の顔を覗き込むんだけど、岸川君が彼の顔を見るとね、はっとしたような表情を浮かべるよ。

GM/岸川 「お前は川上、川上弘樹じゃないか!」

タカさん ん?

GM 岸川君の知り合いみたいだね。

タカさん 後輩か?

GM いいや、従兄弟。

GM/弘樹 「あ、優二兄さん」

GM 彼はこの世に絶望したような表情だったんだけどね、今のでちょっと明るくなったね。

GM/弘樹 「優二兄さん、久しぶり」

タカさん 頭は何ともなってないのか。

GM 頭? 髪の毛のこと?

タカさん 金色?

GM 髪の毛の色は茶色。

GM/岸川 「あれお前、髪の毛茶色に染めたのか?」

GM/弘樹 「ああ、そう……そうなんです。そうなんす……そうです」

GM 彼はよく分からない返事をよこす。何か生返事が多いね。

GM/岸川 「学校はどうしたんだ?」

GM/弘樹 「学校……行きたくないんです」

タカさん 登校拒否? いや、これは不登校か。

GM/岸川 「登校拒否か?」

GM/弘樹 「いえ、僕は違うんです。違うんです、違うんです違うんです」

GM 何か違うんですという感じじゃなさそうなんだけど、彼は「違うんです」って言っている。ルガー、口挟む?

ルガー いえ。(二人は)知り合い同士みたいなんで、岸川に任せるのが一番良さそうなので見ています。

GM 「ちゃんと学校行けよ」などと岸川君は言い、彼は「はい」と返事する。生返事だけどね。

GM/岸川 「さあ行きましょう。ルガーさん」

ルガー じゃあ、再び聞き込みを続けましょう。

GM 分かった。

GM タカさんは、喫茶店で休憩して、その後公園でゆっくり休むとか言ってなかったっけ?

タカさん (笑) そんなこと言ってない(笑)。けど、公園行ってもいいよ。

GM タカさんが公園のベンチでゆっくり休んでいると……。ちょっと【推理】でサイコロを振ってくれる? 難易度は通常で。

タカさん (サイコロを振って)9。ちょうど成功。

GM タカさんは、背後でガサッという音が聞こえたような気がするね。ちなみに背後には茂みがあって、視界が遮られているカタチになっている。

タカさん 振り向いて拳銃を構える。

GM (仕切りなおして)拳銃を構えて近づいて行く?

タカさん いきなり死体が出てきたら怖いよ。

GM 茂みをガサガサッと突き進んで行くと、男子高校生が首を吊ろうとしている場面に遭遇するよ。

タカさん 「やめろ、やめるんだ!」と、首を吊ろうとした、まさにその瞬間に銃弾がロープを切る。

ルガー え? いいんですか? いきなり発砲しちゃって(笑)。

タカさん 拳銃の能力値が3だからな。

GM・ルガー そういう問題じゃないと思う(笑)。

GM どうするの? 今にも吊りそうな場面。

タカさん 距離はどのくらい離れてる?

GM そんなに離れていない。急げば間に合う。

タカさん ゴリさんと協力して……。

GM ゴリさんは車の中じゃないの?(笑)

タカさん じゃあ一人で行くしかないか。近寄って行って力技で何とかする。

GM 【体力】かな。難易度は困難。

タカさん (サイコロを振って)はい、ダメ~(笑)。

GM 失敗? 彼の首にぐぐっとロープが食い込んだ(笑)。ん~、もう一回チャレンジできるよ。またまた困難。

タカさん (サイコロを振って)チャンネルチェ~ック失敗(笑)。

GM ぐっぐっぐっぐっぐっ(笑)。とはいえ、ロープが大分古かったのか、ブツッと切れる。彼は地面にバタッと倒れこんだ。

タカさん 助け起こす。

GM 彼は目を覚ます。「な、何で死なせてくれなかったんですか!」

タカさん 「馬鹿野郎!」 (彼を叩く音)ピシッ!

GM (彼が吹っ飛ぶ音)バアーン!(笑)

タカさん そんなに吹っ飛ぶのか(笑)。

ルガー 今の一撃で彼は死んでしまった(笑)。

GM 死んでない。死んでない(笑)。(仕切りなおして)ぶん殴って、バアーン!

タカさん 「し、死ぬんじゃない!」

GM 彼は起き上がると、「僕のことなんか放っておいてくれよ!」と言って逃げちゃう。

タカさん 追いかける。

GM ダカダカダカダカ(逃げる擬音)。

タカさん 追いかける。

GM ダカダカダカダカ。

タカさん 追いかける。

GM ダカダカダカダカ(笑)。

タカさん 追いかける(笑)。

GM どこまでも追いかけるんだね(笑)。【体力】の競争判定。

タカさん (サイコロを振って)12。

GM 大失敗じゃないの? (サイコロを振って)こっちは成功。逃げられた。

タカさん 転んだなこれは。「待て~! 待たないと撃つぞ~!」(笑)

GM だって、タカさん大失敗でしょ? どうせタカさんのことだから、転んで地面に鼻を打ちつけて、また鼻血がビューッ(笑)。

一同 (笑)

GM 鼻血を止めるのに手いっぱいで、彼を完全に見失っちゃった。

タカさん よく鼻血が出るな(笑)。

ルガー (笑) タカさん、鼻の栓を閉めた方がいい(笑)。

GM さあ、鼻にちり紙を突っ込みながらパトカーへと戻るタカさん。

タカさん 血まみれになって帰って来たのか(笑)。

GM するとゴリさんがびっくりする。「おいどうした? 流血戦でもやったのか?」

タカさん 「実は犯人と格闘して……」(笑)

ルガー (笑) 嘘を言うんじゃないの(笑)。

GM/ゴリさん 「それなら、ボスに連絡しなくては!」

タカさん 「それは……ウソです(笑)。実はかくかくしかじか」

GM/ゴリさん 「何? 自殺未遂だと? 助けたはいいが、逃げられた?」

タカさん 「そして転んで、鼻を打ちつけて、鼻血がビュー」(笑)

GM/ゴリさん 「おまえはドジなヤツだな」(笑)

タカさん 「言われなくたって分かってる」(笑)

GM さて、覆面パトカーで聞き込みを再開。ブロロロロロと。キキーッ、バタン!(笑)

ルガー (笑)

GM なぜか急ブレーキ。毎度お馴染みになりました(笑)。

タカさん (笑)

 さて、聞き込みを再開したタカさん、ルガー。しかし、成果はあまり上がらず。病院に入院している山田治朗さんの証言を元にモンタージュが完成したため、それを持って聞き込みしたところ、容疑者を突き止めることに成功した。容疑者の名前は、田所真治、無職の19歳。事情聴取によると、彼は、遊ぶ金欲しさで犯行に及んだという……。

GM/ボス 「みんな、ご苦労さん。それにしても、今回の事件を初めとして少年による非行、犯罪が多くなっているな」

ルガー 「そうですね。今回の聞き込みでも、学校へ行かずにゲーセンで遊んでいる学生をたくさん見ました」

タカさん 「確かに。聞き込みのついでにゲーセンで不良少年たちを解散させ、喫茶店の不良少女たちを解散させ、自殺少年を引き止め……」

GM/ボス 「その自殺未遂というのは気になるな。顔を見たのか?」

タカさん 「見ましたよ」

GM/ボス 「最近は、いじめが原因で自殺する少年少女が多いからな。」

ルガー 大何とか君(大河内清輝君のこと)とか。

GM/ボス 「いじめなどというものはあってはならないことだ」

タカさん 「モンタージュをとりましょう」

GM/ボス 「最近はいじめに対して敏感だからな、そういう必要もあるのかもしれないな。……少年課に回そう」

GM と、先程書類を取りに受付まで行っていたユキちゃんが戻って来るね。後ろには見たことのない御婦人が立っている。

GM/ユキちゃん 「こちらの方が捜査課に用があるみたいなので、お連れしました」

GM/婦人 「あの……息子を捜してほしいんです。事件に巻き込まれているかもしれないんです!」

タカさん・ルガー 「?」


[前編に続く]