.    '11年12月29日

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雪との戦い(雪合戦?)

 年末の数日間、朝は ‘雪かき’から始まりました。 といっても園内すべてをかけるはずもなく、また 必要以上に除雪することは当園地の趣旨にも反します。 そこで、管理事務所駐車場および その周辺、木橋や木道を除雪しています。今後の降雪により、管理事務所以外の駐車場は雪解けまで使用できなくなると思われます。 ご来園の際は、管理事務所駐車場をご利用ください。 なお、年末年始(12月29日〜1月3日) のみ、管理事務所および同トイレを閉鎖いたします。(ただし、この間も入園可能です)
 年明け 1月には、からすの学校・スノーシューハイクと冬の自然観察会 を開催します。 アニマルトラッキング(野生動物の痕跡探し)や野鳥観察、樹木の冬芽を観たり など、冬の自然をまるごとウォッチングします。暖かい部屋を飛び出し、いざ雪の森へ!





 園内を流れる烏川と、その源となる北アルプス蝶ヶ岳


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野生傷病鳥獣の一時的保護 〔続編 その9〕

 爆睡中のムササビ。当園地に来てから 133日目の寝顔です。 多少の刺激では目を覚まさず、わずかにうす目を明けて様子をみて、また眠りの中へ… 野生動物としては、ちょいと気がかりではあります。
しかし、この頃は度々野性の本能らしき仕草を見せ始めており、今はそれに期待しているのでした。 今回は、警戒心もなくまどろみの中にあるのをこれ幸いと、手足を写してみました。〔⇒写真にマウス・オン〕
 前足の指は 4本、後ろ足は 5本、いかにも木登りに有利な鋭い爪です。 ちなみに、中央大きなのが‘右後ろ足’。 親指(右端)がもっとも短く細く、小指(左端)は太く長いため、人間の足を連想すると混乱します。 異様なほど大きな肉球 〔蹠球(しょきゅう〕は枝をしっかりつかむために発達し、足の裏半分に毛がはえているのは滑り止め。 こうして間近でまじまじと観る生き物の創りの巧妙さは感動ものです。







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繭(まゆ)ふたつ

 左はヤママユ、右はウスタビガの繭。いずれも、ヤママユガ科の蛾です。 ウスタビガは今秋巣立ったもの、ヤママユは去年以前のものと思われます。 養蚕により絹糸をとるカイコ(成虫はカイコガ)は家畜化された昆虫であり、自然には生息しない(できない)のに対して、ヤママユとウスタビガは天蚕(てんさん)とも呼ばれ、『野にいる蚕→野蚕(やさん)』の代表的存在です。 (しかし、実際に糸をとるのはヤママユだけのようです)   当園地から車で15分ほどの穂高有明において、今でも天蚕糸 (登録商標:穂高天蚕糸)がつくられています。⇒安曇野市ホームページ
 ヤママユガ科の蛾の成虫は口が退化しており、食餌を摂らず(摂れず)、幼虫時に蓄えた栄養だけで生きています。 当然、寿命は短く、成虫になってからは 2週間ほどしか生きられません。 子孫を残すためだけの時間をひたすら生き、その命を終えます。





     冬枯れの景色の中で、ひときわ目立つ