.    '14年9月20日

   .

丈夫な歯

 バリバリとけたたましい音を立ててオニグルミの殻を食い砕くニホンザル。〔写真にマウス・オン〕  【サルやクマは、クルミの殻が硬くなる前の初秋にエサとする】との情報もありますが、実際に今現在食べているクルミ を割ろうとしても、とてもの硬さにヒトでは‘歯が立たない’状態です。このような様子を見るにつけ、野生動物は歯が丈夫でなければ生きていけないことを実感します。 (…よかった。歯医者に診てもらえるヒトに生まれて。 さもなければ、とっくに飢え死にしていたろうなぁ)   ところで、これから先、野生のサルはますます毛並みが良くなり、体もふっくらとしてきます。 エサの豊富な秋に食べられるだけ食べて、(結果として)冬に備えています。 食べ溜めする必要のない(できない)動物園のサルの体が貧相に見えてしまうのは、これからの時期です。 なお、園内のサルは時にアカマツを食べ〔→こちら〕、名札を齧ります〔→こちら





        頑丈な歯がうらやましい…


   .

落とし物

 ツキノワグマの糞。サル同様、こちらもオニグルミをエサにしていたようです。このほかに、園地周辺で拾うクマの糞にはクリが多く見うけられます。 いつもの年ならばドングリ(コナラミズナラ)を食べる時期ですが、今年はそれらが不作のため、やむなく硬い殻のクルミを食べ続けていると考えられます。 以前、クマがクルミを食べている現場に出会いましたが、サル以上にけたたましい音で殻を噛み砕いていました。 その音の違いは、一度に口にする量によるものなのか、それとも口(頭骨)の構造による共鳴の違いなのか… つい最近までアリハチを捕食していたクマですが、ここにきて食生活が変わったようです。 これからは‘冬ごもり’(冬眠ではない)に備えて、皮下脂肪を蓄える体づくりの時期です。それにはドングリの実が最も有効なのですが、その‘頼みの綱’がこのあたりでは不作。 クマにとっては、気の毒な冬になりそうです。 





    クマは不本意かもしれませんが… 展示中


   .

要注意! (園地外情報)

 当WEB管理者が講師を務める講座で信濃町の野尻湖を訪れた際に見つけたキノコです。全体に生えるもふもふ感のある毛は、まるでぬいぐるみのような手ざわりです。 種名がわからず、帰ってから調べようと写真に撮りました。 ところが、その帰り道、とある大型物産センターでそのキノコが販売されていました。パックに貼られたシールは【ヌメリスギタケ 300円】。 『えっ!? ヌメリスギタケ?』… 明らかに違います。そのことを店に伝えたところ、『キノコに詳しい方が持ち込んでいるので間違いは無いはずですが、調べてみます』とのこと。 それからまもなく連絡があり『保健所ではわからないとのことですので、すでに店頭からは回収しました。 なお、これまでに売れていません』とのこと。 稀な出来事ですが、過去には‘道の駅’で毒キノコが売られたことがありました。国内には数千種あるキノコだけに、いまだ未知が多いようです。





     写真にマウス・オンで、柄と傘裏の様子