.    '09年4月25日

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オオルリ観察会(4月19・25日開催)

 からすの学校 ・ 第29回は、オオルリ観察会
春の恒例イベントとして、毎回好評を博しています。今回も定員を上回るお申し込みをいただきました… が、心配だったのは 1回目(19日)。  昨年は4月20日(観察会当日)に初確認しましたが、今年は4月16日でした。 しかし、 その時見ただけで、それ以降は鳴き声すら聞かれず、ハラハラしながら迎えた当日。 そんな心配をよそに、まるで存在をアピール するかのように、駐車場わきの樹の上で 盛んに囀(さえず)り、車で到着する参加者を迎えてくれました。 2回目(25日)は、生憎の荒天のため短時間の観察でしたが、雨に濡れたオオルリの姿は 多くの皆さんにとって印象深いものだったようです。室内の講義では、講師の軽妙洒脱な話術により、オオルリをはじめ、数々の野鳥への理解を深めたのでした。






      上: 一回目(19日)  下:二回目(25日)


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スプリング ・エフェメラル (春の儚きもの)

 羽化して間もないヒメギフチョウです。 蝶は蛹から抜け出ると、縮んでいた翅に体液を送り展開させます。 しかし、時にはうまくいかないことがあります。写真の個体がまさにそうでした。 蛹になる時、場所の選定を誤ったようです。気づいた時には、片方の翅が木の葉にあたって伸ばせないでいました。 そのままにしておけば、伸びきらない状態で固まってしまいます。 「これはイカンッ!」 と、障害物を取り除いて様子を見ていると… やれやれ、どうやら間にあったようです。やがて縮んでいた翅を展開して、ご覧の姿になりました。 自然の中では、少なからぬ蝶が このよ うな状況で、空を舞うことなく死んだり、鳥や昆虫に捕食されます。 あるいは、蛹の段階で寄生されることも多く、 こうして成虫になれる確率は極めて低いとのこと。 選び抜かれてここまで育ったヒメギフチョウは 2週間ほどの命を生きて、その儚き生涯を終えます。






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早春の花

 カタクリキクザキイチゲなどとともに、園内で春の訪れを感じさせる花のひとつが、写真のハナネコノメ。  ネコノメソウの仲間(ユキノシタ科 ネコノメソウ属)は 分類によっては 国内だけでも30種以上あり、見分けが難しい野草です。そのため、(個人的には)観察会などで、参加者に尋ねられたくないベスト3 (⇒ヤナギ、スミレ、ネコノメソウ)のひとつなのでした。 しかし、このハナネコノメは例外です。 花らしい花を付けない他の仲間とちがい、このような愛らしい花が咲きます。〔…ただし、花びらに見えるのは実際には‘萼(がく)裂片’です〕  花茎の高さ:4、5cm、花の直径:5mmほどと、なんとも小さき花です。 この花を見ようと近づくと、気づかずに踏んでしまいます。そこで、保護のために自生場所の公表は控えさせていただいております。 お問合せは、ご容赦ください。



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