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* ペリオ倶楽部のペリオとは、ペリオドンティクス
( Periodontics 歯周治療学 ) の略です。
文 : 歯学博士 茂手木義男
古代の人々は自然の中に生き、それを友とした。しかしまたそれに畏敬の念を抱いた。自然の
摂理の中に神の存在を感じた。人々は神を恐れ敬う気持ちから、神の前では口を漱ぎ身を潔め
て額づいた。口腔清掃の始まりは素朴な原始宗教の発生と共に自然発生的に生まれました。
上から現在一般的に用いられている歯ブラシ
次は房楊枝(フサヨウジ)、
そして古代から用いられている歯木(シモク)
宗教が体系化されていく過程で、不浄を払う意味で手を洗い口を漱ぐことが儀式の一環として
の型になり、宗教上の作法として広まる中で一般的な歯磨きの習慣に進化して行きました。こ
のようにエジプト、インド、中国等、古代文明の発祥地には古くから口腔清掃の習慣を見ます。
起元前十六世紀には、例えば、歯磨き粉の出現をエジプトで見たり、また中国では金製、銀製
の楊枝についての記述が残っています。
時代は流れ、7・8世紀、中国の唐時代、僧侶である義浄が著わした「南海寄帰内法伝」の中の
「朝嚼歯木」の項は歯木ついて述べており具体的で興味深いのであげます。
毎日朝、歯木をかみくだき、歯を磨いて舌をこそいで、つとめて作法通りにしなさい。
ー中略ー歯を固くして口を香ばしくし、食物の毒を消し、血膿を取り去る。これを用
いること半月で口臭を除き、牙の痛み、歯の病気は三十日で治癒する。ー後略ー
古代文明で宗教的な儀式として発生したみそぎは時代と共に宗教から離れ、一般庶民の生活
の一部となって行き、また清掃用具も進化変遷をとげて行きました。しかし現在でも歯木を使い、
みそぎの儀式として行っている所があります。それは厳しい階級制度であるカースト制度を
持つインドで、古代の習慣が今もなお守られ堅持され、インド人の一部は現在でも歯木を用いて
います。
( 次回は日本での歯ブラシの起源を探ります )
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