.    '13年1月6日

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傷ついて

 樹の芽を食べるニホンザル。これからのち、彼らを養う餌は限られています。春になるまでの間、樹の枝から枝を伝い、あるいは雪を掘り返し、少ない餌を探し回ります。 そんなサルにとって、怪我することは時には命取りになります。じつは、写真のサル(オスの成獣)は右後ろ足が傷ついています。 遠目で確認したところ、足首から先が欠損しています。それが生まれつきなのか、傷がもとで壊死したのかは解りません。 もしも、最近の出来事であったとすれば、この冬を越すことの困難さを予感させます。 体に傷を負うことは、餌を確保できないことに直結します。間もなく雪で覆われる園内で、彼はこの冬を生き延びることができるでしょうか。 しばらく見ていると、やがて他の個体によるグルーミング(毛づくろい、ノミ取りなどと呼称)が始まりました[写真にマウスオン]。 願わくば、この仲良しや仲間に助けられながら、春を迎えて欲しいものです。







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啄木鳥

 写真はオオアカゲラ。 いわゆる啄木鳥(きつつき)の一種です。 園内に生息する啄木鳥は、このオオアカゲラの他に…アカゲラ、アオゲラ、コゲラがいます。アカゲラとオオアカゲラは遠目には似ているため、迷うことがあります。(一方、アオゲラとは色の違いで、コゲラとは大きさの違いで一目瞭然です)  アカゲラとオオアカゲラの見た目の違いは腹の色。 アカゲラが白色なのに対して、オオアカゲラは赤く、黒い縞模様が目立ちます。 なお、両者ともオスの頭頂は赤いのですが、アカゲラよりオオアカゲラのほうが赤が目立ちます。 しかし、アカゲラの幼鳥は まるでオオアカゲラのような赤い頭頂になるため、頭だけ見ると 『あれっ!?』と戸惑うことがあります。 ところで、この時彼は餌を捕るべく、盛んに樹をつついていました。 枯れ木にとって、キツツキの採餌あるいはドラミング(求愛や縄張り宣言)は、結構な破壊力になります[⇒過去の話題] 







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途上にて

 正月休み明けの初出勤の朝。 園地まであと5分の通勤途上から見える山は、北アルプス ・常念岳。 その左に連なるのは蝶ヶ岳、蝶ヶ岳の向こう側は上高地です。 新たな年の幕開けに相応しい景色となりました。 ところでこの写真は、走る車中からフロントガラス越しに撮ったもの。 前後左右、数百メートルの範囲に、人影も車も無いのを確認してからとはいえ、今となっては反省しきり。『停めて撮れば、もっとまともな写真になったかも…』という以前に、危険運転を反省せねば m(_ _;)m 
 さて、来たる2月7日に、この時期の恒例イベントとして毎回好評を博している 〔アニマルトラッキング〕を開催します。 当園地の‘地の利’を活かしたお薦めの講座です。(弱気ですいませんが…)実際に動物を見ることは無いと思われます。しかし、そこにいる野生動物の息吹を、きっと感じることができるはずです。