.    '12年11月4日

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紅葉観察会

 烏川渓谷緑地市民会議主催イベントの 樹木の紅葉観察会を開催しました。 県内における植物分類の第一人者として知られた講師を迎えての充実の講座でした。 シダ植物をはじめとして、草本から木本まで、あれこれと続出する豊富な話題に、息つく暇もありませんでした。   開催時期として、紅葉を観るタイミングとしてはまさに適期でした… が、残念ながら 今年の紅葉は今いちでした。  例年ならば、今頃深紅に紅葉する ハウチワカエデ、コミネカエデ、オオイタヤメイゲツ、ヤマウルシなどは、いまだ黄色いまま落葉時期を迎えようとしています。 一方、黄葉する ヒトツバカエデ、ウリハダカエデ、イトマキイタヤ[=モトゲイタヤ(←イタヤカエデの一種]、アオハダ、タカノツメ、カツラ などは、見事に色付いています。 今しばらく、‘日本の秋’ を楽しめそうな園内です。
  〔紅葉のメカニズムについての話題は → こちら







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マツ材線虫病

 ここ安曇野において、急激に拡大している【マツ材線虫病】(業界や行政では【マツ枯れ】あるいは【松くい虫】などと呼称されている)。 飛翔昆虫のマツノマダラカミキリにより伝播されるだけに、園内のマツが枯れはじめるのも時間の問題と考えていましたが、この秋に初確認することになりました。  写真は当園地まで数百mの距離にあるアカマツ。 傷付けても松ヤニの滲出が無く、当年葉が枯れる前に 前年までの葉が先に枯れるなどのマツ材線虫病特有の症状が見られたため、 線虫の分離はしなかったものの、同病に罹患していると判断しました。 今後、マツ枯れ被害は甚大になると思われます。いまだに、大気汚染や酸性雨などが原因とする説があります。しかし、これまでの歴史や研究報告(例えば→こちら) から、当WEB管理人としては、それらには承服しがたいものがあります。 〔マツノマダラカミキリは → これ







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『野外活動講座』 (旬情報 番外編)

 当WEB管理人が講師を務めた長野県山岳総合センター主催の『野外活動講座』において、飯山市鍋倉を訪れました。 写真は、新潟県との県境の関田山脈。長野県内に残された数少ないブナの純林が広がります。 昨年は6,7年に一度のブナの大豊作の年であったため今年は凶作となりました。さらには、この夏から秋にかけて、周辺の森では異常な出来事が発生しています。 秋を前に、ブナの葉の多くが茶色に変色しました。 原因は[虫害]。 ウエツキブナハムシの幼虫と成虫の食害のために、葉肉が無くなってしまい、遠目にはまるで枯れてしまったかのように見えます。 しかし、心配はご無用。この虫のためにブナが枯れることはありません。東北地方では、数年前からこの状況が継続していたのですが、近年は終息傾向にあるようです。この虫をエサとする昆虫や野鳥の他に、やがて天敵となる菌類が大発生します。
  〔菌類(カビ)で死んだ昆虫の話題は → こちら





    写真に写っている範囲には異常ありません