.    '07年2月2日

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色のない風景

 今シーズンは、ほとんど雪が降りません。写真のよ うなモノトーンの景色になった日は数えるほどです。「明日は降るか、来週は?」と期待しているうちに、はや大寒も過ぎて、2月4日は立春。 その後8日までは七十二候の『東風凍を解く』(はるかぜ こおりをとく)。 東風(春の風)が、厚く張った氷を解かし始めるころです。 しかし、今年はその実感がありません。 雪が無いだけではなく、厳しく冷え込んだ日がほとんどありませんでした。 大雪になったり低温注意報が頻繁に発令されたここ数年()と比べると、同じ時期とは思えないまま2月を迎えました。
 雪が少ないこと・寒さを凌ぎやすいこと、これらは園内の野生動物たちにとって、良かったのか悪かったのか…。  自然の出来事、人知のおよばないところでどんな影響がでるのでしょうか。
           一昨年のようすは⇒ こちら





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人間にとっては…

 写真はイラガの繭(まゆ)。 街路樹や庭木にこの繭を見つけると、樹木を管理している人の多くが眉 をしかめます。 サクラやウメ、ヤナギやカエデをはじめ として、多くの植物の葉を食害するからです。 さらには、不用意に幼虫に触れると激しく痛みます。(「触るほうが悪いんだ」と言われれば、それまでですが…)
 写真のイラガ、幸いにも園内にいたものではありません。 来園者が、街路樹のヤマボウシについているのを見つけて、「これは、なんでしょう?」 と持参されたもの。   ところで、繭の中で越冬している蛹はどうなっているのだろう? 心苦しく思いながらも、後学 のために中を観てみました。 〔写真にマウスオン⇒〕
 なかから現われたのは…アザラシのタマちゃん!? 不謹慎とは思いながらも思わず笑ってしまいました。 しかし、目や耳のように見えるものは、幼虫の時の あの恐るべき毒針の名残なのでした。





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トワイライト・タイム

 トワイライトは、twilight(twi + light):二つの光 の意味。 この時期、沈んでしまった太陽と、いまだ出ていない月の二つの光があいまって、物や風景がうっすらと見えることがあります。  昼でもなく夜でもない時間帯、それが『逢魔が時(おうまがとき)』。 魔物に出会う(出会える)時です。
 写真は園地から車で3分の距離から望む北アルプス・常念岳。 昼間見れば、その秀麗な山容に癒されるのですが、逢魔が時にこうして見ていると… 
さてさて、この御山には神が住むのでしょうか、魔物が棲むのでしょうか。 と、そんな思いはともかく、これからは動物たちが活動する時間帯。真っ暗闇の中、あるものはエサを求め、あるものはその犠牲となり、あるものは安らかに、あるものは緊迫の…  それぞれの一夜の始まりです。