.    '11年7月30日

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粘菌

 からすの学校・第44回は、粘菌の魅力と不思議。  定員を大幅に上回るご応募をいただき、急遽会場を変更したのですが、それでもまだ多くの方のお申し込みをお断りすることになってしまいました。 ご要望にお応えできなかった皆様には申し訳ない限りです。
 今回は、小学生から年配の方まで幅広い年代に受講していただきましたが、ちょっと意外だったのは中高生の参加が多かったこと。年金(粘菌)問題は年寄りだけの関心事ではないことが証明されました。
なかには相当な知識を持った高校生もいて、あちらこちらで高度な会話が。そんな彼らの期待に応える一方で小さな子どもも飽きさせない座学と実習になりました。「迷路を解く粘菌」として 研究者が「イグ・ノーベル賞」を受賞したことや、 アメーバ状で時に数十cmにもなるこの生き物が、実は単細胞生物であるなど、なんとも不可思議で興味深い存在です。







    下写真は、粘菌を観察&採集しているところ


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この時期の花々

 左はリョウブ、右はホツツジの花。 盛夏から晩夏にかけて咲く樹の花です。(もっとも、二十四節気の大暑を過ぎた今となっては、立秋を目前にして季節はすでに秋間近と言えますが…)
 園内に多いリョウブ。 いたるところで咲いているため あまり注目されませんが、じっくり観るとその花には意外な美があります。 はるか古(いにしえ)の時代には 飢饉に備える救荒食として、法令を定め 所有する土地の面積に応じて植えたとか。 リョウブ(令法)の名はそれに由来します(異説有り)。 一方、ホツツジは有毒植物として知られています。 毒成分はレンゲツツジと同じアンドロメドトキシン 他。麻酔毒のため呼吸停止を引き起こす危険性がありますので要注意。くれぐれも、同じ時期に開花するリョウブと間違えて救荒食物とされませんように ご用心あそばせ。





       リョウブ            ホツツジ


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蝉時雨(せみしぐれ)

 夕方の散策は、ヒグラシの蝉時雨の中を行くことになります。日中のエゾゼミの大合唱は、騒々しいとしか思えませんが、夕方に 木立の中から聞こえてくるヒグラシの音(ね)は、一日の疲れを癒してくれるかのようです。 辛い仕事 ('_')\ (^_^;)オイオイ をまもなく終える安堵感からという、個人的な思いではない証拠に 来園者の多くの方から同じ感想をお聞きします。  どうやらその差は、音質そのものの違いと、その圧倒的な数の違いからくるようです。単調で金属的な音で四方八方から取り囲むエゾゼミに対して、ヒグラシは徒党を組まず、あちらこちらで耳に優しい音を発します。俳句では秋の季語になっているヒグラシ。 夏の夕暮れの落ち着きを感じ、どこか物悲しく思うのは、古来からの日本人の気質なのかもしれません。
もっとも、蝉にしてみれば、オスがメスに対して行う求愛行動の、せっぱつまったラブソングであるのですが。





         園路は蝉時雨の真っ只中