.    '14年2月4日

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春なのに…

 ’14年2月4日は節分の翌日。つまり、立春です。 本来ならば、大寒から立春までが寒さの底となり、この日を境に冬から春にうつろうはずなのに…。 皮肉にも、これまで数日間続いていた暖かな陽気が、立春の日から再び冬の気候になりました。 天気予報によると、ここ安曇野はしばらくの間、低温と降雪が続くようです。  園内のあちこちで、雪が解けて土が見えています。野生動物にとって、積雪状況はエサの確保に直結するため (生態系への影響や適正生息数のバランスはともかく) 彼らには雪解けは歓迎すべきことでしょう。 しかし、当園地主催イベントの‘からすの学校 ・アニマルトラッキング’にとっては、無雪は辛いものがあります。 動物の足跡(足痕)を見つけることが困難になるからです。 解けていく雪に、ため息をついていたのですが、天気予報を見て(動物には申し訳ないが)安堵したのでした。





     春の訪れを予感させた園内も冬に逆戻り


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イスカの嘴(はし)の食い違い

 来園された方からの 『イスカを観た』との情報を得た翌日、当園地スタッフも 30羽ほどの群れを視認することができました。 多くは冬鳥として日本に渡ってきますが、安曇野周辺では留鳥として通年棲息している場所があります。しかし、個体数(群数)が少ないため、出会えれば幸運と言えます。 これまで園内においての確認はなかったため 「見逃していたのかな?」 との思いもありますが、冬枯れの景色の中、これだけ目立つ群れに出会えば印象に残らないはずはないとも考えます。  ところで、今年は冬鳥の少なさを実感しているのですが、イスカ はあちこちで目撃されています。 なお、ここ安曇野でもマツ材線虫病でのアカマツの枯損が急増しています。 アカマツの種子をエサとするイスカ。 エサ場の激減が、これまでとは違う生息場所を生むのでしょうか?
 





     松かさを こじ開ける 朱色鮮やかなオス


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ハイテク機器(?)導入

 園内フィールドでの観察会における、極めて有効な無線ガイドシステムを導入しました。 これにより、ガイド あるいは講師の説明を聞きもらすことがなくなりそうです。 この機器の優れている点は参加者各々が受信機を持ち、イヤホンで聞くこと。 そのため、大声を張りあげるとか、大音響でスピーカーを鳴らす必要がなくなり、観察対象となっている動物や他の来園者を驚かせることなく解説が可能となりました。
 今年になり、これまで確認していなかった動物(鳥類や哺乳類)の園内での棲息を知ることができ、改めて当緑地の自然環境の豊かさを実感しました。 あわせて、ヒトの都合だけでなく、それら生き物に配慮した対応の必要性を痛感します。 この環境を今いる人々だけの享楽で終らせることなく、後世に伝えるにはどうすればよいのか。 崩れた自然を戻すには気の遠くなる時間を要します。決めるのは今!?





    シルバーが発信機、ブラックが受信専用機