.    '14年10月4日

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紅葉情報

 毎年今頃になると急増するお問い合わせは… 『紅葉はいつ頃?』というもの。 紅葉あるいは黄葉ないしは褐葉は、すでに始まっています。 今はオオヤマザクラヤマウルシ、ツタウルシが深紅に染まりはじめ、クロモジ、アブラチャン、ダンコウバイがレモンイエローになり、淡緑色のアオハダコシアブラが目立ちはじめ、褐色のミズナラ、コナラ、カマツカが日々その数を増しています。 どうやら、今年の見ごろは 10月中旬から下旬までとなりそうです。
 一方、野草の花は少なくなりましたが、いまだ咲いているのは… ユウガギク、ノコンギク、ゴマナ、ヤクシソウ、コウゾリナ、ヤナギタンポポ、ミゾソバ、アキノウナギツカミ、ヤブタバコ、ガンクビソウ、イヌタデ、ハナタデ、ボントクタデ、ナギナタコウジュ、カワミドリ など。  今は、自然の移ろいを観る楽しみの季節。これからしばらくの間、目の離せない時が過ぎていきます。





       紅葉のメカニズムは→ こちら


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ドングリは不作でも…

 写真はサワグルミ。 垂れ下がっているのは、おびただしい数の果実(正確には、果実の集まった果穂)です。それは、あたかも‘下がり簪’(さがりかんざし)。〔写真にマウス・オン〕  今年は、ここ安曇野ではドングリ(コナラミズナラの果実)の結実が少ないようです。それらはツキノワグマの秋の主要な食物であり、冬ごもりの体づくりには欠かせません。 しかし、今は不作のそれらに代わり、豊作となっている オニグルミクリが主食になっているようです。 写真のサワグルミも例年になく豊作ですが、残念ながらクマのエサにはなりません。  クマだけでなく、クルミを食べるヒトにとっても食べ物にはなりません。 …と言っても、有毒ということではなく、その果実(種子)があまりにも小さいため(数mm程度)、食べるに値しないからです。  学名のPterocarya rhoifolia とは「翼のあるクルミ」の意。 この翼で、新天地まで飛んで行きます。





 この実が食べられれば、クマもヒトも大喜びでしょうが…


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立ち入り規制

 オオバヤナギを保護するために、その周囲を立ち入り規制しています。 樹の根は、思いのほか浅く広がっています。〔過去の話題は→こちら〕  水を吸収する細根の多くは、地下数cm〜20cmに集中しています。そのため、ヒトが立ち入って土を踏み固める程度でも根への影響が出てしまいます。 とりわけ、このヤナギの場合、二方向を川にはさまれているため、根を張る範囲が限られています。 少ない範囲に生育している根を弱らせないために、このような対処をいたしました。 それにしても、近頃、園内において様々な規制やお願いが続いており、管理者側としても心苦しい思いがしています。   ハチクマ 対策としての期間を限定した立ち入り規制、きのこ狩りや昆虫採集の禁止など。  後追いで新たなルールをつくることの問題は痛感しながらも、来園者数の増加に伴うやむを得ない対処につき、ご理解を願う次第です。





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