畏れ
カラマツの根元部分です。おそらく 10年以上前の園路工事の際、根を傷つけたことが原因となり、根株心材腐朽菌に侵されたと考えられます。
そこで、公園管理上、安全を優先して伐採しました。外観や樹勢に異常は無かったのですが、腐朽菌により中は腐り、空洞率 (腐朽して脆弱になっている割合)が高く、根元近くでの折れ(座屈)の危険度が増していました。
なお、開口部を補強すべく発達した巻き込み (羊の角に見えることから ‘ラムズ・ホーン’と称される〔矢印〕)は、それなりに発達してはいましたが、
強度的には座屈を予見させる状況でした。
人災により伐られることになったこの樹は、樹齢70年以上、胸高直径60p、樹高25mあまりの大木。自分よりも長く生き続けた生命体に引導を渡す時には、いつも畏れを感じます。
『お前に伐られる為に生きてきたのではない』 との声が聞こえるようです。
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