.    '05年3月16日

   .

まだまだ冬景色

 なかなか春は訪れません! 園内には雪が残り、園路は踏み固められて厚さ10cm以上の氷となっているところもあります。 早春の陽の光では、溶けるのにいましばらくかかりそう。 暖かさを増してきた陽射しと、優しくなってきた冷気のなか、ノンビリ散策されると気もゆるみますが、足元には十分ご注意ください。
 冬期閉鎖中につき、ご不便をおかけいたしており
ますが、来る4月1日 管理事務所がオープンします。 窓口対応やトイレのご利用が可能となりますので、いましばらくお待ちください。
 また、今年度は2次整備区域としての森林エリア〜市民がつくる森の公園 が供用開始となります。 楽しみながら学べる当園地の森林空間が、ぐ〜ん
と広がります。





   .

病気

 来園者の方から 「コレ、なぁ〜に?」と聞かれるのが、このふたつ。 左はヤマツツジてんぐ巣病、右はアカマツこぶ病です。 ツツジのてんぐ巣病は担子菌(平たく言えばキノコ)の一種が原因。 てんぐ巣病に罹る樹木の代表はサクラ。なかでもソメイヨシノの宿命ともいえる枯損原因となっています。 ただし、それはツツジとは違う 子のう菌の一種の タフリナ菌が原因です。 これら菌類が 植物ホルモンの異常を引き起こし、細胞が増殖・肥大した結果がコレ。
 一方、マツのこぶ病はさび菌という菌が原因。この菌はマツだけでは生きてゆけず(当園地においては)コナラを必要とします。 ある時期までマツにあったさび菌の胞子が飛散して一時期をコナラで過ごし、再
びマツに移ることにより生き続けます。 …『こぶマツ』の近くには、きっと コナラがあるはずです。





   .

アクシデント

 トラツグミの亡骸(なきがら)。いにしえには鵺(ぬえ)と呼ばれ『平家物語』に登場します。天皇の寝所に夜な夜な現れる怪物。  その姿は、頭はサル・体はタヌキ・尾はヘビ・手足はトラ(…って、怖いのかマヌケっぽいのか…)、そして鳴声は鵺(=トラツグミ)のようだったとか。 たしかに、山中に一夜を過ごす時、その鳴声は、かぼそく途切れながらも一定の間隔で果てしなく続き、正体を知らなければ、もの哀しさと同時に不安を感じることでしょう。
 そのトラツグミが、窓の下に冷たくなって落ちていました。…窓ガラスに衝突したことによる即死あるいはショックによる 失神状態での体温低下により死んでしまったと思われます。 無限の空間を飛翔する鳥の目には、ガラスに映った風景が、ずっとその先まで続いているように見えたのかもしれません… 合掌



   観察標本として事務所内にて保存