.    '10年4月9日

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いまだ開花せず

 園内に自生する桜で、もっとも早く開花するエドヒガンです。世に 600種余(自生種は 9種)はあると言われている桜のなかで、不動の知名度を誇るソメイヨシノの母親です (最近になり、エドヒガン系品種のコマツオトメとの説が有力)。 江戸時代末期、父親であるオオシマザクラ との間に生まれた一本のソメイヨシノ。 その最初の一本と、それ以降これまでのすべてのソメイヨシノは同じ遺伝子を持つクローンです。 枝を接ぎ木して若木をつくり、その枝からさらに別の個体をつくってきたからです。 園内では、ソメイヨシノ(植栽)や エドヒガン が散るのを追って カスミザクラ、オオヤマザクラ、マメザクラ、ウワミズザクラ、イヌザクラの開花が続きます。  ところで、桜が華やかなのは、ひとつの花芽から複数の花が咲くことが一因 と言えます。近縁のウメやモモ、アンズなどにはない特徴であり、桜であることを一目で見分けるポイントです。





    ひとつの花芽に いくつもの蕾(つぼみ)が…


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レクチャー ・ルーム 模様替え

 管理棟内レクチャー ・ルームを模様替えしました。
書棚を整理し、剥製をガラスケースに納めました。
剥製は、これまで‘むき出し’だったため、劣化を懸念していましたが、これで より良い保存状態を保てることでしょう。 一方で、これまでのような親しさから ちょっと敷居が高くなってしまったかもしれません。
しかし、この剥製、だめになったら買い替えればすむ というものではありません。 ここにある剥製のほとんどは、来園者によって死骸が持ちこまれ、それをご厚意をいただいている剥製職人さんと当園地スタッフ により作り上げたものです。[その様子は ⇒ こちら
 展示の目的は、周辺に生息する動物を目の当たりにしていただきたいことから。しかし、彼らの死因は、ガラスへの激突 ・交通事故 ・冬期の餓死 ・天敵 の襲撃 等々。すべてが非業の最期を遂げたのでした。世にあらざるは、天寿をまっとうする野生動物?







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木道の設置

 森林エリアに設置された木道です。 なによりの自慢は、森林エリアの樹木を使い‘地産地消’で出来上がっていること。  なお、原木の伐採は烏川渓谷緑地市民会議の活動でおこなわれました
 この場所は、カタクリが群生するため、これまで、ヒトの踏みつけによる自然破壊が進行していました。今回の木道により、被害を最小限におさえると同時に、これまで遠慮して近づかずにおられた方にも、 目の前でご覧いただけるようになりました。 しかし、利便性やご要望にお応えするためのこのような施設は 時として『諸刃(もろは)の剣(つるぎ)』となります。 自然とのつき合い方をご存じなかったり、それを大切にする思いの希薄なヒトの立入を誘引する危険性があるからです。何気なく踏み込んだ足の下に、ひょっとすると、儚(はかな)い植物がいるかもしれません。