決意−あなたとともに−

−Chapter 3−

 (1)

 長官との打ち合せを終えた進は、まっすぐにヤマトのある海底ドックにやってきた。ヤマトの周辺には、大勢の工作員が張りついている。真田の言っていた、新しい装甲のコーティング作業が行われているのだ。進はそれを目にしながら、ヤマトの中に入った。
 ほんの半月ほどしか経っていないのに、もう既にヤマトが懐かしかった。ヤマトの艦内に入ると、なぜか心が熱くなる。ヤマトには大勢の仲間達の魂が宿っているのかもしれない。
 進は、途中で作業する乗組員や工作員に声をかけながら、まっすぐに第一艦橋へ昇って行った。

 第一艦橋の扉が開いて進が一歩中に入ると、そこにいた3人が一斉に振り返った。真田、島の両副長と、放射能研究所副所長の上条諒だった。

 「やあ、艦長。やっと来たか。遅いぞ」

 真田が笑いながら声をかける。

 「すまない。さっきまで別の艦の発進準備をしていたもので。今、発進するって時に長官に呼び戻されたんだ。今回の航海のスケジュールを打ち合せてきたところなんだ。島、これで航海に無理がないか確認してくれないか。出航は、21時の予定だ」

 進は、島に長官と打ち合せした資料を差し出した。

 「了解! じゃ、ちょっと第二艦橋に行って皆と検討してくる。後で連絡をいれる」

 「ああ、よろしく頼む」

 島は、手にした資料を掲げて軽く会釈すると第一艦橋を出て行った。

 (2)

 その後姿を見送る進に、諒が声をかけた。

 「お久しぶりですね、古代艦長」

 「こちらこそ、ご無沙汰しています、上条副所長」

 進は振り返って諒を見ると、口元だけを少し緩め笑みを浮かべ、軽く会釈した。

 2年前、進と雪は、諒が主催するプロジェクトで仕事をした。その時、諒は雪に恋をした。元々諒と雪は子供の頃隣同士の幼なじみだった。さらに、再会を喜ぶ姿を進が誤解して嫉妬した事から、話がややこしくなった。
 結局、進と雪の深い絆を知った諒が身を引く形で事態は収拾した。その功罪?で、進と雪は初めて結ばれることになったのだから、ある意味、彼は二人の間を取り持ったのかもしれない。
 (作者注※詳しくは拙作『絆−君の瞳に映る人は−』を参照ください)

 その後は、プロジェクトは完全に進の手から離れ、諒ともほとんど会う機会はなく、たまに姿を見る程度だった。プロジェクト終了時に、二人は和解したとはいえ、なんとなく気まずい思いが残っていたのかもしれない。雪も進に気を使って、諒のことをほとんど口にする事はなかった。
 あれから、2年の月日が経ち、進と雪は度重なる戦いの中でさらに二人の絆を深め、諒は、さらに研究の成果をあげ、間もなく研究所長だという呼び声も高かった。

 今日は、緊急発進するヤマトのために、対放射能装備の確認で来ているのだろう。二人の挨拶が終わったのを見て、真田が口を開いた。

 「さっそくだが、艦長。ヤマトに乗艦してここに来るまでの間に見てくれたと思うが、装甲のコーティングの方は、今作業中であと数時間で終わる予定だ。行き先が放射能が充満しているかもしれないので、研究所の最新の設備を駆使して作業してもらっている。
 以前我々も参加して行ったプロジェクトの時より、さらに強化された装甲ができているんだ」

 「ええ、ここに来る途中に見てきました。すごいですね、さすが上条さんだ」

 諒の実力は、進もあのプロジェクトの時によくわかっていた。諒は真田も認める地球防衛軍の誇る科学者の一人なのだ。

 「ははは、お褒めの言葉は、この航海が終わってヤマトが無事に帰ってきてから聞かせていただきますよ。それで、ひとつ古代艦長に提案なんですが……」

 「なんでしょう?」

 「実は、まだ実験段階で実用化されてない装置があるのですが…… 簡単に言うと、コスモクリーナーDの小型軽量版で且つ、強化版の装置を開発中なんです。これがそうなんですが……」

 諒が、手に持っている装置を進に見せた。それは、10cm四方程度の小さな部品のように見えた。

 「これは、万が一放射能がその室に漏れ出した場合、すぐにそれを感知して自動的に作動する仕組みになっています。従来からも同様の装置はありましたが、その作動時間や除去のスピードは今までの3倍は見込めるはずです」

 ヤマトの各部署にも、軽量型のコスモクリーナーDは装備されている。しかし、その装置より遥かに小さく且つ高性能の装置らしい。進は純粋に感心した。

 「すごいですね」

 「ええ、ですが如何せん、まだこの装置1台しかなくて…… もちろんまだ実装備したことがないので、どれだけ有効に働くかは不明です。が、できればこれを第一艦橋に設置させてもらえませんか?」

 「それはもちろんお願いします。万が一の時のために、備えはいくらあってもありすぎることはありませんから…… 真田さん、装備するのには問題ないのでしょう?」

 「ああ、大丈夫だ。ただ、本当に作動するかどうかは知らんがなぁ、あははは」

 真田と諒は、昔大学の研究室で共に研究した仲間だった。先輩と後輩のような間柄で、公私の両面で信頼しあった友人でもある。だからこそ、こんな冗談も出るのだ。

 「ひどいなぁ、真田さん。僕の努力の結晶を……」

 「ははは…… じゃ、ひとつよろしくお願いします」

 2年前のわだかまりを忘れたかのように、笑顔を浮かべる進だった。

 (3)

 諒が、第一艦橋で作業していた同行の所員と、その装置の設置を始めると、工作室から連絡が入った。

 『真田副長いらっしゃいますか?』

 「どうした?」

 『ちょっと見ていただきたいものが……居住区ブロックの設備のことで』

 「わかった、すぐ行く。艦長、ちょっと行って来ます。ここは、その装置を装着すれば完了ですから」

 「わかりました。真田さん、頼みます」

 「上条君も後は我々でできるから…… 忙しいのに悪かったな。帰ったらまた一杯行こう! 世話になった礼に奢るぞ」

 装着場所に屈み込んでいる諒に真田が大声で声をかけると、諒も首だけ振り返って答えた。

 「はい、楽しみにしています。真田さん」

 真田があわただしく出て行った後、進は戦闘指揮席に座って、各スイッチの動作確認を行った。ほんの数週間前まで動かしていた装置類だ。特に支障なくチェックが終わった。
 そして、それが終わるのを待っていたかのように、諒の方の作業も終えたらしく、彼が立ち上がった。

 「古代艦長、設置完了しました。これでOKですね」

 「ありがとうございました」

 進が礼を言うと、諒はにこりと笑った。

 「では、お気をつけて行って来て下さい。私はこれで失礼します」

 諒がそう告げ、出て行こうとした。進は歩き始めた諒の後姿をじっと見ていたが、第一艦橋を出ようとする諒を「上条さん……」と呼び止めた。

 「何か?」 諒が立ち止まって振り返った。

 「雪がもうすぐ来ますよ」

 (4)

 「えっ?」

 驚いた顔をして、諒が進の顔をじっと見返した。

 「彼女もヤマトに乗艦予定です。今、艦医の佐渡先生を迎えに行ってますので、まもなく来ると思います」

 進の話を聞いて、諒は少し驚いたように目を見張った。

 「…………」

 進が2,3歩歩いて、諒の目の前まで来た。そして、周りに聞こえない程度の声で諒に言った。

 「あなたに会えれば彼女も喜びます」

 諒はまだ驚いたような顔をして進を見ていたが、ふっと表情を緩めて視線を落とした。
古代艦長と上条副所長byめいしゃんさん
(by めいしゃんさん)
 「……いえ、まだ仕事がありますので、僕は」

 「……まだ、気にしてられるんですか? あの時の事」

 「あなた方を惑わせてしまいましたからね」

 諒が自嘲気味に笑う。が、進はその笑顔に反してまじめな顔で言った。

 「あれは僕の責任です。僕が優柔不断だった為に…… 雪は、今でもあなたのことを大切な幼なじみのお兄さんだって思っていると……思います」

 「…………」

 「彼女が小さい頃の話をしようとすると、どうしてもあなたのことが出てくるんでしょう。話が途中で途切れてしまうんです。僕の気持ちを思ってなんでしょうが、せっかくの彼女の思い出を……口にできなくさせてしまったようで……」

 「それは……」 諒が伏目がちになる。

 「もし、上条さんが構わないと言うのなら、昔のように彼女のお兄ちゃんでいてやってもらえませんか? もっと自然に雪が小さい頃の話ができるように……」

 「古代艦長」

 「私は……もう、気にしないつもりです。上条さんのことは、立派な方だと思っていますし、科学者として尊敬もしています」

 進の瞳に嘘はなかった。諒もそのまっすぐな視線をしっかりと受け止めた。

 (5)

 その時、再び第一艦橋に通信が入った。

 「艦長、今ドックに藤堂長官と森さん、佐渡先生が着かれたとのことです。長官がなにかお話があるそうですが……」

 機器の前で通信のチェックをしていた要員が、進に伝えた。

 「わかった。今迎えに行く。上条さんもどうぞご一緒に」

 進の呼びかけに、諒はもう遠慮する事はせず頷いた。二人は階下に降りるエレベータに乗った。その中で諒が口を開いた。

 「雪さんへの気持ちは僕なりに整理しました。今は、昔からの古い友人として彼女の幸せを祈っています。邪心は……もう持っていないつもりです」

 「邪心だなんて……」

 進が困ったような顔をするのを見て、諒が微かに笑った。

 「2年前とは随分変わりましたね、古代艦長。あなたを見ているだけで、二人の間にどれほど強い絆が培われてきたのかが見えるようだ」

 「いえ、そんな……」

 「結婚……しないのですか?」

 「しようと思っています。この航海から帰ったら、話を進めようかと……」

 諒のこの質問には、進はきっぱりと答えた。その答える口調、態度が二人の仲がどんなものなのかを顕著に現していた。

 「そうですか、よかった。今のあなたの後ろには雪さんがいつもそこにいるような気がしますよ」

 「……雪は…… あれからもずっと僕のそばにいてくれました。いえ、それは物理的には離れていても……心はいつも一緒にあったと」

 「あははは…… 惚気(のろけ)を聞かされているようですね」

 諒が声をあげて笑った。進は自分の言った言葉にはっとして照れたような笑いを見せた。

 「あっ……すみません」

 「いや、いいんですよ。僕は雪さんの兄貴分として、二人の結婚を心から祝福させてもらいます。これからも、よろしく頼みます」

 「ありがとうございます。上条さん」

 (6)

 エレベータが乗艦口のある階に到着した。その時、諒の携帯に通信が入った。

 『上条、まだヤマトにいるのか?』 真田の声だ。

 「はい、いますが……もう帰るところですが、何か?」

 『あ、すまんが、ちょっとこっちに来てくれないか? 居住区の方で、ちょっとした問題があるんだ。係りの者が君に確認してもらえばすぐわかると言うんだが』

 真田がもう一度諒の助けが必要なようだった。諒はさっそく了承した。

 「わかりました、すぐ行きます。すみません、古代艦長。居住区へは?」

 「あ、もう一度ワンフロアこのエレベータで昇ってから、艦首方向へ進んでいただければすぐです」

 「わかりました…… あの、さっきの件、了解しました。この航海から帰られたら、お二人を食事にでもお誘いしますよ。では、また」

 一旦降りたエレベータに、諒が一人乗ってその中から進に声をかけた。そして再び諒だけを乗せたエレベータが動き出した。
 進はそれを見送ると、ふうっとひとつため息をついて、乗艦口の方へと歩き始めた。
 (7)

 乗艦口に向かって歩きながら、進はさっき自分が言った言葉を思い出していた。どうしてあんなことを、今ここで言い出してしまったんだろうか。
 さっきのため息は何だったのだろうか。安堵の息なのか? 目の前で雪と諒の再会が、とりあえずなくなった(または延びた)ことで、ほっとしている自分がいることも感じていた。

 (困るくらいなら、何も言わなきゃいいのにな……)

 (あるわけないさ、不安なんて…… 俺はもう絶対に雪を離しはしない)

 二人の進がいた。諒への言葉に嘘はなかった。彼の事も尊敬もできるし、これからはわだかまりなく付き合いたいと思う。
 しかし、自信満々に言葉を吐いたものの、心中に何がしか不安とか淋しさとかいった感情が去就しているのも事実だった。
 ただ、雪への気持ちに背を向ける事だけはもう二度とあるまいと、その時の進は思っていた。

 (8)

 進が乗艦口に着くと、藤堂達は入り口で待っていた。進は3人に近づき、笑顔で話し掛けた。

 「すみません、お待たせしました」

 「こちらこそすまない、忙しい時に。発進準備の方は順調かね?」

 進の姿を見つけて藤堂が尋ねた。

 「はい、予定通り発進できると思います……」

 とそこまで言って、ふと進は雪の姿を見ていぶかしがった。

 「ん? 雪、どうした?その格好。早く艦内服に着替えて、生活班のほう確認頼むよ」

 雪はまだ防衛軍指令本部の制服を着たままだった。

 「……あっ、あの……」

 雪は進の指示に即答できず、困った顔で藤堂をすがるように見た。

 「どうした? 雪」 再び進が尋ねる。

 「あの、その事なんだかな。実は……」

 雪が答えかねているのを見て、藤堂が助け舟を出した。

 「は?」

 「雪と佐渡先生なんだが、今回は地球に残ってもらおうと思う」

 (9)

 「えっ!? それはどう言う事ですか? 何か二人に問題でも?」

 進の声のトーンが高くなった。雪がヤマトに乗らない――この事実は、進にとっては青天の霹靂であった。雪は、今まで乗せないつもりだったのに無理やり乗ってきたり、下艦命令を断固として拒否した事はあっても、逆は全くなかった。それだからこそ、雪が乗艦しないというのは、今の進の中の選択肢には存在していなかった。
 もちろん進は、艦長としても雪のクルーとしての能力をかっていた。だから、雪が今回ヤマトに乗ることは当然の事にしていたし、特に乗艦命令しなくても彼女は乗ってくるものと思い込んでいた。

 さらに、佐渡も乗らないと言う。一体どんな問題があったの言うのか? 進は険しい顔で、藤堂と雪の顔を見た。

 「いや、そんなむずかしい問題ではないのだ。実は私のほうの仕事で雪に頼みたい事があってな。新しいプロジェクトを発起しようとしてるんだが、雪に中心になってやってもらいたいと思っているのだ。
 雪はだだの秘書としてだけではもったいない才能の持ち主だということは、君も解るだろう? それを活かしてもらういいチャンスなのだ。その最初の会議が、急遽明後日行われることになったのだ。
 それから、佐渡先生のほうは、今どうしても離れられない患者がいるらしい。もちろん、代わりの艦医は手配してあるから心配はせんでくれ」

 長官のフォローを受けて、雪も進に自分の意思であることを告げた。

 「あ、あの……私もお話を聞いて、とても興味深いと思った仕事なの。それで、できたら地球に残りたいと思って……」

 「本当にそれだけなのか?」

 進が雪の方をぎろっと睨んだ。雪は一瞬その視線に怯みそうになったが、ここで引いたら進に何かを感じられると思って、ぐっと我慢して彼の顔を見返した。

 「……ええ!」

 さらに、長官がもっともらしく言葉を添える。

 「いや、あのもし古代がどうしてもヤマトに雪が必要だと言うのなら、私も無理にとは言えないのだが……どうだろう?」

 進は二人の顔をじっと見つめた。
 今回の航海は敵と戦う為の旅立ちではない。また、先の見えない星の探索でもない。ただ、調査をするだけのそれも10日前後の航海だ。
 さっき自分が司令本部で雪に伝えたように、クルー全員が乗らなくてもそれほど支障があるとは思えなかった。雪の代わりのレーダー手は10日程度ならアナライザーでも勤まるだろう。生活班の業務も前回の星の調査のような特殊な業務はない。看護夫も、生活班には何人かいる。医者は他の人が来ると言うし、艦長としては承諾できない内容ではなかった。

 ただ、進個人の感情として、すぐに了解したくない気持ちがあっただけなのだ。なぜだか解らないが、とても不安な思いが湧き上がってくるのだった。

 (10)

 進が即答しないでいると、佐渡が大声で言った。

 「なぁんじゃ、古代。雪と10日も離れてるのが淋しいのか。しょうがないヤツじゃなぁ。なぁ、雪」

 「えっ?」

 大きな口をあけてカカカと笑いながらからかうような口調に、雪はポッと顔を赤らめ、進はどぎまぎして慌てた。

 「ち、違いますよ! そんなことは、いつものことですっ!」

 ヤマトで出発と言う事を除いたら、進が雪を置いて宇宙への出航することなど別に珍しくはなかった。現に、予定通り新造艦のテスト航海に出ていたならば、当然雪は留守番だった。

 「なら、何黙っとるんじゃ。返事をせい! 返事を!」

 佐渡にピシャッと言われて、進はしぶしぶ了解した。

 「わかりました。雪と佐渡先生の両名が今回の航海には乗艦しない旨了承しました。これでいいんでしょう、佐渡先生!」

 ヤケくそ気味にそう宣言させられた進は、佐渡の方をじっと睨んだ。佐渡は進が睨んでいるのなど全く意に介さないと言った風情でのん気に笑う。

 「わかればいいんじゃ、わかればぁ。あははは…… さあ、わしは医務室に行っとるから、代わりの医者が来たら案内してきてくれ。簡単な引継ぎをするからのぉ」

 そう言うと、佐渡はさっさと医務室に向かうべくエレベータ方向ヘ歩き出した。佐渡を見送って、進は振り返って雪を見た。何か訴えようとするようなその視線に、雪の方が先に目をそらしてしまった。

 「そ、それでは、私も居住区の方へ行って生活班の各チーフに引継ぎしてきます。終了したら連絡いたします、古代艦長」

 雪は、今はこれ以上進に質問されたくなかった。早口でそう言うと、足早にエレベータに向かって歩いて行った。進は黙ったままそれを見送った。そして、雪がエレベータに消えると、藤堂が言った。

 「では、私は司令本部に戻ることにする。古代、今回の航海はあくまでも調査の為だ。無理をせぬように。危ないと思ったら、すぐに引き返して来い。いいな」

 「はい、了解しました。ありがとうございます!」

 進が姿勢を正して敬礼をした。藤堂も返礼する。

 「うむ、頼んだぞ」

 ヤマトを降りて行く藤堂の背中を見ながら、進の心の中は、まだ釈然としていなかった。進の足は、自然に医務室へと向いていた。

Chapter3終了

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(背景:Atelier Paprika)