.    '07年11月28日

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いまだ 落葉せず

 紅葉の時期も過ぎ、落葉樹の多くは すでに葉を落としました。そんな冬枯れの景色の中、今も青々 と葉を繁らせている この樹は、ニシキギ科のマユミ
本来ならば、深紅に紅葉して人々を楽しませます。
ところがこの樹は、雪を背景に落葉はおろか紅葉の気配さえありません。 今ごろ、なぜこのような姿なのでしょう? 原因として考えられるのは… 今年の春から夏にかけて昆虫の食害に遭い、多くの葉が傷ついてしまいました。今残っている葉は、その害を免れたものと、夏以降 急遽造られた芽(土用芽)が開葉したものです。 光合成による生産効率が悪い 今でも、細々と養分を貯めているのでしょうか、それ とも、落葉させるエネルギーが無いのでしょうか。
 ところで、この葉を食べたのはオオボシオオスガという蛾の幼虫。大発生して天幕を張ることから、アメリカシロヒトリと勘違いされる来園者が多々おられます。



   後方に見える白い部分は、数日前に降った雪


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いまだ 枯れず (園地から4qの場所)

 なんとも不自然な場所(道路の真ん中)に立っているトチノキ。 幹周3.2m ・樹高14m余の巨木の前にたたずむと、その威圧されるほどの大きさに、素直な感動と、言いようの無い畏怖を感じるのでした。
 昨年7月の豪雨により、なんと、斜面を立ったまま滑り落ち、そのままの形で車道の真ん中に落ち着いてしまいました。 以来1年半近く、こうして生き続けています。写真右側の斜面を10m以上滑っており、かつての根の位置は、ほぼ現在の梢の高さにあったと思われます。
 落ちた際、ほとんどの根は切断されたはず。よくぞ これまで枯れずにいたものです。しかし、さすがに樹勢の衰え著しく、多くの枝が枯損しており、新芽の形成はごくわずかなものです。 今となっては、伐採後の有効利用を考えるべきなのかもしれません。 





     なにやら、訴えかけているような姿…
   .   【お知らせ】 現在、この樹のある車道(一ノ沢林道)は冬期閉鎖しています。 
         樹までは、当園地 ・森林エリア駐車場から徒歩で4qの距離です。


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カモシカに逢う

 警戒する様子も無く、こちらをうかがうカモシカ。今年の春に出逢った母カモシカ とは違う個体のようです。   開園当初(6年前)に比べて、園内でカモシカを見かけることが少なくなりました。 生息調査をされている方にお聞きしたところ、やはり 近郊では目撃が減っているようです。 絶対数が減ったのでしょうか、それともこのあたりが棲みにくくなったのでしょうか。
ところで、上記調査員の方から「カモシカがイチイの葉を食べた形跡(食痕)があるが、イチイは毒なのでは?」と問合せがありました。 まさしく葉を含め有毒植物で、学名:Taxus(タクサス)は英語の毒素=toxin(トキシン)の語源になっています。 やはり人間とは身体の仕組みが違うようです。なお、イチイの果肉は甘くて美味しいのですが、種子は毒成分を含んでいます。果肉は食べても種は吐き出すことが肝要。間違っても噛み砕くことのございませんように。



  厳しい冬を前に、のんびりと (11月21日の出逢い)