わが国の特殊な行事として、古くから親しまれている大祓の神事が、毎年、各神社で行われます。
すがすがしさ、みずみずしさを希うのは吾が民族の伝統精神で、複雑多岐な現代生活では知らず知らずのうちに心身ともに過(あやまち)や穢(けがれ)に触れています。これを年に二度、六月三十日と十二月三十一日に神社の社頭で祓い清める行事が大祓です。
当社の社記によれば、戦国初期の相良氏は、南九州の戦国大名に成長したばかりではなく、連歌や和歌でもその才は全国に知られ、このため相良氏は八代城下の当神社で夏越(なごし)と年越(としこし)の大祓に木綿(ゆう)の幣を用いて人々の邪気を祓い、球磨川に流すという万葉以来の「ゆうは川」の故事を執り行い、社前の球磨川を木綿葉川(ゆうばがわ)と名づけたと考えられます。
初夏の夕、和やかに社頭に参じ、連れ立って祓をうけ、茅の輪くぐり、心身を清め、家内安全、無病息災をお祈りいたしましょう。
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