.    '11年6月12日

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御裾分け(おすそわけ)

 ピークは過ぎたものの、いまだ多くの花を咲かせているベニバナイチヤクソウ。 群生地では一面に光沢のある青々した葉が広がり、一見すると 光合成により あり余る養分を作り出しているかのようです。しかし、 実際には他の植物から栄養をもらわないと生きてはいけない植物であり、頼る相手は樹木です。 といっても樹から直接もらうのではなく、樹と共生している菌根菌 (きのこの 1グループ) を介して、菌根菌が樹からいただいた養分のおすそ分けにあずかります。
菌根菌と樹木は助け合っているのに対して、ベニバナイチヤクソウは菌根菌に一方的に助けられるだけで菌根菌にメリットはないとのこと。 ですから… そんな生き方をしている ベニバナイチヤクソウを掘り取って庭に植えても、哀れな姿になるだけ。 どうしても植えたいのなら、重機を使い カラマツやシラカンバといった樹を、根ごとそっくり持ち帰る必要があります。







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侵入植物除草作業

 烏川渓谷緑地市民会議により、侵入植物除草作業がおこなわれました。昨年に引き続き実施している作業で、除草の対象としている植物は、オオバコ、シロツメクサ、アカツメクサ、ブタクサ、タケニグサ、クズ、 ハルジオン、ヒメジョオン、アメリカセンダングサ、オオニシキソウです。帰化植物を中心に、人為的な影響により繁茂している植物を除去しています。 例えば、オオバコはこれまでの調査で、人の靴に付いて持ち込まれたというよりも、工事車両によって持ち込まれた可能性が高いことが判っています。 (車両が通行した箇所で繁茂している) ところで、除草作業の効果ですが… 昨年徹底的に除草した所は今年の発生が激減していました。数値で見ると、昨年の同時期の除草量(重量)は 264kgでしたが、今年は 87kg!要した時間は、昨年は 211時間、今年は 58時間!  作業の効果が如実に現れています。





   地道な作業により、環境が維持されています


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全国の樹木医を前に (旬情報 番外編)

 日本樹木医会の総会が、長野県で開催されました。 毎年、各県持ち回りで開かれているのですが、長野県は今回が初めての開催です。 そこにおいて、当WEB管理者が代表を務める 『樹木医ネットワーク ・松本』 の活動報告をさせていただきました。
小川真先生〔←築地書館の著者紹介にリンク〕の基調講演の後に 2つおこなう発表のひとつだけに責任重大。 はたして、全国の樹木医の皆さんに我々の活動がどのように評価されるのか不安な思いで迎えた当日。350人あまりの聴衆(樹木医および一般参加者) を前に、 当会の横川樹木医が、春と秋に開催している樹木探訪についてお話させていただきました。小川先生の講演はもちろんのこと、もう一つの事例発表であった岡田樹木医の講演内容も専門性が高かっただけに、こちらはちょいと ‘箸休め’。ほのぼのとした思いで聞いていただけたようです。





 演題は『市民と樹木医〜巨木・名木探訪の実際〜』