.    '12年3月17日

   .

拝啓 コサメビタキ へ

 春間近に降る雪は、湿り気をおびて重くなります。その雪で写真のコゴメヤナギが、地上から 3mほどのところで折れました。  ヤナギ類の多くは短命ですが、本種や園内にも自生するオオバヤナギは比較的寿命が長く、大木にもなります。 しかし、本来ヤナギ類は自らの命を長らえるよりも、氾濫地などでいち早く子孫を残し繁栄する生活手段を選ぶ進化をしています。 それゆえ、この樹がこうして命を終えたのも自然の摂理としては当然のことなのですが…。 残念なのは、当樹はここ数年間、毎年コサメビタキの営巣場所となっていたこと。 〔以前の話題は ⇒ こちら
今年もまた、繁殖の地を求めてここに来ることでしょう。 はるか異国から海を渡り山を越えて飛来したコサメビタキが 「やれやれ着いたぁ」と思いきや、「あれっ!? 樹が無いっ!」 とがっかりするのでしょうか。  それとも、近くにマイホームをかまえてくれるでしょうか。





  胸高直径 39cm、樹高 20m。 ヤナギとしては大木


   .

遷移の始まり

 園路をはさんで当園地の向かいに広がっている民有地で、樹木の伐採 ・搬出がおこなわれています。 アカマツ を皆伐して、別の樹種を植林するとのこと。 これだけ広大な土地の遷移は見ものです。 下刈り作業など適切におこなわれたとしても、当然植林樹以外の樹木や野草が生えてきます。さて、どんな植生が姿を現すことやら。(ワクワク ドキドキ ハラハラ)
 私有地のため立ち入ることはできませんが、園路から望む植物の変化や、それにともなう昆虫や野鳥の変遷を目の当たりにできると思われます。…とはいえ それを観続けるには、数年 ・数十年のタイム・スパン。 さて、いつまでおつきあいできることやら。 毎年同じ時期には、同じ花が咲き、同じ虫や鳥がいると勘違いしがちです。しかし‘いつもと同じ年’はあり得ません。とりわけこの伐開地では、これからしばらくの間 毎年違う植物や生きものに出会えることでしょう。





          右側の樹林は当園地


   .

こんな公園です

 当園地紹介DVDが出来上がりました。 幾度となくおこなわれた県・業者・管理事務所スタッフによる製作会議。その涙ぐましい成果がこれです。 タイトルは以下の4つ〔YouTubeにリンク:【注】音が出ます〕
1.烏川渓谷緑地の概要
2.園内で見られる動植物
3.園内ポイントガイド
4.様々な活動
まだまだこのDVDでは紹介しきれない見所や見ものがあります。季節に応じた出会いや発見があります。見たいと思って来園されれば見られるもの、最初で最後のたった一回しか見られないもの。 テーマパークあるいは施設型の公園と違い、人の思いどおりになる楽しみ方はできません。また、(人間にとっては)不快であったり危険な動植物や場所も存在します。 そんな緊張感あふれる公園を、お楽しみください。