.    '10年2月21日

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野生動物について(2月20日開催)

  からすの学校・第33回は、野生動物の話しとアニマル・トラッキング。 座学は、この周辺に棲む野生動物(哺乳類)について研究者ならではの興味深い講義となりました。 また 昨年9月に長野県乗鞍高原において ツキノワグマによる人身事故が発生した経緯についても講話いただきました。 そのクマは雄で、体毛の分析結果から、餌付されてはいないことや、 歯の成長状況から19歳(クマとしては老獣)であるとが判明したとのこと。なんらかのきっかけでパニックになり、次々と人を襲ったようです。しかし、人間以上に恐怖感を抱いていたようで、走り回りながら脱糞していたとのこと。  一説には、木陰に隠れているのを見つけた観光客が石を投げて、それが引き金になったとも言われています。  不憫にも彼は無残な殺され方で死にました。こんな悲劇を無くすために、ヒトはどうすべきかのパンフレットを現在作成中です。







 テン,イタチ,キツネ,ウサギ,リス,ムササビ 等の痕跡が…


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雨氷(うひょう)

 上はツノハシバミ、下はアブラチャンのそれぞれ冬芽の氷漬けです。実はこれ、「寒いから、雨が凍った」と一言で片付けられるほど単純な現象ではないようです。その発生メカニズムは… .気温が 0℃以下の空気の層の上に 気温 0℃以上の暖かい空気の層がある状態(=逆転層)の時  .暖かい層を通過した雪が解けて雨になる .その雨が、下の冷たい層を通過する際、過冷却水 ( ←本来 0℃で凍るはずの水が 0℃以下になっても液体の状態)となる  .過冷却の水滴が 地上の物にぶつかった衝撃で瞬時に凍結して氷となる…と、結構複雑なのです。
 氷に覆われた樹木は思わず見惚れてしまいます。しかし、その重さは想像以上となるようで、園内では枝折れや倒伏が散見されました。特にアカマツに被害が多かったのは、他の樹木との競争に勝つために 細く高く伸長した ツケが回ってきたからなのでしょう。





  ツノハシバミ(上)の全体は ⇒ 写真にマウス・オン


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驟雪(しゅうせつ)

 驟雪とは、突然降りだし 突然やむ、一過性の降雪のこと。 春を予感させる暖かな日々が続いた後でさえも、まだまだこんな日があるのです。  とは言え どんなに激しく降ったとしても、これまでのような一抹の不安感はありません。登山に例えれば、登り道だったこれまでと違い、今はピークを過ぎて下山開始となったかのようです。 この後、多少の起伏が あったとしても、このまま進めば やがて家に帰れる安堵感があります。 この時期の雪や厳しい寒さを楽観視できるのは、それと似た思いなのかもしれません。
しかし、それは安全を確保されているからこそ言えること。野生動物にとっては、一日あるいは一回の積雪が生命に関わります。体の受け入れ態勢が、冬 モードから 春モードに変わりつつある今、季節の逆戻りは、彼らにとって厳しい試練に違いありません。