.    '07年10月14日

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からすの学校(10月13日開催)

からすの学校・第20回は烏川の生いたちを探ろう
 お話しは、松本盆地や北アルプスの成り立ちからはじまり、烏川の段丘扇状地の形成のされ方(堆積と隆起と侵食の相互作用) など、その壮大なる地殻の動きを、専門的でありながらも判り易く説明していただきました。
 昼食時間には、参加者が持ち込まれた収集品(岩石)を、‘おにぎり’片手の浅川先生が【お宝鑑定】。 質問者の長年の疑問が解決したようです。
 午後はフィールドに出ての露頭観察。 近くの断層や園内森林エリアの斧研沢(ゆきとぎ沢)の地層 をじっくりと観て回りました。 時に講師も驚く新たな発見があり、(スタッフも含め)参加者の皆さん、充実した一日となったのではないでしょうか。



     衛星画像などを使っての興味深い講義



       園内 ・外での地層や地質の観察


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餌付け

  園路から離れた茂みに落ちていたスナック菓子の袋。 どうやら 人が開けたのではなく、動物が引き裂いて中を食べたようです。 おそらく、来園者が忘れたか、落とした物でしょう。 これが街中であれば たいした影響はないのでしょうが、ここは夜になると多くの野生動物が活動するところ。 悪意のないそれら忘れ物落し物により、野生動物を餌付けしてしまいました。
  最近、ニホンザルに頭を悩ませています。 5,6年前は、人が近づくと 蜘蛛の子を散らすように逃げていたのですが、近頃はすっかり人馴れしてしまい、時には威嚇の行動をとるようになりました。  来園者に被害がおよばないうちに対策を講じなければなりませんが、「危険だから駆除してしまえ」というのは、「クマは危険だから殺せ」 と同じ理屈。 なぜこうなってしまったのかを考えると、安易な解決策はとれません。



   一度餌付けをしたら、二度と元には戻せない


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対抗手段

 そこで上記サルに対抗すべく考え出したのが、この武器。 クマ撃退スプレーを改造したものです。 「えぇ〜 サル相手に “武器”!?」 と思われた方… 
実は、サルに威嚇されると結構怖いんです。 やはりそこは我々と同じ霊長類。怒った顔つきの物凄さは他の動物とは比較になりません。 特に気をつけなければいけないのは、bP(αオスと呼称される)ではなく、2や3のオスザルのようです。 メスや子ザルに 《いいとこ見せよう》 と意識してか、 戦意むき出し やる気まんまんで向かってきます。 (野生ザルの集団には、いわゆるボスザルはいない ⇒ こちら)
 荒ぶる彼らを前に、中途半端な応戦はむしろ逆効果。 相手を怒らせ、襲われる危険性が増すだ けです。 立ち向かうには、それなりの武器(投げ石や棒など)と、相応の覚悟(≒気迫)を要します。



     成分はカプサイシン(唐辛子エキス)
   .   【ご注意】 出会ってしまったら、静かにゆっくりと離れてください。 なによりも、相手を刺激しないことが大切です。
  『目を合わせないこと』 といわれますが、なかには、目を離したり背中を向けると、走り寄ってくる個体がいます。
  その際は、相手を見ながら静かに後退りするのが良いようです。
  野生動物との付き合いは、いとしさや愛情を持ちながらも、距離を保ち無関心を装おうことが肝要ではないでしょうか。