.    '14年9月26日

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邯鄲の枕

 カンタン。その名は中国の古都邯鄲(かんたん)に由来します〔こちらを参照〕。 明瞭な継続音であるため、すぐに居場所がわかりそうですが、意外にも見つけるのに手間どります。 半透明の翅や目立たない色彩もさることながら、葉の裏から首だけ出して鳴くという、いわば‘葉隠れ’でいるからです。  この時も『音はすれども 姿は見えず』で、その実体を視認するのに時間を要しました。案の定、葉の裏から上半身を出して鳴いていました。…やがて待つこと数分。穴から出て葉の表に姿を現しました〔写真にマウス・オン〕。  鳴き声は晩夏から聞くことができますが、やはり晩秋の鳴き声は寂寥感が漂います。 ところで、一般には【鳴く】と表現しますが、その実際は 【オスがメスに対する求愛行動として、前翅 2枚をこすり合わせて発する共鳴音】であり、これは他の ‘秋の虫’ も同じことです。 〔過去の話題は→ こちら





   メスを呼んで鳴いているが、ヒトも呼び寄せる…


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いまだ増築工事中

 キイロスズメバチの巣です。 これを見つけた時、巣のあちこちから蜂が飛び立っていたので、 『おっ! 珍しい。出入り口が複数あるっ!』と思いました。多くの場合、キイロスズメバチの巣は、どんなに大きくなろうとも出入り口はひとつです。 稀に複数あるらしいのですが、これまで見たことがありませんでした。そこで、思わぬ珍景発見と心躍らせながら、よくよく観ると…  巣に出入りしているのではなく、盛んに増築中であることがわかりました。働き蜂がそれぞれ運んでくる巣材(樹皮や朽木あるいは巣の内側から削り取ったもの)の違いにより色が異なることから、このような マーブル模様になります。 巣の形態も面白いのですが、生態も興味深いものがあります。 一例をあげるならば、エサ。 幼虫は肉食(動物の死肉や昆虫)ですが、成虫は幼虫の分泌液(栄養液)がエサであるため、まるで ‘子どもがおとなに授乳する’ かのようです。





  今が個体数の多さのピーク。 くれぐれもご用心を


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みんなのものだから

 きのこ狩りのシーズンです! しかし、園内においては、きのこ狩りや山菜採りは禁止になっています。 その理由は右写真(園内に設置した看板)の通りです。 山菜やきのこ、あるいは地蜂(ジバチ:地元では‘スガレ’とも呼ぶクロスズメバチのこと)を採ることは、本来ならば継承すべき文化といえるものです。 しかし、公共施設においては、機会の平等性や動植物の保護の見地から、優先順位を決める必要があります。そこで昨年より、このような規制実施とさせていただきました。 告知が周知されていないことから、知らずに採る方もおられますが、なかには 『昔から採っている』と、あたかも既得権のように主張される方も一部におられます。 しかし、ルールを守っていただいている方に不公平となることは避けなければなりません。あくまでも、【ご協力のお願い】ではなく、【規則の順守】であることをご理解いただけますよう。





           園内に設置した看板