.    '15年2月23日

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こも巻き

 今園内のところどころで、こんな樹木が見られます。『こも巻き』といわれるもので、一般的には『樹に害を与える虫を捕殺する』との目的で、主に アカマツ、クロマツなどの幹に巻きます。 そして、葉を食害するマツカレハ(別名: マツケムシ)の幼虫が、その中で越冬しているところを、 こもごと焼却するという、古来から用いられた方法です。 …が、しかし、実はこれ、あまり意味が無いというか、むしろ逆効果のようです。大発生時はともかく、多くの場合、実際にこの中で越冬しているマツカレハは極めて少なく、多くは樹には無害な昆虫の成虫や幼虫とのこと。 むしろ、マツカレハの天敵であるクモサシガメなど、マツにとっては益虫を捕殺してしまうことになるようです。  「では、園内のコレはなんのため?」⇒ 現在、マツだけでなく、数種類の樹にこも巻きしています。 その目的は【冬越しの生きものを観察する】ためのものです。





   害虫防除でもなく、寒さ対策の‘腹巻’でもなく…


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これを見ての疑問…?

 左端は最近出来上がったタヌキの剥製です。他の 2体は以前から展示しているキツネアナグマ。 これを見て、ふと「?」と思ったのは、アニマル・トラッキングなどで解説される『キツネは肩幅が狭いので足跡が一直線につく』というもの。 こうしてみると、3者の肩幅にそれほどの違いは認められません。どうやら、単に‘肩幅だけの問題’ ではないようです。 現にアナグマも、【歩きにくい場所】では、一直線の足跡を残すとか。 指の形状や本数の違い(アナグマは5本、キツネは4本)は雪の上ではよく判りません。ただし、アナグマは冬ごもりするため、雪上に足跡がある可能性は低いと考えられます。 しかし、冬期間以外であれば、一直線=キツネとは即断できません。 ちなみに、身近な ネコの足跡もキツネと同様に一直線です。 形の違いや爪跡の有無などから同定可能であるとはいえ、やはり、じっくりと観察する必要があります。





   タヌキの顔の針金は、乾燥&整形中のため


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水鳥

 園内を流れる烏川で採餌中のコガモです。 2月16日から釣りが解禁になったために多くの釣り人が訪れるようになり 水鳥も落ち着いていられなくなりました。 とはいえ、 釣り解禁となる前日までの狩猟期間 (前年11月15日 〜 2月15日)が過ぎて、コガモにとっては、これから秋までの間、ヒトから狙われる危険が去り、安堵の時を迎えたといえます。
 ところで、園内の河川(烏川、小野沢川)での水鳥観察の機会は多くはありませんが、当園地の上流にあるダム湖(長野県が所有する砂防えん堤湖)では、コガモのほかにもマガモ、ヒドリガモ、キンクロハジロ、オナガガモ、 ホシハジロ、カイツブリ、カルガモなどを観ることができます。あるいは、極々稀には、猛禽類の飛翔に出会えるかもしれません。  なお、当園地近くにはコハクチョウの飛来地としても知られている水鳥観察ポイントがあります。





 写真は雌。ワンポイントのメタリックグリーンが魅力的