臙脂(えんじ)色の樹
この時期、ひときわ目立つ臙脂色の花は、カツラ。
カツラは、雄花が咲くオスの樹と雌花が咲くメスの樹があり 〔←雌雄異株という〕、写真はオスの樹です。
名前の由来は、【香りが出る=香出(かづ)】⇒【カツラ】とのこと。 秋、黄葉した葉が甘く香っているのに出会えれば、だれもが納得することでしょう。
香りの主成分は ‘マルトール’。 ホットケーキや綿菓子でお馴染みのカラメルの匂いです。 麦芽糖(マルトース)が、百数十度で熱分解するとマルトールになるのですが、
当然ながら、樹がそのような高温になるわけもなく… 何らかの菌が関与しているとの説を聞いたことがあるのですが、はてさて? なによりも、なぜそうする必要があるかは判っていないようです。
それにしても、春の花、夏の緑陰、秋の黄葉と香り、落葉後の冬の樹形などなど、一年を通して見所が多く、来園者からのお尋ねが絶えない樹木です。
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