.    '10年3月4日

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木端微塵(こっぱみじん)

 ケヤマハンノキの太枝(写真左側)が、まさに木端微塵になっていました。 落ちた衝撃で粉々になったわけではありません。 この‘木くず’をつくったのは、アカゲラ。 園内で見られる コゲラ、アオゲラ、オオアカゲラ と同様、啄木鳥(きつつき)の仲間です。
 しばらく前から、この樹を餌場として、アカゲラが頻繁に通っていました。 最近になって、その枝が中空になったのですが、落下しても危険性はないと判断して「折れるのは時間の問題だなぁ」と気楽な思いで眺めていました。しかし、 とうとう限界を超えたよう です。 気づいた時には、すでに落ちていました。
 ‘木くず’の新しいことから、ひょっとすると、アカゲラの採餌中に折れたのかもしれません。 だとすれば、彼(彼女?)は驚いたに違いありません。 ご馳走に ありつき、盛んにつついていたところ、大音響と共に餌場が崩れ落ちた場面を想像してみてください。 





  7m程の高さから出ていた直径 12cmの太枝と木くず


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70年の寿命を終え

 樹齢 65〜70年のアカマツです。胸高直径40cm 樹高 15mと、(アカマツにしては)大木だったのですが 根元から折れてしまいました。  倒伏した直接のきっかけは、しばらく前にあった雨氷(うひょう) によるものです。 しかしその原因は、根元(地上〜50cmほどの間)が腐朽して脆弱となり、荷重に耐えられなかったためです。  本来ならば、この程度の腐朽は樹勢 (樹の勢い≒健全さ)には影響しませんし、重さにも耐えられたはずです。 しかし、一方が谷となっているこの場所では、谷側に根が張っていませんでした。
 地形的理由から、根の無い谷側に、より多くの雨氷が着き、わずかな傾きが生じて、それが根元で増幅され、腐朽部から破壊が始まったと考えられます。 アカマツは樹木の中では短命といえる樹なのですが、70歳は、さすがに早過ぎ(若過ぎ)た一生でした。







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北アルプス・後立山連峰 (園地外情報)

 左から 爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳、五竜岳、白馬三山(白馬鑓ヶ岳、杓子岳、白馬岳)と連なっています。この左側に続く 常念岳、蝶ヶ岳の麓にある当園地からは、これらの山々は望めません。 言わば (鏡無くして)自分の顔を見ることが出来ないもどかしさに似ています。 〔写真は、当園地から車で 20分ほどの距離にある、池田町田ノ入峠にて撮影〕
 まもなく、これらの山には雪形が現われます。爺ヶ岳には【種蒔き爺さん】が、鹿島槍ヶ岳には【鶴】と【獅子】が、五竜岳には【御菱(武田菱)】が、白馬岳には【代かき馬】が春の訪れを知らせてくれます。
 やがて、それらの雪形が消える頃、園内の吊り橋から見える蝶ヶ岳に、【蝶ちょ】が姿を現わします。
セリバオウレンザゼンソウカタクリキクザキイチゲ を水辺エリアで楽しめる季節は、もうすぐそこです。