傷ついて
樹の芽を食べるニホンザル。これからのち、彼らを養う餌は限られています。春になるまでの間、樹の枝から枝を伝い、あるいは雪を掘り返し、少ない餌を探し回ります。
そんなサルにとって、怪我することは時には命取りになります。じつは、写真のサル(オスの成獣)は右後ろ足が傷ついています。
遠目で確認したところ、足首から先が欠損しています。それが生まれつきなのか、傷がもとで壊死したのかは解りません。 もしも、最近の出来事であったとすれば、この冬を越すことの困難さを予感させます。
体に傷を負うことは、餌を確保できないことに直結します。間もなく雪で覆われる園内で、彼はこの冬を生き延びることができるでしょうか。 しばらく見ていると、やがて他の個体によるグルーミング(毛づくろい、ノミ取りなどと呼称)が始まりました[写真にマウスオン]。
願わくば、この仲良しや仲間に助けられながら、春を迎えて欲しいものです。
|